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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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369ーリア姉が釣れた

「リーゼ、その恰好をしているという事は馬を飛ばして来たのか?」

「はい! お父様! だって直ぐに行っちゃうって聞いたのでッ!」


 お祖父様とお祖母様が、到着したら行くからね。その間だけお世話になっている。


「リーゼ様、落ち着きなさい。どうしてそうなのでしょう? 何度も言っているのでっす」

「はい、クリスティー先生。ごめんなさいぃ」


 おっと、クリスティー先生にまで注意されている。これは常習犯だな。お兄さんのユーリさんはとっても落ち着いているのに、どうしてこうなった?


「ワッハッハッハ! リーゼは元気で良いぞ!」

「お祖父様! お久しぶりですッ!」


 元気な声でそう言いながら、フリード爺とラン爺のところへ小走りに行こうとした時だ。


「あたッ!」


 またもや何もないところで躓いている。またおっとっととケンケンしながら進み、転けるかと思いきや今度はとうとうパフンと倒れ込んでしまった。それもよりによってネリアさんの胸にだ。

 本当に落ち着きがない。ドジっ子決定だ。


「リーゼ様!」

「はいぃッ! ごめんなさいでっす!」


 クリスティー先生の言葉尻が移っている。でもここで笑ってはいけない。だってネリアさんが、とっても怒っているから。


「リーゼ、貴方はもう……」

「あばばば、おかあしゃまッ!」


 顔を起こしてネリアさんに睨まれ、あたふたしている。この感じ、本当によく似ている。


「いい加減になさいッ!」

「ひゃ、ひゃいッ!」


 決まりだ。完璧にあの女神と同類だ。『あばばば』なんて同じ事を言っている。しかも噛んでいるし。ふふふ、面白いなぁ。

 そのドジっ子のリーゼさんに、リア姉から順に自己紹介をした。


「ボクはろろ」


 さっきも言ったのだけど、一応順番に自己紹介をしていたから、もう一度言っておいた。


「会いたかったわッ!」


 またこっちに来ようとする。落ち着きがなさすぎる。絶対に躓くぞ。もうパターンが読めてしまった。リーゼさんも学習しないのか? また叱られるぞ。


「待つんだ、リーゼ。先に着替えておいで」

「お兄様、そうですか?」

「そうだよ、凄く埃っぽいよ」

「え……」


 そりゃ、馬を飛ばして来たのだからそうなるだろう。ピカさんだって、ちょっと汚れていると言って避けていたもの。


「分かりましたぁ……」


 残念そうに、肩を落としてトボトボと部屋を出て行った。チロチロと此方を見ながら。ちゃんと前を向く方がよいと思うよ、また躓くから。

 案の定、部屋を出た途端に「あたッ!」と声が聞こえてきた。


「むふふふ」


 思わず両手をお口の前にやって笑ってしまう。


「騒がしいでしょう? あの子はいつもああなの」

「何度言っても直らないのでっす」


 クリスティー先生まで、呆れている。もうお手上げだといった感じかな。

 

「リーゼは一人でちゃんとやっているのかな? 心配だよ」


 ユーリさんまでそんな事を言っている。リーゼさんは寮に入っていると言っていた。本当に大丈夫なのかと俺でも心配になってしまう。


「リアは同い年なのに、しっかりしているよ」

「ふふふ」

「レオ、そこでどうして笑うのよ」

「だって、姉上。しっかりしているって。良かったね」

「それって頼りないのにって、言っているのと同じじゃない」

「そんな事ないよ。ふふふ」


 そこで笑うから駄目なのだ。レオ兄は本心を隠せてない。

 でも、あれだと心配になるのも分かる。だけど何度も躓いているのに、思い切りバターンと転けたりしない。まあ、ネリアさんのお胸にダイブしちゃったりはしたけど。

 それってもしかして、とっても体幹が良かったりするのかな? リーゼさんも強かったりして。そんな事になると、リア姉が絶対に対抗意識を燃やすぞ。


「あれでもリーゼも強いのだぞッ!」

「フリード様、本当ですか!?」


 ほら、ほぉ~ら。もうリア姉が釣れた。絶対に食いつくと思ったのだ。

 それはそうと、俺はもうお腹いっぱいだ。で、どうなるのかというと。


「ああ、ロロ。もう眠いんだね」

「れおにい」


 ユラユラと身体が揺れだした。満腹になると直ぐに眠気が襲ってくる。もうこれは抗えないのだ。


「私が寝かせてきましょう」

「クリスティー先生、僕が行きますよ」

「レオ達はリーゼ様のお相手をお願いしまっす。きっと直ぐに戻ってくるでしょうからね」


 そんな事を言いながら、クリスティー先生はもう俺を抱き上げている。レオ兄より身体が大きいからとっても安定感がある。

 それにクリスティー先生の匂いが好きだ。もちろん、レオ兄の匂いも好きだけど。


「じゃあ、ロロをお願いします」

「はい、お願いされました」

「ロロ、おやすみなさい。クリスティー先生、有難うございます」

「いえ、構いませんよ」

「おやしゅみなしゃい」

「ロロ、おやすみ」


 みんなが、おやすみと言ってくれる。俺はそれが嬉しくて、いつもよりいっぱい手をフリフリした。家だとこんなに大勢いない。賑やかで良いな。

 クリスティー先生が、俺を抱っこしてゆっくりと歩く。その振動がまた心地よくて、俺はベッドに入る前に眠ってしまった。なんとなく、気配でクリスティー先生が俺の横にいるのを感じながら。


お読みいただき有難うございます!


昨日は急に動物病院に行く事になって、慌てて投稿したので後書きを書けませんでした。

この場は皆様とコミュニケーションを取れればと思って書いてます。

ずっと書いているので、なかったら寂しく思ったのですが、皆様は如何でしょう?

え?いらない?えー、そんなぁ^^;

うちの老犬トイプードルが、もう覚悟しないといけないかなぁ…て、感じになってしまいました。これから動物病院に通わないといけないので、また書けない事があるかも知れません。

できるだけ、書いていきますのでお付き合い頂けると嬉しいです!

いつも感想を有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
やはり、「元気があってよろしい」的教育はいかんのだなぁ…… >>犬 病院通いのレベルになると、専門家でないのでアドバイスなどできる立場ではありませんが、失礼前提で言えばペットロス等に御注意くださ…
いつも楽しく読ませていただいてます。 ペット(家族)を見送るのはとても辛いですよね… 気長に更新を待ってますので、お身体に気を付けて無理せずに(家族を優先で)頑張って下さい。
後書き,楽しく読んでます、でも出来る範囲で無理なくでお願いします、通院は結構大変なのでっす。 ロロちゃんと添い寝してみたいですね
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