339ー私も欲しい
「こっこちゃんたちは、ちゅよいのら」
「え!? 強いのか!? フォリコッコは最弱の魔鳥だぞ!?」
「アハハハ! ラン爺、そうなんだぞ。リーダー達は強いんだ。キックとかするんだ」
「それはまた、面白いな!」
「アハハハ!」
ふふふふ、楽しいのだ。
ラン爺は、ちょっと変わったコッコちゃん達のことを面白いと言ってくれる。
大らかで、あったかくて、ラン爺は良いなぁ~。
俺達のお祖父様もこんな感じだといいな。
「あ! もしかしてプチゴーレムも強いのか!?」
「アハハハ! そうだぜ。飛び蹴りとかするんだ。獣くらいだと余裕で倒すぞ」
ブラックウルフにだって、臆せず飛び蹴りをしていたくらいなのだ。
「アハハハ! それは凄い!」
「なんだとぉーッ!?」
頭の上の方から、大きな声がしたと思ったらフリード爺だ。いつの間にか、直ぐ後ろで俺達の話を聞いていたらしい。
「あのプチゴーレムは強いのかぁッ!?」
ほらもう、本当に声が大きい。兄弟なのにこんなに違うのだな。
「おう、強いんだ」
「ロロが作ったと言っていたなッ!?」
「しょうなのら。こねこねして、ちゅくったのら」
「ロロォッ! 私も欲しいぞぉッ!」
「ええー……」
欲しいと言われてもね。それは困るのだよ。どうしよう? ディさんはいないかな? ディさんはどこ行った!? ヘルプなのだ!
リーダー達とプチゴーレムがこっちに出てきているのに、ディさんとドルフ爺がいない。クリスティー先生もだ。3人できっと何かしているのだろうけど、俺は困ったのだ。
「ロロォッ!」
ヒョイとフリード爺に抱っこされてしまった。しかも普通の抱っこではない。そのまま肩車をされちゃった。それはもう、高い。俺には未知の領域だ。
「ひょぉーッ! たかいのら! ふりーろじい、はしって! はしって!」
「お? ロロは怖くないのか?」
「こわくないのら! はしって!」
「よぉしッ! しっかり掴まるんだぞぉーッ!」
「うん!」
手で俺の足を支えながら、フリード爺が走った。俺はフリード爺の頭につかまる。風で俺の短い前髪がフワリと揺れる。
いつもとは違う目線だ。それだけで、全然違う景色に見えてしまうから不思議だ。
お邸の方へ走って行く。ワッハッハッハ! と、大きな声で笑いながら、フリード爺が走るとみんなも一緒に走り出した。
一番ちびっ子だった俺が、一番高い。それってとっても不思議だ。おっと、木の枝が頭を掠めそうだ。ヒョイと首を下げる。アハハハ、楽しいのだ。
「しゅごい! しゅごいのら!」
「ワッハッハッハ!」
フリード爺が豪快に笑いながら、俺を肩車して走って行く。こんな事、初めてだ。
もしかして父様が生きていたら、同じ事をしてくれたかも知れない。でも、どうだろう?
これは豪快でモロ体育会系のフリード爺だから、こうなったのではないかと思うのだ。
俺の足だとテケテケと走っても、もっと時間が掛かる。でも、フリード爺に走ってもらって、あっという間にお邸に着いた。
「ふりーろじい、ありがと!」
「ワッハッハッハ! 楽しかったな!」
「うん!」
楽しかったか? と、聞くのではなく『楽しかった』と言ってくれる、そのフリード爺の性格だ。
俺みたいなちびっ子と、一緒になって楽しんでくれる。ふふふ、俺も楽しいのだ。
そのままヒョイとフリード爺の腕に抱き直されて、お邸の中へと入って行く。
こっちに来て最初に案内された部屋に入って行くと、クリスティー先生とディさん、ドルフ爺がいた。なんだ、先にお邸に入っていたのだな。
「おう、ディさん! 私もプチゴーレムが欲しいぞ! ロロに作って貰っても良いか!?」
「ええ!? フリード様、本気なの!?」
「おう! あの子達は強いというじゃないか!」
「まあ、確かに強いんだけど。ロロ、どうする?」
「えー、わかんないのら」
やっと座らされた俺は、もう目の前のオヤツに眼が釘付けだ。
とってもふんわりと厚めに焼かれた、ほっかほかのパンケーキ。香ばしい良い匂いがしている。これってマリーが作ったのじゃないよね?
「こちらのシェフですよ」
やっぱそうなのだ。マリーだと卵白を泡立てるのが大雑把なので、ここまで膨らまないのだ。家で何度もパンケーキを作っているけど、ここまで膨らました事はないもの。
「ふふふ、ロロったら」
あ、いかん。またお顔に出ていたのかも知れない。
「けろ、まりーのおやちゅは、うまうまなのら」
「あらあら、ロロ坊ちゃま。気を使って頂いて」
「アハハハ」
あれれ? 駄目だったのかな?
「ロロ。構わないよ。食べよう」
「うん、れおにい。いたらきましゅ」
まあいいや。レオ兄が構わないと言っているのだから、良いのだろう。
ふわっふわのパンケーキにナイフを入れて、一口大に切って……さあ、お口の中へ。
「んん~! うまうまなのら、ふわっふわら」
「この蜂蜜、めっちゃ美味しいな!」
「ニコ坊ちゃま、そうでしょう? こちらの蜂蜜はコクが違いますね。生クリームも美味しいですよ」
うん、なんだかよく分からないけど、とっても美味しいことに変わりない。
「ロロ、ほっぺに蜂蜜と生クリームがついてるぞ」
「にこにい、いいのら。またちゅくのら」
「駄目だぞ。放っておいたら痒くなるぞ」
「しょう?」
「ああ、こっち向きな。拭いてやるよ」
「うん、ありがと」
いつもの様に、ニコ兄が俺のほっぺを拭いてくれる。それを見ていた、クリスティー先生。
「おや、なんて良い子なんでしょう」
「ね、良い子達だろう?」
「ええ、みんな素直で兄弟思いなのでっす」
何か言っているけど、俺は食べよう。
お読みいただき有難うございます!
いやぁ、フリード爺、豪快ですね〜^^;
私の作品にはよくこういう爺ちゃんが出てきます。しかも高確率で^^;
別に私は爺ちゃん子じゃありません。フェチ?でもありません。^^;
皆さん、フリード爺タイプ? それともラン爺タイプ? いや、何を言ってるんでしょう?(-。-;
まだ爺ちゃんが出てきますよ。(予告)
さて、どんな爺ちゃんか分かりますか? 分かる方はかなり私の作品を読み込んで頂いている方ですね!
いつも感想を有難うございます。
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