361ー絶対作ろう
みんなでオヤツを食べながら、クリスティー先生の話を聞いた。
「あの場所は約300年前に、人為的に破壊された箇所なのでっす。その時に補修したのですが、経年劣化していたのでしょう。そこを突かれたのでしょうね」
300年前から、あの防御壁があるという事に俺は驚いた。
オヤツのワッフルを、お口いっぱいに頬張っていたから声も出せない。大きく眼を見開いてびっくりしたお顔になってしまった。
「ロロ、びっくりだな」
「ふむむ」
ほら、喋れない。お口に入れ過ぎだ。
「ロロ、お口の中が無くなってから話すんだよ」
レオ兄に言われちゃったから、コクリコクリと頷く。モグモグとしながら、ほっぺが膨らんでお口もタコさんみたいになってしまっている。
だって、お口いっぱいに頬張ったら美味しさも倍増なのだぞ。ちょっと入れすぎて、モグモグし難いのだけど。
ワッフルに添えられたバニラアイスが絶品だ。ミルクが違うのかな? と、いうかルルンデでアイスを食べた事がないぞ。今度作ろう。絶対作ろう。
「めちゃ、美味いな」
「ふぅ、にこにい、あいしゅが、じぇっぴんなのら」
やっと喋れるようになった俺。本当にこのアイスは美味しい。俺のほっぺには、もちろんアイスが付いている。そしていつものように、ニコ兄が拭いてくれる。
「ふふふ、裏に牛さんがいたでしょう? あの牛のミルクで作っているのよ」
ネリアさんが教えてくれた。大きな牛さんは2種類いるらしくて、お肉が美味しい牛さんとミルクが美味しい牛さんだそうだ。牛さんといっても魔獣だけど。
自分達より弱い者には、キックしてくるから近付くなと言われている牛の魔獣だ。
「クリスティー先生、早急に修復しておかないとだな」
「はい、そうですね」
今日オークが破って入って来た防御壁の事だ。イシュトさんとクリスティー先生が、相談していた。
この領地の防御壁は特別製なのだそうだ。魔物が嫌がる物を練り込んである。その上、あの中には鉄鉱石でできた線を何本も通してあるのだって。
それって、鉄筋コンクリートと同じじゃないか? 俺はよく知らないけど。
「このお邸を起点にシールドを展開できるように、魔石も設置してあるのでっす。それを確認しておかなければいけません」
なんですと!? 万が一、スタンピードが起こって魔獣や魔物が押し寄せてきた時には、この邸が避難所になる。その時にクリスティー先生が魔力を流して、この邸を中心にシールドを展開する事になっているのだそうだ。
魔力を流すと、予め等間隔に設置してある魔石を経由してシールドが展開されるようになっている。そんな事、よく考えたものだ。
「300年前のあの令嬢が考案されたのですよ」
「私も一緒に魔力を流すのよ」
ネリアさん、ここで登場なのか。登場といってもこの部屋にやって来たという意味ではない。
ネリアさんは朝の鍛練にも参加しない。今日のオーク戦の時だって出なかった。
だからネリアさんは戦わないのだと思っていた。実際にネリアさんが前線で戦う事はない。でも、そのシールドだ。それを展開する時に、クリスティー先生と一緒に魔力を流す。
もしも戦わなければならない時は、ネリアさんは魔法で戦うそうだ。
「私は剣は使えないの」
「れも、しゅごいのら!」
「ふふふ、そうかしら? 私は魔力量しかないのよ」
「しょんなことないのら。まもれるのら」
「そうね、ロロ。守れるわね。ふふふ」
戦う人と守る人。どっちも必要だ。俺なんて守られてばかりだというのに。
「ニコとロロはまだ小さいから、それで良いのよ。大切に守られていて良いの」
「ねりあしゃん、けろしゅこしは、まもりたいのら」
「おう、そうだな」
「ニコ、ロロ、馬車の屋根に乗っていなかったか?」
「しょうなのら」
「ラン爺、俺達もピコピコハンマーでやっつけたんだぞ」
「アハハハ、あれか」
と、ニコ兄が言った事にクリスティー先生が反応した。
「なんですって?」
「え? だからロロが作ったピコピコハンマーだ」
あれれ? クリスティー先生は知らなかったかな? あれ? そうだっけ?
「まだ隠していた物があったのですか!?」
まだとはなんだ? それに隠してもいない。フリード爺とラン爺にはお披露目済みだ。
「ん? あの面白いおもちゃか?」
フリード爺がワッフルに齧り付きながら言った。フリード爺は一口が大きい。さっきワッフルをお代わりしていたし、アイスをたっぷりのせてくれなんてリクエストをしていたりする。
フリード爺は、オヤツを沢山食べる。ラン爺はそんなに食べないのに。
「フリード爺、あれはおもちゃじゃないぞ。武器だぞ」
「そうなのか? だがあの音は面白いぞ」
ああ、音かぁ。そうなのだ。でもあの音は俺にはどうしようもない。今日なんて地面を叩いていないのに、音が鳴ったし。何をしてもあの音が鳴ってしまう。
緊迫した場面で、とってもオマヌケなあの音が。
「そういえば、ボボーンて鳴っていたな」
「らんじい、ぼくもなのら」
「ロロもか?」
「しょうなのら、やっちゅけたのら」
「ワッハッハッハ! 怖くはなかったか!?」
「フリード爺、怖くないぞ! な、ロロ」
「うん、まもるのら」
ねー、とニコ兄とお顔を見合わせる。ついでにまたニコ兄にほっぺを拭かれる。ありがとう。
お読みいただき有難うございます!
戦闘の後は、まったりとオヤツの時間です。ロロはアイスをとっても気に入りました。
フリード爺も少しずつ良いキャラに育ってきました。^^;
来月は皆様にお知らせする事が、いくつかあるかもです。
いつも感想を有難うございます!こちらは、本当に分かりづらくて(・_・;
どこまでお返事したのか分かり難いのです。ダブって書いてしまっていたら、すみません。
皆様!レビューも書いて下さって良いのですよ!?^^;
ガンガンお願いしたいです!お待ちしてます。
憧れのレビューなのです!宜しくお願いします!^^;
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宜しくお願いします。
ロロの売上どうなのかなぁ?結構、良い感じだと思うのだけど。書籍を読んだ感想も頂けると嬉しいです!




