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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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356ー魔物出現

「ロロは可愛いわ!」


 リア姉がずっと俺を見ている。お口を尖らせて一粒ずつプニッとするのが可愛いらしい。


「だってそのお口よぅ」


 だってこうしないと、実がどっかにいっちゃうのだ。無心にぶどうをプニッと食べた。

 食べたら俺はどこでも眠くなる。本当、もう少し場所を選んでくれたらいいのにと思うのだ。ゆらりゆらりと身体が揺れる。


「ああ、ロロ。お眠だね」

「れおにい」

「おいで、抱っこしよう」

「おや、眠いのですね。私が抱っこしまっす」


 クリスティー先生がそう言って、俺を抱っこしてくれる。レオ兄より大きな身体。俺の身体を優しく抱っこしてくれる腕。それに草原の様な良い匂い。それに包まれて俺は眠った。


 ドゴーンと凄い音がして、驚いて眼が覚めた。

 そんなに眠っていないぞ。びっくりしてまだ眠い眼を開けて周りを見ると、俺はクリスティー先生に抱っこされて馬車に乗っていた。


「ロロ、起きてしまいましたか?」

「しぇんしぇい、しゅごいおとがしたのら」

「はい、大丈夫ですよ。領主隊が確認しに行くでしょう」


 なんだろう? 地面が揺れる様な音がした。どこからかな? 馬車の窓から外を見ると、防御壁のある方から土煙が上がっていた。

 

「あの場所は確か……」


 クリスティー先生が何かに気付いたみたいだ。

 ピカも反応して身体を起こしている。


「わふん」

「え、ぴか」


 ピカが魔物だと言った。その割に慌てている感じではない。なら大丈夫なのかな?


「しぇんしぇい、ぴかが」

「はい、ピカちゃんはもう分かっているのですか?」

「うん、まものらって」

「おやおや、やはりそうですか」


 やはりと言った。なんだ、クリスティー先生も分かっていたのだ。だけど、魔物ってダンジョンにしかいないのではなかったっけ?

 そう俺が思っている疑問と同じ事をリア姉が聞いた。


「クリスティー先生、魔物はダンジョンにしかいないのでしょう?」

「ええ、普通はそうですね。しかしこの領地では、時々上位種が率いて出てくる事があるのでっす」


 なんだって!? なんて怖い事なのだ。だからあの防御壁なのか。ルルンデにある防御壁よりも、ずっと厚みも高さもあって頑丈そうだ。なにより色が違う。他の街にある防御壁よりも白っぽく見える。


「あの防御壁には、魔物が嫌がる物を混ぜてあるのでっす。ですので、弱い魔物なら近付きもしません」


 でも、今その防御壁のある方から土煙が上がっている。


「また上位種が率いて出てきたのでしょう。大丈夫ですよ。領主隊もいます。その内フリード様達が駆けつけてくるでしょう」

「ふりーろじいが?」

「はい、フリード様とランベルト様はフットワークが軽いですからね」


 と、バシコーンとウインクをした。俺だけじゃなく、リア姉達も焦っていたのだけど、クリスティー先生は余裕だ。それだけこの領地では、起こり得る事なのだろう。

 リア姉はもう剣に手を添えていた。顔つきもいつもとは違っている。こんな時はとってもイケイケなリア姉だ。

 すると馬車が突然止まった。


「クリスティー先生! オークキングです!」


 馬車の外からそう叫んでいる声が聞こえた。オークキングだって!? えっとそれは何かな? オークは知っているけど、オークの王様って事なのか?


「ロロ、オークの上位種だよ。身体が大きいし力も強い。知能も普通のオークよりずっと高いんだ」

「ひょぉーッ!」


 そんなのが出てきているのか? ああ、クリスティー先生が言っていた。その上位種が率いているという事か。


「おや、やはり上位種ですか。皆は馬車に乗っていてください」

「クリスティー先生! 私も出ます!」

「リア、危険ですよ」

「大丈夫です! 私達だってCランクです!」

「そうですね、でも絶対に無理はしないでください」

「はい! レオ!」

「ああ、姉上」


 ええー、リア姉とレオ兄も出るのか?


「りあねえ! れおにい!」

「ロロ、大丈夫よ!」

「ニコ、ロロ、外に出たら駄目だよ」


 クリスティー先生と、リア姉、レオ兄が馬車から下りて走って行く。それを俺は馬車から見ていた。


「領主隊! 行くぞーッ!」


 辺境伯のイシュトさんも馬で走って行く。その後を領主隊の人達が続く。イシュトさんはリア姉が持っているような、ロングソードをもう手に持っている。

 よし、俺も準備だけはしておこう。


「ぴか、ピコピコハンマーらして」

「おう、そうだな。ピカ、俺のもだ」

「わふ」


 でも、危ない事はしたら駄目だよ。と、ピカさんに言われた。しないよ、準備だけだ。あれだけみんなが行ったから、まさかここまでオークは来ないだろうし。


「キュルン」

「ちろ、れきる?」

「キュル」


 チロが俺の頭に乗ってきた。馬車のドアを開けて身体を乗り出す。外には出ないよ。その俺の頭の上で、チロが鳴いた。


「キュルン!」


 チロは、みんなの防御力を上昇させてくれる。でもお墓参りに行った時より、強力になってないか? だって、頭の上にいるチロが光ったのが俺でも分かったのだ。


「キュル」

「しょうなの?」


 チロも成長したのだと言っている。そうだね、体も少し大きくなったし。

 俺はそのまま、皆が走って行った方を見ていた。丁度、防御壁に沿って走っていたから土煙が収まってくると見えてきた。


お読みいただき有難うございます!

やっぱ魔物は出てきます。^^;

ココちゃんの時もそうでしたね〜

ロロ達はどう戦うのでしょう。

いつも感想を有難うございます!

そろそろ活動報告を書こうかなと思います。皆様が知りたい事等あれば教えて下さい。

まだご報告できない事とかもあって…言いたくてウズウズしているのですが^^;

いつも有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロは本当に加筆や改稿を頑張りました。書き下ろしもwebでは書いていない事をと考えました。

イラストも好みはあると思いますが、担当編集さんと相談して、攻めていきましょう!とリリとは全く違った作風の方を選びました。

私はとってもお気に入りです。

こだわって出来上がった書影、とっても可愛いと思いませんか?^^;

担当さんが唸りながら考えて下さった帯にもご注目を!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
なろう系ファンタジー好きとしてはオーク類は既に食材にしか思えない(◔‿◔)
オークキングは果たして食べられるのか?(ヲイ みんなやる気ですが、無茶は……するだろうなぁ(特に姉) >>活動報告 コミックの話辺りかな?
オークキング出た‼️やはり、これが無ければ始まらない。(^^) リア姉の本領発揮⁉️ はたして、ピコピコハンマーの出番あるのかなぁ❓
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