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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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365ー俺が守りたい

「なるほど、女神の加護ですか」

「え……」

「だからピカちゃんなのですね。ふむふむ」


 クリスティー先生が自分一人で納得している。女神がどうとかは、秘密なのだぞ。知られてはいけないのだ。レオ兄とディさんに秘密だと言われている。


「しぇんしぇい、ひみちゅなのら」

「おや、そうなのですか?」

「しょう、ひみちゅ」


 短い人差し指を立ててプニッと唇に当てた。


「ロロ、何だ?」

「れおにいが、ひみちゅらっていってたのら」

「そうなのか?」

「しょうなのら」


 クリスティー先生がそれを聞いて、今度はリア姉とテオさんの鍛練を見学しているレオ兄を見た。ピカーンとクリスティー先生の眼がゴールドに光ったぞ。これはあれだ。精霊眼で見ている。


「ほぅ~。レオは鑑定眼ですか」

「しょうなのら。れおにいはしゅごいのら」

「おう、レオ兄はスゲーよな」

「しょうしょう」


 ニコ兄と俺が、自慢気に胸を張る。自慢の兄だからね。俺なんかより、レオ兄は凄いのだ。

 なにしろ鑑定眼にあの魔力操作。勉強だってできる。槍だけじゃなくて弓も使える。

 レオ兄は、俺達四兄弟の中で一番凄い。なんでもできる頼りになる兄なのだ。


「なるほどでっす。ディが気に入るのも分かりますね」


 そんな事を言いながら、クリスティー先生は持っていたピコピコハンマーで地面を叩いた。とっても嬉しそうにニコニコしている。


 ――キュポン!


「ふふふふ」


 ――キュポポン!

 ――キュポポンポン!


「とっても可愛らしいでっす」

「アハハハ! クリスティー先生ったら!」

「しぇんしぇい、たのしいのら」

「はい、楽しいですね。これはとても良いですね!」


 クリスティー先生が、精霊眼で見た事を教えてくれた。

 オークをやっつけた時のように、魔法を流すと衝撃波が飛ぶ。それはニコ兄も一緒だ。ただニコ兄のピコピコハンマーには、ぶっ刺す小さな槍の刃の様な物が付いている。

 俺のについている翼はただのお飾りだけど、ニコ兄のは違う。ちゃんと武器になっているのだぞ。

 クリスティー先生が解説してくれた。ニコ兄に分かり易く丁寧に。


「魔力を流すと、この部分がとっても強力になりまっす。それこそ、ブラックウルフなんて一撃でしょう」

「え、そんなになのか?」

「ええ、そんなにでっす。私も一つ欲しいくらいでっす」


 クリスティー先生も、ディさんが持っていた様な杖を持っているのだろう? 杖なんか使わなくても、オークキングを瞬殺していたのだ。

 ピコピコハンマーなんて全然必要ないのに、嬉しい事を言ってくれる。

 ピコピコハンマーは、俺の代表作と言っても過言ではない。


「にこにい、らから、ちゅよいのら」

「お、おう。まさかそんなに強いとは思わなかったんだよ」


 えー、だから俺がぶっ刺せるとか、強いとか何度も言っていたのに。信じてなかったのか? 思わずジト眼でニコ兄を見た。


「ロロ、信じてるって」

「らって、にこにい」

「信じてるけど、まさかそこまで強いと思わないだろう?」


 魔力を流さなくても、ブラックウルフを足止め出来ていたのだぞ。そこに魔力を流すのだから、そんなの強くならない訳がない。

 だが、重大な問題に俺は気が付いている。俺にはどうしようもできない事なのだ。


「れもなぁ」


 俺は短い腕を組んで考えるポーズだ。ニコ兄に重大な問題があるのだよ。いくらピコピコハンマーが強くても、どうしようもない問題が。


「ロロ、どうしました?」

「にこにいは、ポカポカぐるぐるしないのら」

「ポカポカぐるぐるですか?」

「しょう、れおにいにおしょわったのら。からら(身体)のなかの、あたたかいのをぐるぐるしゅるって」

「ああ、魔力操作ですね」

「しょうしょう」

「おやおや、それはいけませんね」

「しょうなのら」


 ほら、クリスティー先生も言っているだろう? レオ兄やディさんも言っていたように魔力操作は大切だよ。クリスティー先生と、二人並んで腕を組みニコ兄を見る。どうだ?


「ロロ、それは秘密だぞ!」

「しょんなことないのら」

「ええー!」

「ニコ」


 今度はニコ兄が見られている。クリスティー先生は、ディさんよりシビアな気がする。ディさんならきっと、仕方ないな~なんて笑って済ませているだろうけど、クリスティー先生はそうはいかない。


「ニコは土属性と水属性ですか」

「おう、そうなんだ。毎日畑でめっちゃ役に立ってるんだ」

「普段から使っていてこれですか?」

「え……」


 おっと、やっぱ言う事が厳しい。いつも使っているのだから、もっと使えてもよいのにという事だ。

 俺もそう思うぞ。だから、ポカポカぐるぐるをしないからだ。レオ兄が教えてくれたし、俺も何度も言っていたのに。


「ロロに負けちゃっても良いのですか? お兄さんなのに」

「え……それは嫌だな」

「そうでしょう?」

「おう、もしもの時は俺が守りたいからな」

「なら、魔力操作を毎日コツコツとする事でっす。ニコはまだ子供ですから、身体も小さいし力もありません。体術や剣では大人に勝てないでしょう。ですが、魔法なら可能性がありまっす」

「そっか、そうだな」


 俺、ニコ兄に守りたいと言われちゃった。当たり前のようにサラッと言った、ニコ兄のその言葉に驚いて固まってしまった。


お読みいただき有難うございます!


ニコってちびっ子なのにちゃんとお兄ちゃんで、とっても男気のある子なのですね。

末っ子のロロを守るのだと、思っているのです。ニコだってまだ守られていて良い歳なのに。

ロロが攫われた時もそうですが、私は何気にニコは偉いなぁと思うのです。

こんなお兄ちゃん欲しい^^;

いつも感想を有難うございます!

オークキングとフォーちゃん、プチゴーレムを戦わせるのを忘れてました!そもそも、ぶどう狩りに付いて行ってないし。(>_<)

書籍でなんとか!そこまで書籍化できるか決まってないのですけど(・_・;

頑張りまっす!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


元気なニコを!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
クリスティ先生の前では、秘密が秘密で無くなります。恐るべし。 兄弟の中で一番レオ兄が強い、リア姉が知ったまた拗ねますね。 ʅ(◞‿◟)ʃ でもニコ兄は、優しい子ですね。ロロを護るのは自分…
つまり、先生(orディさん)によるニコ兄猛特訓の話が待っているわけですね >>オーク戦 どんまい。店舗特典とかのSSでも大丈夫……かと
私 ニコ推しでっす! 大黒柱のレオや主人公のロロに比べると出番は少ないですが、とにかく 健気 なのですよ。 ロロが拐われたときも泣くのを堪えてましたよね。 お祭りの時も(我儘姫も守ってましたが)ロロを…
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