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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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341/486

341ー聖獣がいた

 この世界では、フェンリルの神獣はピカだけらしい。他の世界にはいるけど。と、ピカが教えてくれた。


「へえ~、しょうなの」

「ロロ、ピカと何を話していたの?」

「でぃしゃん、ぶらっくふぇんりるも、しんじゅうなのかきいたのら」

「あの子達は神獣ではありませんでしたよ」

「しょうなのら。ちがうっていってたのら」


 なんだ、クリスティー先生は知っているのだね。


「色々発明したあの令嬢が、森でテイムしたのですよ。えっと、名前を何と言いましたか……そうそう、ノワでしたね。この地域の森の守護聖獣でっす。ですので令嬢が亡くなったら、森に帰っていきました」


 懐かしいですね~と、クリスティー先生が切なそうな表情で話してくれた。

 亡くなったらとクリスティー先生が言った。代々のこの家の人達をクリスティー先生は見送ってきたのだろう。俺には想像できない事だ。

 しかし、聖獣か。どっかで聞いたぞ。えっとぉ、確か……。


「しぇいじゅう……くーちゃんといっしょ?」

「ロロ、そうだよ」

「んん? ディ、まだ他にもいるのですか?」

「そうなんだ、クーちゃんって大きな亀の聖獣がいるんだ。ロロがテイムして霊獣から進化したんだ。凄いでしょう?」

「まあッ! なんて珍しい事でしょう!」

「アハハハ、だろう? 僕も初めて見たよ」

「私も進化して聖獣になったものなんて、見た事がありませんよ!」


 ほうほう、クーちゃんはそんなに珍しいのだね。へえ~。でもクーちゃんだしなぁ。ドルフ爺に恋して、卵を産んじゃったくらいだし。

 なんて、思いながらモグモグと食べる。そして、ニコ兄にほっぺを拭かれる。その繰り返しだ。ニコ兄、いつも有難う。


「アハハハ! ロロったら全然分かってないよね?」

「でぃしゃん、わかってるのら。くーちゃんは、めじゅらしい」

「そうそう。アハハハ」

「こんなに驚くのは、あの令嬢がいた時以来でっす」


 クリスティー先生が、綺麗な青い眼をまん丸にして俺を見ている。

 そんな事を言われても、俺は不可抗力なのだよ。だってお名前を付けただけなのだもの。


「ロロ、どうやって進化させたのですか? 知りたいでっす」

「おなまえちゅけたらけ」

「へ?」


 だからだな。クリスティー先生、そんな呆けたお顔をしなくても良いと思うのだよ。

 ティーカップを持ったまま、俺を見て固まっている。


「くーちゃんって、おなまえちゅけたら、ぺかーッって」

「光ったのですか?」

「しょうなのら。びっくりなのら」

「アハハハ!」


 ディさんが、涙を拭きながら笑っている。そんなに面白い事を言ってないぞ。

 他の人達も俺を見ている。レオ兄なんて、ちょっと呆れたような顔をしているのは何故だろう?

 まあいいや。食べよう。とっても美味しいから、いっぱい食べよう。


「これは是非ゴーレムを作るところを、見てみたいのでっす」

「そうだよね。じゃあ、ロロ。オヤツを食べたらプチゴーレムを作ってみよう」

「うん、でぃしゃん」


 コネコネすれば良いんだね。ディさんが良いと言うなら問題ないのだ。


「れもなぁ~」

「ロロ、フリード爺の子分にって思ったら強くならないかな?」

「しょっか。しょうしゅるのら」


 ふむふむ。流石ディさんなのだ。強い基準が欲しかったから、それなら良いと思うのだ。フリード爺の子分と思って作ってみよう。

 フリード爺も強いから、きっと強いプチゴーレムになるのだ。なんといってもSランクだから。

 でも、もう一つ問題があるぞ。


「でぃしゃん、けろ」

「ロロ、どうしたの?」

「ぴかのこぶんらから、わんちゃんなのら」

「ああ、そっか」

「しょうなのら」

「んん?」


 フリード爺はまだ俺の言葉が、全部理解できる訳ではないらしい。少し長くなると、え? て、お顔をしている。仕方がないなあ、ディさん通訳してほしいのだ。


「フリード様、同じワンちゃんみたいな感じで良いですか?」

「おう、それで良いぞ!」

「ロロ、作れそうかな?」

「うん、おなじれいいなら、ちゅくれるのら」


 なんだったら人型でも良いぞ。小さな人型のゴーレムも、作ってみたいとちょっぴり思った。

 と言う事で、ディさんとフリード爺と一緒に裏庭に出て来た。何故かとってもニコニコしているクリスティー先生に、俺は抱っこされている。ドルフ爺とニコ兄も一緒だ。


「ディは作るところを見たのですか?」

「僕もちゃんと見てないんだ。だからとっても楽しみだ」


 そうだっけ? ディさん見ていなかったっけ? 覚えてないのだ。

 お邸の裏側はとっても広かった。お邸の前だって広いと思ったのに、そんなもんじゃなかったのだ。

 畑があって、お野菜や薬草が沢山植えてある。その脇には小屋が並んでいて、大きな鶏さんと牛さんがいる。

 これって普通じゃないよな? だって大きさが、俺が知っている鶏や牛とは違っていてとっても大きい。鶏さんなんて、コッコちゃんよりも大きいぞ。

 並びには建屋が並んでいて、その奥には兵舎と広い鍛練場があった。

 ここはどれだけ広いのだ? びっくりして思わず声が出てしまった。


「ひょぉーっ! ひろいのら!」

「スゲー!」

「ニコ、広いだろう?」

「ドルフ爺、スゲーな!」

「おう、ルルンデにはない野菜があるから、分けてもらったんだ」

「楽しみだな、また増やそうぜ」

「おう」


 ドルフ爺とニコ兄はお野菜に夢中なのだ。二人で畑に入って行った。


お読みいただき有難うございます!

ロロが作るプチゴーレム。今回はちょっと狙って人型二するか?とも思ったのですが、シンプルにピカさん仕様にしました。昔、ブラックフェンリルもいた事ですしね。^^;

いつも感想を有難うございます。楽しみに読ませていただいてます。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
人型じゃないのですか……進化したら、人型にもなれる四足歩行型ってことで(ロボットアニメからの発想ということなら大丈夫かと)はダメですかねぇ……? 小説、読み進めて気がつきましたが、目の色をカラー…
クリスティー先生にノワちゃん、書籍の方ではココちゃんにルー様と、世界が交わっていくのがとても好みで、更新が楽しみでなりません(´ཫ`* ) ロロとココちゃんが出会っていたらとか、ルー様が出たならリリ達…
フリード爺の子分…大声で鳴くプチゴーレムができそうですね
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