表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

344/486

344ー犠牲にはしたくない

「かんしぇいなのら」

「おおー!」

「なるほど、よく考えてますね」

「どろだんごを、ちゅくってたから」

「お団子ですか?」

「しょうなのら」


 ちびっ子ならきっと誰でも土でお団子を作るだろう? あれの応用だ。


「ぴか、れきた」

「わふん」


 ピカさんはあんまり興味がないみたいだ。連れて帰らないしね。ここにフリード爺と一緒にいてもらう。強い子だったら良いのだけど。フリード爺と一緒に領地を守ってもらうのだ。


「かわかしゅのに、かげがいいのら」

「よし、持って行こう。誰かが間違って持って行かない様に、向こうに並べておこう」

「うん」


 建屋の軒下に並べておく。3頭できた。うん、ピカさんを作るのは二度目だから、なかなかのクオリティーだ。イッチー達よりは、一回り大きく作ったピカさん仕様の土人形。でもまさか、ここで土人形を作るなんて思いもしなかった。


「ロロは器用なのでっす」

「そうなんだよ。この小さな指で一針ずつ刺繍しながら付与するんだ」

「それは凄いでっす」


 ふふふん。クリスティー先生に褒められちゃった。それにしても、クリスティー先生が作ったお人形はどうするのかな? 動いたりしないのかな?


「全然魔力を込めていないので、動かないですよ」

「なんらー」


 この見た目で動いたら面白いと思ったのに。魔力で思い出したぞ。

 たしかイッチー達は、俺の魔力で動いていると言ってなかったっけ?


「でぃしゃん、まりょくら」

「あ、そうだね。どうしよう? クリスティー先生に魔力を流してもらおうか?」


 そんな事ができるのか? 誰の魔力でも良いって事なのか?


「ロロが作ったから、ロロの魔力が一番なんだけどね。クリスティー先生なら大丈夫だ」

「へえ~」

「ゴーレムに魔力を流すのですか?」

「そうなんだ。でないと動けなくなっちゃうんだよ」

「ふむ、なるほど。なら私が魔力を流しましょう」


 よし、解決なのだ。これで安心だ。


「ふふふ、ロロは本当に聡い子ですね」

「可愛いしね」

「はい、とっても可愛いでっす」


 またまた俺はクリスティー先生に抱っこされた。此処に来てからよく抱っこされる。

 俺みたいなちびっ子がいないからかな? みんな大人だから。


「ちびっ子は久しぶりでっす」


 やっぱそうなのだ。クリスティー先生やディさんはちびっ子が好きなのだね。


「ロロ、前に話さなかったかな? エルフはちびっ子を大切にするんだ。みんなで育てるって意識があるんだよ」

「きいたような、きがしゅるのら」

「ふふふ。いつか私達の国にも行ってみてほしいですね」

「いきたいのら」

「ねー、ロロが大きくなったら一緒に行くんだよね!」

「うん、でぃしゃん」

「おやおや、私も一緒に行きたいでっす」

「いっしょにいくのら」

「はい、そうしましょう」


 楽しみだ。ディさんとクリスティー先生と一緒に、エルフの国に行くのだ。

 お邸のあの部屋に戻ると、辺境伯と夫人、それにテオさんとジルさんもいた。こっちに着いてから、テオさんとジルさんはずっと辺境伯と話していた。もう良いのかな? リア姉達もいて、みんな勢揃いだ。


「あら、ロロちゃんったら汗をかいちゃったのかしら?」


 夫人が俺をみて言った。そうかな? お外にいたからかな?

 俺の短い前髪が、オデコに張り付いていた。暑いと感じた事はなかったのだけど。


「ロロ坊ちゃま、お着替えしましょうか?」

「えー。まりー、いいのら」

「風邪をひいたらいけませんから、お着替えしましょう」

「わかったのら」


 俺はマリーと一緒に、自分達のお部屋に戻る。

 それから辺境伯やテオさん達と、リア姉やレオ兄が何を話していたのかは知らない。

 でもお着替えして戻ってきたら、フリード爺が涙ぐんでいたのだ。大きな身体を丸くして、両手でお顔を隠していた。

 どうしてフリード爺が? とも思ったけど、それよりとっても真剣な雰囲気だった。

 みんな揃って、何を話していたのだろう?


「ロロ、おいで」

「うん」


 レオ兄に呼ばれて、俺はトコトコと側に行った。レオ兄は俺を抱き上げ、お膝に座らせてくれる。


「ニコやロロに、これ以上寂しい思いをさせたくないのです」

「レオ……」


 ほらまた、フリード爺が眼をウルウルさせている。涙もろいのか? 『うまいルルンデ』のオスカーさんといい、筋肉モリモリの人って涙もろいのか?


「だが、レオ。リアもだ。もう一度復学する事は考えた方が良い。まだまだ君達は知識をつけないといけない」

「はい、辺境伯様」

「そうね、でもゆっくり考えると良いわ。後悔しないようにね」

「ネリア様、有難うございます」


 なんだ? そんな話をしていたのか。俺は確かにみんな一緒がいいと言ったけど。でもだからって、リア姉やレオ兄を犠牲にはしたくないのだ。


「れおにい」

「ロロ、どうした?」

「ボクのために、あきらめるのはらめなのら」

「ロロ」

「ロロったら」


 だってそうだろう? レオ兄はあの領地を治める家を継ぐつもりだ。きっともっと勉強しないといけない事があるのだろう?

 それを、俺の為に我慢するのは良い事ではない。俺だってそれは嫌だ。


「みんないっしょがいいけろ、がまんしゅるのら」

「そうだぞ。俺だってそう思うぞ」


 ほら、ニコ兄だって俺と同じ気持ちだ。リア姉とレオ兄の足を引っ張りたくない。俺達だって大切に思っているのだ。


お読みいただき有難うございます!

昨日は沢山の感想を頂き、皆様色々お名前を考えて頂きありがとうございます!

名付けはまだ先なのですよ^^;

マジで鋭いお名前から、思わず笑ってしまうお名前まで、ありがとうございます!

お話はちょっぴりシリアスムードになります。

感想でも頂きましたが、ロロが最近よく言っていた事ですね。

いつも感想をありがとうございます!

誤字報告も助かっております。ありがとうございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


↓今日の気分はこのイラストです。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
やはり出会いと別れの話になりますね。ロロも強くなった……かな?
本当に良い子達〜(涙) 落ち着いたら復学する事が今後のレオ達の為になるから、ロロやニコ兄達の為にも大人達の優しさに甘えましょう。 (*´ω`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ