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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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364ーピコなんとか

 リア姉とテオさんが木の剣を持って対戦している。それを見ているフリード爺。少し離れたところに、ラン爺とレオ兄、ニコ兄、ジルさんがいた。

 ニコ兄が一番に気が付いて、俺に手を振ってくれる。


「ロロ! クリスティー先生!」


 ニコ兄も手にラン爺が作ってくれた木剣を持っているぞ。俺のはどこいった?


「ロロ、お昼寝する前に言っていた、ピコなんとかを見せてください」

「しぇんしぇい、ぴこぴこはんまーなのら」

「ピコピコハンマーですか?」

「しょうなのら」


 そうそう、本当は叩くとピコッと可愛い音が鳴るおもちゃだ。それがなぜかこうなった。

 俺が作る時に、強い武器と思ったからなのだろうけど。でもこの音は想定外だ。

 ニコ兄のピコピコハンマーはもっと強い。作る時にもっと強いものと思って作ったから、きっとニコ兄のピコピコハンマーの方が強いのだ。

 ニコ兄の側に行き、下ろしてもらう。


「ぴか、ぴこぴこはんまーらして」

「わふん」


 コロンコロンとニコ兄のと二つ出した。


「おや、ピカは亜空間収納も持っているのですね」

「わふ」


 クリスティー先生は見るのが初めてだったかな? フリード爺とラン爺は知っているぞ。


「しぇんしぇい」

「これがそうですか。小さな翼が付いていますね」

「こっこちゃんの、はねなのら」

「おや、そうですか。とっても可愛いですね。ニコのは強そうでっす」

「そうなんだぜ。俺のは強いんだ」


 なんて自慢しながら、ニコ兄が地面を叩いた。当然あの音が鳴る。


 ――ボボーン!


「おや!」


 俺も叩いてみよう。


 ――キュポン!


「ふふふ、音が違うのですね」

「しょうなのら」

「ロロが作ったんだぞ」

「ロロ、どうやって作ったのですか?」

「こねこね」

「え?」

「こねこねしたのら」

「ゴーレムを作るみたいにですか?」

「しょうなのら」


 ニコ兄と一緒にピコピコハンマーで地面を叩く。


 ――キュポポン!

 ――ボボボーン!

 ――キュポポンポン!

 ――ボボボーンボン!


「ふふふふ、これは楽しいでっす!」

「えへへ」

「この音がなぁ」


 なんだよ、ニコ兄。俺だって態とこの音を装備した訳ではない。

 俺は気付かなかったのだけど、この時もクリスティー先生は精霊眼で見ていた。


「これは、魔力を流せるのですね?」

「そうなんだぞ。今日もそれで何かを飛ばしたんだ」

「ほうほう」


 クリスティー先生が、とっても好奇心に満ちた眼で見ている。


「しぇんしぇい、ちゅかってみる?」

「おや、良いのですか?」

「うん、いいのら」


 だってそんなに見られちゃうとね。まあ、一度使ってみて納得すると良いのだ。俺はクリスティー先生にピコピコハンマーを手渡した。

 俺の手に合ったピコピコハンマーだから、クリスティー先生が持つと本当におもちゃだ。クリスティー先生が、小さなピコピコハンマーを持つ。大人が持つと余計に小さく見える。


「くふふ」


 思わず手をお口に当てて、笑ってしまう。可愛いぞ。


「おや、ロロ。どうしました?」

「おもちゃみたいなのら」

「そうですか?」

「らって、ちいしゃいから」

「そうですね、こんなに小さいのにこれは強い武器ですね」

「しょうなのら」

「ブラックウルフも、やっつけたんだぞ」


 ニコ兄の自慢だ。あの時見ていた俺は冷や汗が出た。ニコ兄の勇気に驚いた。


「ブラックウルフをですか? ああ、もしかしてディが調査してみると言っていた件でしょうか?」

「しょうなの?」

「ええ、川辺に群れが出たのでしょう? しかもレッドウルフが率いていたと聞きました。どう考えても不自然ですからね」


 そうなのか? ディさんが調査するのか。あの時ディさんは、結界があるから来られないはずだと言っていた。なのに魔法陣が現れて、そこからブラックウルフが飛び出して来たのだ。

 それってやっぱどう考えても自然ではないよな? その魔法陣がどうして現れたのかだ。


「あのまほうじん」

「ブラックウルフが出てきた魔法陣ですか?」

「しょうしょう」

「あれは気持ち悪かったよな。不気味だった」

「しょうなのら、なんらかくろいもやもやがあったのら」

「ん? 黒い靄ですか?」

「しょうしょう」

「ロロ、そうだったか?」

「しょうなのら」

「おや、ロロ」


 クリスティー先生は、ピコピコハンマーを手に持ったまま俺の両肩をガシッと掴んだ。

 え? 俺なにか変な事を言ったか? ちょっとクリスティー先生の、綺麗なお顔のドアップは耐えられない。思わず目を逸らしてしまう。それでもクリスティー先生は俺を見ていた。


「ロロは魔力視ができるのですか?」

「え? なんだよ、それ」

「えっちょぉ」

「いつからですか?」

「わからないのら」


 即行でバレてしまった。バレバ~レなのだ。さっきお昼寝で泣き虫女神から聞いたばかりだというのに。

 俺が、ああそうなのか。と、思ったのは今日だ。ニコ兄がピコピコハンマーに、魔力を流すのが見えたから。女神に言われて、あれがそうなのかと思った。

 ブラックウルフが現れたのは、ルルンデのお祭りの夜だ。そんな頃から魔力視が使えたという事なのかな?

 そんなの知らなかった。いや、きっとそんな事はないはずだ。だってあの後女神は何も言っていなかったもの。

 あ、もしかして忘れていたか? どうだろう? 有り得るからなぁ。あの女神はボケボケだから。


お読みいただき有難うございます!


クリスティー先生のピコピコハンマーの検証でっす。まさかこんなにピコピコハンマーを引っ張る事になるなんて^^;

軽い気持ちで出したピコピコハンマー。良い仕事をしてくれています。

音は、かっこよくない音をと考えました。

ロロのお話では『かっこいい』は敢えて避けています。ちょっぴりお間抜けな感じがロロです。

いつも感想を有難うございます!

もう12月ですね。今年も過ぎていってしまいます。今年は必死で改稿していた記憶しかないような( ̄O ̄;)

皆様、風邪などひかないように、体調には気をつけてください。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


もうすぐロロ②の初稿ができます。小さな修正はしているものの、どこをどう直せば良いのか分からず(-。-;

結局、いつも担当編集さんに頼ってしまってます。

昨日、ロロの初稿はどんな感じですか?と聞かれたので、そろそろ仕上げないと!

次はリリ⑥の初稿かなぁ?リリは大変なのです。何年も前に書いた作品なので。

来年の発売を楽しみにして頂けると嬉しいです。

また、年内にご報告できる事もあるのです。ふふふ(^○^)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
おはようございます。 昨日ペーパーロロちゃんが我が家にやってきました、読み返してみると懐かしくて、あーこんな事もあったねーと思いイラストを見て可愛いねーと、マリーはこんな感じね残念女神もこんな感じねと…
やはり先生用にピコピコハンマーを作る方向に向かってますかな? そういえばコッコはオークに食べられていませんよね?
ピコピコハンマー、まだまだ活躍すると思いますよ。きっとクリスティー先生も欲しがると思います。そうするとディさんも欲しがったりして ╰(*´︶`*)╯♡ それと刺繍も有りましたよね❓
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