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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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340ーピカとチロ

 生クリームを多めにのせて、お口いっぱいで美味しいを感じたい。

 だからついつい、一切れが大きくなる。大きなお口を開けるのだけど、ほっぺについてしまう。これは仕方がない。うん、どうしようもないのだ。


「ロロ、だからもう少し小さく切れば良いんだ」

「らって、にこにい。いっぱいおくちにいれたいのら」

「ふふふ、ロロったら可愛い」

「アハハハ」


 うん、いつも通りだ。やっと俺はポカポカやドキドキが治まってきた。お昼寝してクールダウンできたらしい。ちょっぴり緊張していたのかも知れない。


「ロロ、プチゴーレム作れるかな?」

「でぃしゃん、こねこね?」

「そうだね。強い子が良いみたいだよ」

「うん、ちゅよく。えっちょぉ……けろ、いっちーたちは、ぴかのこぶんらっておもったのら」

「ああ、そうだったね」

「んん!?」


 またまたフリード爺なのだ。大きな眼を開けてこっちを見ている。パンケーキをお口に入れるところだったのだろう。手に持ったフォークに大きな一切れをぶっ刺して、お口も大きく開けたままだ。


「なんて言ったんだ?」


 なんだ、俺が何て言ったのか分からなかったのか。ごめんね、まだ舌足らずだから。

 ディさん、説明してちょうだい。


「ロロがあのプチゴーレムを作る時に、ピカの子分だと思って作ったから強くなったんだと言っているんですよ」

「ピカの!?」


 そう言ってフリード爺が、グインとお首を回して俺の足元を見た。ワフワフと言いながら、パンケーキを食べているピカを凝視していた。ピカのフッサフサの尻尾が、嬉しそうに揺れている。美味しいのだね、よく分かるよ。


「ディさん、もしかしてピカも強いのか?」

「アハハハ、フリード様、ピカが一番強いですよ」

「フリード様、ピカは神獣ですと言ったでしょう? ワンちゃんではないのでっす」

「おう、そうだった。ワンちゃんじゃないのか?」

「ええ、ピカはフェンリルですね」

「な、な、なんとぉーッ!?」


 ああ、今日一番の大きな声なのだ。ピカさん夢中で食べているけど、ピカさんの事を言ってるよ。バレバーレなのだけど、もういいよね?


「わふん」

「え、しょう?」

「わふ」


 ピカが、僕達の事はバレても良いけど、ロロの加護は黙っておく方が良いよ。と言った。そうなのか? そんな事を言っても、きっとクリスティー先生にはもうバレていると思う。だってクリスティー先生だって精霊眼を持っているのだし。


「わふん」

「うん、しょうらね」


 きっとディさんがうまく話してくれる。と、ピカが言った。

 クリスティー先生も、言わなくても分かっていそうだ。だって最初に「ピカはロロですか?」なんて言っていたもの。


「おやおやぁ~? もしかしてロロは、ピカと話せるのですか?」

「うん。しぇんしぇい、ボクはていまーらから」


 ふふふん。ほっぺに生クリームが付いているけど、堂々と言った。

 困った時は『ボクはテイマーだから』でつき通す。それで大体オッケーなのだ。


「ロロ、エンドレスでほっぺについてしまうな」

「らからにこにい、またちゅくのら」

「おう、けどマメに拭いておかないとな。ほっぺが真っ赤になったら嫌だろう?」

「うん」


 俺はニコ兄にお顔を向けるだけだ。ニコ兄がいそいそと俺のほっぺを拭いてくれる。

 俺はずっとモグモグしている。お口いっぱいに頬張ったら、美味しさも倍増だ。


「アハハハ、ロロったら」

「らってれおにい、うまうまなのら」

「うん、美味しいね」

「美味しくて、ほっぺが落ちちゃうわ」


 リア姉が手を頬に当てている。そんな事をしなくても、ほっぺは落ちないのだ。


「ディさん、ならチロという蛇もそうなのか?」

「はい、ランベルト様。チロも神獣だけど、チロは戦わないんです」

「ほう」

「あの子は回復全般なんですよ」

「なんとぉッ!?」


 フリード爺が、また大きな声を出している。チロは気にも留めないで、パンケーキに齧り付いている。チロ、美味しい?


「キュルン」

「しょう、いっぱいたべて」

「キュル」

「わふん」

「ええー、もう?」

「わふわふ」


 ピカさんが、おかわりが欲しいと言っている。僕は一口が大きいから仕方ないんだとか、訳の分からない言い訳をして。


「まりー、ぴかがおかわりらって」

「はいはい。ピカちゃんは大きいですからね」


 そうそう、一口が。


「ワッハッハッハ! これは凄い! 神獣2頭が守るのは、ロロなのか!」

「ボクは、ていまーらから」

「アハハハ、ロロったら。そうだね、ロロはテイマーだもんね」

「うん、でぃしゃん、しょうなのら」


 うん、これでよしッ。テイマーで無事に乗り切った。完璧なのだ。


「昔、ご先祖様がブラックフェンリルをテイムしていた事があるんだ」


 思い出したように、ラン爺が言った。ブラックフェンリルだって。初めて聞いたぞ。

 フェンリルにも色んな種類がいるんだ。そのブラックフェンリルも神獣だったのかな? ピカさんの仲間なの?


「わふ」

「しょうなんら」


 違うんだって。神獣でこの世界にいるフェンリルはピカだけだって。え? という事は、他にもいるのかな?


「わふん」


 あの泣き虫女神の他にも、神獣を連れている神がいるらしい。その中にはフェンリルもいるって。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロの書籍ですが、有難い事に書店様の店頭や楽天ブックスさん等で、メーカー取り寄せになってるところもある様です。

週明けから順次また入るかも知れないのですが、もし宜しければAmazonさんにはまだまだ在庫があるようです。

そしてご購入頂き、読了の際は是非レビューを!^^;

次巻に繋がる要素になるらしいです。

リリがラストまで発刊できそうな感じになってきました。これも皆様が変わらずご購入して下さったお陰です!

ロロもできるだけ次をと思いますので、宜しくお願いします!

いつも感想を有難うございます!

時々、誤字報告で校正をされる方や、ロロの言葉の語尾や言い回しを報告される方がおられます。

特に『〜のだ』『〜のら』ですね^^;

それは誤字報告されても削除しますので、ご了承ください。ロロの個性だと思って頂けますようお願いします。


書籍をご購入下さった方。挿絵はどれが良かったですか?ピカとロロがとってもホッコリしませんか?


挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
若の話が折々に出てきて、めちゃくちゃ面白いです~
フェンリルの件、わざわざありがとうございました
好きな挿絵は隣にギルマス、隣でディさんのお膝の乗るロロさんかな(笑) 三者三様の表情が良いです ポシェットのピカさんイラスト見つけました〜 コッコちゃんテイムのシーンに!
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