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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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360ー怒られちゃった

「りあねえ! れおにい!」

「おー! リア姉、レオ兄!」


 ニコ兄もテンションが上がって、ピコピコハンマーを持った手を振っている。だって、俺達だってやっつけた。

 ピコピコハンマー魔法バージョンで、オークを何頭もやっつけたのだ。

 もう終わりだとニコ兄が言っていたように、俺もそう思って気が緩んでいた。


「わふっ!」


 急にピカさんがシュタッと馬車の屋根から下りたと思ったら、近くの草むらからオークが飛び掛かってきた。

 び、び、びっくりなのだ! どうしよう!? 身体が動かない。

 オークの豚さんの様な鼻が直ぐ近くに見えたから、思わずギュッと眼を閉じてしまった。手はピカの毛をヒシッと掴んでいる。ニコ兄も俺をギュッと抱き寄せていた。

 なのにピカさんは、とっても冷静だった。


「わおん!」


 ピカが軽く一鳴きした声が聞こえた次の瞬間に、ドサッと音がした。あれれ? と、思って眼をそっと開けてみるとオークが倒れていた。ピカが風の刃で倒してくれたのだろう。

 隠れていたのかな? それとも逃げ遅れたのか? とにかく馬車を狙っていたらしいオークを、ピカがやっつけてくれた。ちょっぴり心臓がバコバコしてしまったぞ。


「ぴか、ありがと」

「スゲーな!」

「わふん」


 もういないから大丈夫だよ。と言っている。やっぱピカはかっちょいい。


「ニコ! ロロ!」

「大丈夫なのか!?」


 リア姉とレオ兄が慌てて走ってきた。今のを見ていたのだ。


「怪我はないの!?」

「リア姉、大丈夫だぞ」

「ぴかが、やっちゅけてくれたのら」

「二人共、どうして馬車の屋根なんかに乗っていたんだよ! 危ないじゃないか!」

「らって、れおにい。やっちゅけたのら」

「え?」

「俺達もピコピコハンマーで、オークをやっつけたんだぞ!」

「だから馬車の屋根に乗ってたの!? そんなに危険だったのに外に出たの!?」


 あ、怒られちゃった。いかん、リア姉の眼が真剣だ。やばい雰囲気なのだ。


「ニコ! ロロ!」

「おう」

「あい」


 リア姉に呼ばれて、ニコ兄と俺は並んで整列だ。ピシッとお手々は横に、背筋をピンと伸ばして気をつけをする。


「馬車の中にいなさいって、レオが言ったわよね!?」


 まずい。リア姉が本当に怒っているぞ。


「2人が馬車の上に乗っているのを見て、驚いたなんてもんじゃないわよ。ゾッとしたんだから!」

「らって、たかいところにって……」

「高い所じゃないの。馬車から出ないでと言ったのよ?」

「あい」

「ピカも付いていたのに! 背中に乗せて何してるの!?」

「くぅ〜ん」


 リア姉にギロリンと睨まれて、ピカまで並んで背筋を伸ばしてお座りしている。でも尻尾が、体に沿って丸まっちゃっている。


「こんな時は大人に任せていれば良いのよ。危険な事をしないで」

「ごめんしゃい」

「けど、リア姉! 俺達だって守りたいんだ! な、ロロ」

「しょうなのら!」


 俺達だってやっつけたのだと、ピコピコハンマーを自慢気に掲げる。胸を張って、もう片方の手は腰だ。


「ぴこぴこはんまー、ちゅよいのら」

「な、超強いよな!」


 ニコ兄と一緒に勝利のポーズだ。ちょっぴり、かっちょいいだろう?


「アハハハ! ロロ、やっつけたんだ」

「うん! れおにい、きゅぽぽんって」

「え? 叩いたのか?」

「ちがうのら、まほうばーじょんなのら」

「そうだぞ。魔力を込めて飛ばしたんだ。でもなんでか、あの音は鳴るんだよ」

「アハハハ!」

「やだ、レオ。何笑ってるのよ。ニコとロロが危なかったのよ」

「姉上、大丈夫だよ。ピカがいるもの」

「そうだけどぉ。でも二人も戦ったのでしょう?」


 いや、戦ったとは言えない。馬車の屋根の上から、魔法を飛ばしただけだから。

 それにピカさんが、ほとんどやっつけていたし。ほんの少しだけなのだ。


「もうマリーは心臓が止まるかと思いましたよ」

「本当よ、びっくりしたわ」

「二人で飛び出して行くんだもの」


 マリー達三人は、目の前で見ていたからそう思ったのだろう。でも大丈夫だ。だってピカがいるもの。


「ニコ、ロロ、怖くなかったですか?」


 クリスティー先生も戻ってきた。涼しい顔をしている。オークキングなんて、相手にもならないといった感じか。実際、あっけなく倒していた。髪も服も全く乱れていない。


「しぇんしぇい、ちゅよいのら!」

「おう! 超カッケー!」

「そうですか? オークキング如き、どうって事はありませんよ」


 ニッコリとしている。本当に相手にならないのだ。エルフさんってどれだけ強いのだろう? ディさんだってとっても強かった。


「ちょっと奥様を見てきますね」


 そうそう、ネリアさんだ。大丈夫なのかな?

 クリスティー先生がネリアさんの馬車に行っている間に、フリード爺とラン爺も戻ってきた。

 ネリアさんもなんともなく無事で、みんな揃ってお邸に戻ってきた。


「みんな無事なんだね、良かったよ」

「おう、びっくりしたな」

「怖くありませんでしたか?」


 お邸の守り担当で残っていたユーリさん、テオさん、ジルさんが剣を持って庭に出ていて出迎えられた。


「父上、やはり魔物が入ってきたのですか?」

「ああ、オークだった。オークなど、どうって事ないぞ! こっちは何ともなかったようだな!」

「はい、父上」


 イシュトさんだ。領主隊と一緒に真っ先に突っ込んで行ったイシュトさんも、とんでもなく強かった。オークを首チョンパなのだから。


お読みいただき有難うございます!

やっぱり雷が落ちました。誰にお説教させるか考えたのですが、やっぱリアにしました。

それでもニコとロロは懲りていませんね。^^;

ポーズをとったりしてます。

ニコとロロは良いコンビに育ってくれました!

いつも感想を有難うございます!

皆様の思っておられる事がよく伝わります。それで先のストーリーをちょっと変更したりもあるのですよ。あ、ゴーレム忘れてた!と、思い出す事もあるのです。^^;

有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロ①発売の余韻に浸る間もなく、②の作業に。なかなか進まない(T . T)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
やはり怒られましたね……女性陣以外が肯定派っぽいのが、二人の増長の元にならないといいけど
多分リア姉のお説教は、効き目が無いと思います٩(^‿^)۶ それよりもピコピコハンマーに魔力を流す事の方が皆んなの感心をかうかも。 
懲りてないw流石ですw こりゃ訓練(お子様用)で、ありあまる元気を使わすしかないっすねw 問題は慣れてくると元気さが増し増しになる所ですがww
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