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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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342ーこねこね

 あの二人は畑しか眼に入っていない。もう何を育てようかとか考えているのだろう。


「でぃしゃん、とりしゃんがいるのら」

「うん、そうだね。あれも魔鳥だよ」

「じゃあ、うししゃんも?」

「そうだね。鶏さんも牛さんも近寄ったら駄目だよ。蹴られちゃうからね」

「ひょぉーッ!」


 こ、こ、怖いのだ。この領地の魔獣さんってそんなに強いのか? 好戦的なのか!?


「アハハハ! 強いんだよ。自分より弱いと思ったら蹴りを入れてくるんだ」

「じぇ、じぇったいに、ちかじゅかないのら」

「うん、それがいいよ。でも、ピカと一緒だったら平気だ」

「ええー」

「ピカの方が強いからね」

「え」


 ピカさんが強いのは知っているけど、ピカがいるだけで平気なのか?


「そうだよ、魔獣って相手が自分より強かったら手を出してこないんだ」

「へえー、お利口なのら」

「アハハハ、そうだね」


 えっと、俺はどこでコネコネしようかな? あまりにも広くて、どうしたら良いのか迷ってしまう。


「ロロ、あの木陰がいいんじゃない?」

「うん、でぃしゃん」


 俺がディさんと話している間も、ずっとクリスティー先生はニコニコしている。俺を抱っこして離さない。お手々はこっそり俺のお腹をプニプニしているのだ。これはもう仕方がない。

 俺のふわもちボディーにはみんな抗えないのだ。

 木陰に下ろしてもらって、俺は周りの土を見る。表面の土を手で退けてみるとサラサラではなくて、ちょっと湿気た土が出てきた。うん、これなら作れそうだ。


「でぃしゃん、おみじゅもほしいのら」

「お水がいるの?」

「しょうなのら」

「私が持ってこよう。ロロ、沢山いるのか?」

「ちゅちを、こねこねしゅるらけいるのら」

「ふむ」


 きっと分かっていない。まあ、いいや。フリード爺がどこかにお水を取りに行ってくれた。

 俺はしゃがみ込んで土を集める。園芸用なのかな? 小さなスコップを貸してもらった。それで土を掘る。その土にフリード爺が、持ってきてくれたお水を足しながらコネコネする。ピカさんみたいに強く、でもフリード爺の子分になってねと思うのだ。


「ちゅよくってぇ、かわいくってぇ、おりこうなのら」

「ふふふ」


 ディさんとクリスティー先生が俺を見ている。そんなに見られると緊張するぞ。


「ディさん! クリスティー先生!」


 ほら、ドルフ爺が呼んでるよ。


「おや、呼んでますよ。ディ」

「先輩……じゃないや、クリスティー先生だって呼ばれたじゃない」

「私はロロを見ているので、離れられないのでっす」

「えー、僕だって見たいのにぃ」

「ほら、ディ」

「はぁーい」


 ふふふ、こんなディさんは初めて見るのだ。ルルンデだと、ディさんにそんな風に言える人なんていないから。

 ディさんが最初は先輩と呼んでいたから、クリスティー先生の方が上なのだろう。

 俺は手を動かす。コネコネ、コネコネ。お水を少し加えてコネコネ、コネコネ。フリード爺はお水を置いて、どこかに行ってしまって戻ってこない。どこに行ったのかな? きっとじっとしていられないのだろうな。まあ、いいや。

 どこかから大きな声だけ聞こえてくる。何をしているのかな?


「なんだそのへっぴり腰はぁッ!」


 フリード爺の声だ。きっと領主隊の鍛練でも見ているのだろう。

 とにかくコネコネ、コネコネ。


「そんなに捏ねるのですね」

「しょうなのら。ちゃんとこねこねしとかないと、かわいたときにひびがはいるのら」

「おや、そうなのですか」

「しょうなのら」


 ふふふん、泥団子を沢山作ってきたから、その経験から分かっているのだ。


「ふふふ、小さな手で可愛らしいでっす」

「しぇんしぇいも、いっしょにこねこねしゅる?」

「私もですか?」

「しょうなのら。きっとちゅよいこが、れきるのら」

「おやおや、そうですか?」


 そうなのだ。俺よりクリスティー先生の方が当然魔力量は多いだろうし、エルフさんだから付与魔法なんてお手の物じゃないか? なら、クリスティー先生にだって作れるはずだ。

 俺の隣にクリスティー先生がしゃがんで、土を同じ様にコネコネしだした。


「こうですか?」

「うん、じょうじゅなのら」

「ふふふ、そうですか?」


 クリスティー先生と二人でコネコネ、コネコネ。


「ちゅちが、まとまってくるのら」

「はいはい、なるほど」

「しょしたら、ぴかみたいにしゅるのら」

「なるほどでっす」


 俺はピカさんみたいに形を作っていく。耳は垂れ耳で、尻尾はフッサフサで、もふもふボディーもちゃんと再現するのだ。ふわっふわに見えるようにね。

 今回はイッチー達より少し大きく作ってみよう。


「ロロは上手でっす」

「ふふふん」


 俺はそう言うクリスティー先生の手元を見て、ちょっぴり固まった。

 クリスティー先生は意外にも、とってもとっても不器用さんだったのだ。

 どう見てもワンちゃんには見えない。なにか得体の知れない土の塊ができている。どうしてそうなった?


「え、二人で何やってんの?」


 戻ってきたディさんが、俺達の手元を見て言った。俺が作っているのは、ちゃんとワンちゃんに見えるだろう?


お読みいただき有難うございます!

気付けば342話です。300話を超えてましたね〜

リリは389話が最終話でした。完結してからの番外編がとんでもなく多いのですけど。^^;

ハルちゃんは263話でした。

ロロはまだまだ終わりそうもないです。どうしましょう〜^^;

続けて読んで頂けるように、これからも頑張ります!

いつも感想を有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


楽天ブックス様に在庫が復活してます!

他のweb書店様にも入荷したみたいです。ひぇ〜、これって売れるのかしら?Σ(゜д゜lll)

まだ手に入れていない方は、宜しくお願いします!

1巻にはまだプチゴーレムが登場しませんでしたね。2巻には登場します。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ふたりでコネコネ。可愛いのら~♡ クリスティー先生は不器用···!w
つまり、本でいえば三巻ぐらいまでは連載が続くのですね 頑張ってくださいませ ぷちごーれむも、牛に蹴飛ばされるといけないので、威圧モード的なのが必要なのかな?(孔雀の羽根ギミックみたいなの) …
案外クリスティー先生、不器用なんですね。 此処に仲間がいた〜 (^O^☆♪ まだまだ続くよ何処までも〜撫羽先生頑張って可愛いロロ達を書いて下さいね(*´ω`*)
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