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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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339ー私も欲しい

「こっこちゃんたちは、ちゅよいのら」

「え!? 強いのか!? フォリコッコは最弱の魔鳥だぞ!?」

「アハハハ! ラン爺、そうなんだぞ。リーダー達は強いんだ。キックとかするんだ」

「それはまた、面白いな!」

「アハハハ!」


 ふふふふ、楽しいのだ。

 ラン爺は、ちょっと変わったコッコちゃん達のことを面白いと言ってくれる。

 大らかで、あったかくて、ラン爺は良いなぁ~。

 俺達のお祖父様もこんな感じだといいな。


「あ! もしかしてプチゴーレムも強いのか!?」

「アハハハ! そうだぜ。飛び蹴りとかするんだ。獣くらいだと余裕で倒すぞ」


 ブラックウルフにだって、臆せず飛び蹴りをしていたくらいなのだ。


「アハハハ! それは凄い!」

「なんだとぉーッ!?」


 頭の上の方から、大きな声がしたと思ったらフリード爺だ。いつの間にか、直ぐ後ろで俺達の話を聞いていたらしい。


「あのプチゴーレムは強いのかぁッ!?」


 ほらもう、本当に声が大きい。兄弟なのにこんなに違うのだな。


「おう、強いんだ」

「ロロが作ったと言っていたなッ!?」

「しょうなのら。こねこねして、ちゅくったのら」

「ロロォッ! 私も欲しいぞぉッ!」

「ええー……」


 欲しいと言われてもね。それは困るのだよ。どうしよう? ディさんはいないかな? ディさんはどこ行った!? ヘルプなのだ!

 リーダー達とプチゴーレムがこっちに出てきているのに、ディさんとドルフ爺がいない。クリスティー先生もだ。3人できっと何かしているのだろうけど、俺は困ったのだ。


「ロロォッ!」


 ヒョイとフリード爺に抱っこされてしまった。しかも普通の抱っこではない。そのまま肩車をされちゃった。それはもう、高い。俺には未知の領域だ。


「ひょぉーッ! たかいのら! ふりーろじい、はしって! はしって!」

「お? ロロは怖くないのか?」

「こわくないのら! はしって!」

「よぉしッ! しっかり掴まるんだぞぉーッ!」

「うん!」


 手で俺の足を支えながら、フリード爺が走った。俺はフリード爺の頭につかまる。風で俺の短い前髪がフワリと揺れる。

 いつもとは違う目線だ。それだけで、全然違う景色に見えてしまうから不思議だ。

 お邸の方へ走って行く。ワッハッハッハ! と、大きな声で笑いながら、フリード爺が走るとみんなも一緒に走り出した。

 一番ちびっ子だった俺が、一番高い。それってとっても不思議だ。おっと、木の枝が頭を掠めそうだ。ヒョイと首を下げる。アハハハ、楽しいのだ。


「しゅごい! しゅごいのら!」

「ワッハッハッハ!」


 フリード爺が豪快に笑いながら、俺を肩車して走って行く。こんな事、初めてだ。

 もしかして父様が生きていたら、同じ事をしてくれたかも知れない。でも、どうだろう?

 これは豪快でモロ体育会系のフリード爺だから、こうなったのではないかと思うのだ。

 俺の足だとテケテケと走っても、もっと時間が掛かる。でも、フリード爺に走ってもらって、あっという間にお邸に着いた。


「ふりーろじい、ありがと!」

「ワッハッハッハ! 楽しかったな!」

「うん!」


 楽しかったか? と、聞くのではなく『楽しかった』と言ってくれる、そのフリード爺の性格だ。

 俺みたいなちびっ子と、一緒になって楽しんでくれる。ふふふ、俺も楽しいのだ。

 そのままヒョイとフリード爺の腕に抱き直されて、お邸の中へと入って行く。

 こっちに来て最初に案内された部屋に入って行くと、クリスティー先生とディさん、ドルフ爺がいた。なんだ、先にお邸に入っていたのだな。


「おう、ディさん! 私もプチゴーレムが欲しいぞ! ロロに作って貰っても良いか!?」

「ええ!? フリード様、本気なの!?」

「おう! あの子達は強いというじゃないか!」

「まあ、確かに強いんだけど。ロロ、どうする?」

「えー、わかんないのら」


 やっと座らされた俺は、もう目の前のオヤツに眼が釘付けだ。

 とってもふんわりと厚めに焼かれた、ほっかほかのパンケーキ。香ばしい良い匂いがしている。これってマリーが作ったのじゃないよね?


「こちらのシェフですよ」


 やっぱそうなのだ。マリーだと卵白を泡立てるのが大雑把なので、ここまで膨らまないのだ。家で何度もパンケーキを作っているけど、ここまで膨らました事はないもの。


「ふふふ、ロロったら」


 あ、いかん。またお顔に出ていたのかも知れない。


「けろ、まりーのおやちゅは、うまうまなのら」

「あらあら、ロロ坊ちゃま。気を使って頂いて」

「アハハハ」


 あれれ? 駄目だったのかな?


「ロロ。構わないよ。食べよう」

「うん、れおにい。いたらきましゅ」


 まあいいや。レオ兄が構わないと言っているのだから、良いのだろう。

 ふわっふわのパンケーキにナイフを入れて、一口大に切って……さあ、お口の中へ。


「んん~! うまうまなのら、ふわっふわら」

「この蜂蜜、めっちゃ美味しいな!」

「ニコ坊ちゃま、そうでしょう? こちらの蜂蜜はコクが違いますね。生クリームも美味しいですよ」


 うん、なんだかよく分からないけど、とっても美味しいことに変わりない。


「ロロ、ほっぺに蜂蜜と生クリームがついてるぞ」

「にこにい、いいのら。またちゅくのら」

「駄目だぞ。放っておいたら痒くなるぞ」

「しょう?」

「ああ、こっち向きな。拭いてやるよ」

「うん、ありがと」


 いつもの様に、ニコ兄が俺のほっぺを拭いてくれる。それを見ていた、クリスティー先生。


「おや、なんて良い子なんでしょう」

「ね、良い子達だろう?」

「ええ、みんな素直で兄弟思いなのでっす」


 何か言っているけど、俺は食べよう。


お読みいただき有難うございます!

いやぁ、フリード爺、豪快ですね〜^^;

私の作品にはよくこういう爺ちゃんが出てきます。しかも高確率で^^;

別に私は爺ちゃん子じゃありません。フェチ?でもありません。^^;

皆さん、フリード爺タイプ? それともラン爺タイプ? いや、何を言ってるんでしょう?(-。-;

まだ爺ちゃんが出てきますよ。(予告)

さて、どんな爺ちゃんか分かりますか? 分かる方はかなり私の作品を読み込んで頂いている方ですね!

いつも感想を有難うございます。

本当に励みになります!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロ①が品切れになっている書店様もあるみたいです。楽天ブックス様でもメーカー取り寄せになっています。が、最強Amazon様にはありますよ〜!

在庫がしっかりあるみたいです。そして、レビューを書いて頂けると、とっても嬉しいでっす!(๑˃̵ᴗ˂̵)/

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
>>ぷちごーれむ 大量生産のフラグですか? >>爺 ……他の作品を読んでないや……orz 新刊入手しました。パラパラ見た感じですが、怒りに震えるディさんが印象になりました 2巻以降もよろ…
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