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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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338ー朝の鍛練

「らってにこにい、まらふにふに」

「え、ロロ。なんだよ」

「にこにいのうでと、れおにいのうではちがうのら」

「それは当然だ。年も違うし、レオは槍を使うだろう? それに弓もだ。どちらも腕の力が必要なんだ」


 ほうほう、なるほど。レオ兄は15歳だしね。その差は大きいのだろう。


「だって俺、畑の婆ちゃん達に力持ちだって言われてんのにぃ」

「ニコ、使う筋肉が違うんだ」


 だってさ。だからニコ兄も朝の鍛練に参加すると良いと誘われていた。


「らんじいも、やってるの?」

「ああ、当然だぞ。全員参加だ」

「ひょぉ~」

「すげーな。俺みたいな子供が参加しても良いのか?」

「もちろんだ」


 この辺境伯家では、その子自身が参加したくなったら何歳からでもオッケーなのらしい。

 最後までできなくても、少しでも参加して鍛練を続けていく。それに意味があるという。継続は力なりという事だ。


「それが積み重ねになるんだ。そうして筋肉が作られていく」

「へえー、俺も参加しようかな。どうせリア姉は喜んで参加するだろうし。ならレオ兄も参加するだろう?」

「きっとしょうなのら」


 そうそう、レオ兄はそう言っていたものね。リア姉は参加する気が満々なのだ。だって眼がキラキラしていたもの。


「ラン爺、最後までできなかったり、ついていけなくても良いのかな?」

「もちろんだ。初めから鍛練の最後まで熟せる者なんていないぞ」

「ええ! そんなになのか?」

「アハハハ、まあ参加してみると良いよ」

「うん!」


 ええー、じゃあ見ているのは俺だけじゃないか。だからといって、俺は参加しないけど。

 色んな話をしながら、ラン爺に剣を教わっていた。身体を動かしていると汗ばんでくる。

 風に少し潮の匂いが混じってきたかな? と、思っていたのだ。

 マリーが手を振りながら邸から出てきた。どうした?


「坊ちゃま、オヤツにしませんか?」

「まりー、たべるのら」


 そうだ、いつもはお昼寝から起きたらオヤツだった。今日は忘れていた。


「いつもより早くロロが起きたからだぞ」

「え、しょうかな?」

「ああ、そうだぞ。あんまり寝てないんじゃないか?」

「しょんなことないのら」


 ニコ兄ったらよく見ている。俺は自分でも、そんな事気が付かなかったのに。きっとあの泣き虫女神に呼ばれた所為なのだ。

 

「みなさーん! オヤツにしましょう! 少し休憩されませんかー!」


 マリーが大きな声でリア姉達を呼んだ。

 四阿の前では、まだリア姉とレオ兄が手合わせをしていた。それを見ているフリード爺とユーリさんもいた。みんなでオヤツにするのだ。


「オヤツか。なんだか懐かしいな」

「らんじいは、おやちゅたべないのら?」

「そうだな、もうそんな年じゃないからな」


 年には関係ないと思うぞ。だってマリーはオヤツが大好きなのだから。

 ピカさんが暇そうに寝そべっていたのだけど、マリーのオヤツという声を聞いてムクッと起きた。

 ぐぐぐぐーッと大きな身体を伸ばしている。チロさんはそんなの関係なしに、ピカの背中に乗っている。

 とっても良いお天気で、風も気持ち良い。お空を見ると、ふんわりと薄い雲がゆっくりと流れている。平和なのだ。こうして人が多いと、こんなに賑やかなのだな。

 俺は大抵ピカさんに乗って一人で畑をうろついている。それも楽しいのだけど、こうして色んな人がいるのも楽しい。とっても新鮮だ。


「キャンキャンキャン」

「ピヨピヨ!」

「ピヨヨ!」


 ああ、邸の裏からもっと賑やかなのがやってきた。リーダー達とプチゴーレムだ。

 元気にピューッと走ってくる。リーダーは一番小さいのに、先頭を走っている。本当に身体能力が高い。


「りーだー、はやいのら」

「おう、そうだろう。一番小さいのにな」

「うん」

「リーダーというのか?」

「そうだぞ。あの先頭を走っている黒い雛がリーダーなんだ。あの子は最近孵ったんだ」

「ほう、それでもリーダーなのか?」

「しょうなのら。れおにいとボクのまりょくれ、かえしたから」

「ん?」


 ニコ兄が代わりに説明してくれた。俺ってまだ舌足らずだから、慣れない人だと長文は駄目なのだ。

 コッコちゃんの卵を孵すのには、ほんの少しの魔力を流さないといけない。その魔力によって雛が変化したりする。

 それでオレンジ色の雛は、俺が一人で魔力を流した雛達。黒い子はレオ兄と俺が魔力を流して孵した雛だと。

 オレンジの子達は、雛というにはもう大きい。親コッコちゃん達の半分より大きくなっている。

 少し小さな鶏さん位の大きさなのだから、もう雛じゃないね。


「どうしてロロが魔力を流した子達はオレンジなんだろうな? フォリコッコって普通は真っ白だろう?」

「そうなんだよ。ロロが魔力を流し過ぎたんだってディさんが言ってたぞ」

「ほう、なら本当に少しで良いのだな」

「しょうしょう。もうわからないくらいに、しゅこしれいいのら」


 そうなのだ。そんな事が分からない時に俺が魔力を流しちゃったから、ああなったのだ。

 とってもやんちゃなオレンジの子達。しかも強い。ハイコッコちゃんに進化しているし。リーダーなんてハイパーコッコちゃんだ。


お読みいただき有難うございます!

今日は少しお願いが。

皆様はAmazonをご利用されますか?書籍を購入して下さった方は宜しければ是非、レビューをして頂けるととっても嬉しいです!

次に繋がるらしいのです。小さな事からコツコツと(≧∀≦)

皆様のお陰で来年はリリの⑥が発売されます。

あと少しでラストです。有難い事です。

ロロもできるだけ続刊をと思って下さる方は、宜しくお願いします!

私、自分で書きたいくらいなのですけどね、さすがにそれはと^^;

もしよろしければ、お願いします!

いつも感想を有難うございます。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロのポシェットのアップリケは、真っ赤なトマトと白い垂れ耳のワンちゃんです。ロロの母が作ったアップリケを、ロロがポシェットに縫い付けました。

偶然、真っ赤なトマトはニコが育てています。そしてワンちゃんはピカさんですね〜

(正確には白じゃないのですけど^^;)

母様は何か感じていたのでしょうか?

SSに書いたのですが、読んで下さった方はいらっしゃるのかしら?

実はポシェットにはこのアップリケでと、イラストをオーダーしたのではなく、potg様のアイデアなのですよ。凄くないですか?ラフを見た時にびっくりしました^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
鍛練か……家に戻ったら脳き…体育会系姉が毎日やらせそう 魔力注入も話していいものか困りものですね……特に今から二匹は譲ることになりますし
いつも楽しみにしています。 誤字かは分からないのですが、言い回しで気になったのでご連絡してみました。 ニコのセリフで だって俺、畑の婆ちゃん達に〜の所 俺だって、〜じゃないかなぁ〜と↑でも 意味合い等…
SS読む前に ポシェットのイラスト見て可愛いと思ってました 何故ミカンと不思議でしたが トマトでしたかぁ 布製のポーチ作って、お揃いにしようかな ピカさんが見えないから想像で ٩( ᐛ )و
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