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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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336ーラン爺と

「おしゃとうが、しゅこしはいってるの?」

「入ってないんですよ。でもほんのり甘く感じますでしょう?」

「うん、じぇんじぇんしゅっぱくないのら」

「はい、お水にレモーネを絞っただけなのに、とっても美味しいですね」

「うん。しゅっごくふるーてぃーなのら」


 マリーとピカと一緒に下りて行く。庭に出るとまだお日様が高い位置にあって、とっても良いお天気だ。屋内からお外に出ると、少し眩しいくらいだ。

 ルルンデのお家の庭とは違った匂いがする。緑の匂いが強いのかな? 風の中に緑の匂いがするのは、広い森があるからかな? それとほんの少しだけ、海の匂いも混じっている。


「ロロ、起きたか」

「らんじい」


 外に出ると、どこかからラン爺が歩いて来た。お邸の裏側に行っていたのかな? 手に丸太を持っている。


「らんじい、なにしゅるのら?」

「ニコの木剣を作るんだ」

「えー! ボクもほしいのら!」


 いやいや、欲しいと言ったけど木剣ってそんなに簡単に作れるのか? ラン爺はきっと作れるのだろうな。


「そうか? ロロは何も持っていないのか?」

「もってるのら、けろちいさいの。おもちゃなのら」

「ほう、ニコもそう言ってたな」


 そうそう、俺とニコ兄は短剣の大きさの木剣しか持っていない。しかも、おもちゃなのだ。それとピコピコハンマーだ。

 ラン爺が、俺の歩く速さに合わせてくれて一緒に歩く。とっても大きい。そうだなぁ、ギルマスよりまだ少し大きいかな? ちびっ子の俺が見上げると、お顔の上の方が見えないのだ。

 庭を歩いて四阿のある方へ行くと、みんながいた。

 リア姉とレオ兄が訓練していて、それをフリード爺が見ている。その脇に、ニコ兄とユーリさんがいた。

 ディさんとドルフ爺は何をしているのかな? リーダー達とプチゴーレムもいない。あれ? それと……。


「まりー、ておしゃんとじるしゃんは?」

「中で辺境伯様とお話しなさっていますよ」


 そうなのか。ずっと話しているけど、何かな? お祖父様とお祖母様が来る事なのかな?


「じゃあ、でぃしゃんとどるふじいは?」

「はいはい、裏の畑にいますよ」

「りーだーたちもいっしょ?」

「はい、そうですよ」


 また何をしているのか。ドルフ爺は畑の専門家だから、きっと畑を色々見ているのだろう。


「クリスティー先生も一緒ですよ。リカバマッシュを育てるとかなんとか」

「あー、れもなぁ」


 なるほどね。早速リカバマッシュなのだ。ドルフ爺はあのリカバマッシュを育てている木も、持ってきたのかな? 木が変わると駄目かも知れないぞ。

 それもドルフ爺は分かっていると思うのだけど。


「何やら同じ種類の木にどうとか言ってましたよ。それにこちらにしかないお野菜があるそうで、ドルフ爺が貰って帰るらしいです」

「へえ〜」


 それはまたニコ兄の出番だ。ドルフ爺とニコ兄にかかったら、育てられない物なんてないのではないか? と思うくらいに二人は凄い。

 そのニコ兄が俺に気付いて手を振ってくれている。


「ロロ! もう起きたのか!?」

「うん! にこにい!」


 テケテケテーとニコ兄の側へと走って行く。

 ちゃんとピカも付いてくる。広いお庭だ。ルルンデのお家の周りは畑だから、こんなに何もない広いお庭はとっても解放感がある。


「ロロ、ピカに木の短剣を出してもらってくれよ」

「うん。ぴか」

「わふ」


 コロンコロンと木の短剣を二本出した。


「これはまた……ピカは収納のスキルを持っているのか?」

「あ、しょうらった。らんじい、ひみちゅなのら」


 短いプクプクとした人差し指をプニッと唇に当てる。あれれ? そういえばフリード爺は、ピカが目の前で出しても気付かなかったぞ。


「アハハハ。ロロ、大丈夫だ。私達は誰にも言わないさ」

「うん、わかってるのら」

「なら、秘密じゃなくても大丈夫だよ」

「しょう?」

「ああ、そうだ」


 ラン爺は身体は大きいけど、とっても優しい。俺の頭を撫でる手もとっても大きい。でも優しく撫でてくれる。


「ピコピコハンマーもあるのら」

「あ、そうだ。ピカ、それも出してくれよ」

「わふん」


 またピカさんが、コロンコロンとピコピコハンマーを二つ出す。


「アハハハ、これがピコピコハンマーなのか? 兄上がウケていたよ」

「しょうなのら」

「ロロが作ったんだぜ」


 ニコ兄と二人で、ピコピコハンマーを持って掲げる。足を肩幅に開き、もう片方の手はもちろん腰なのだ。

 ふふふん、とってもかっちょいいポーズなのだよ。


「アハハハ、かっこいいぞ」

「しょうなのら。ちゅよいのら」

「おう、ブラックウルフもやっつけたしな!」

「ニコ、ブラックウルフをか!?」

「そうなんだ! 凄いだろう?」

「ああ、それは凄い。でもニコは怖くなかったのか?」

「怖かったけど、守らなきゃと思ったんだ」

「ニコ、偉いぞ」


 ふふふ、もうニコ兄がラン爺と仲良しになっている。

 そして俺はしゃがんでピコピコハンマーで地面を叩く。音を聞かせてあげよう。


 ――キュポン! キュポポン! キュポポンポン!


「アハハハ! 兄上が話していたのはその音か!?」

「えへへ~」

「俺も、俺もー」


 ニコ兄もその場でピコピコハンマーで叩いた。


 ――ボボーン! ボボボーン! ボボボンボーン!


「ニコもなのか!?」

「スゲーだろ?」

「ああ、凄いな! 音が違うじゃないか!」


 ふふふ、つかみはオッケーなのだ。


お読みいただき有難うございます!

ロロの世界は初夏ですが、現実はもう肌寒くなりましたね〜

体調を崩されないようお気をつけ下さい。

いつも感想を有難うございます。

誤字報告も助かってます。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


書籍が品切れの書店様も出ているようです。

楽天ブックス様も取り寄せになっています。最強Amazon様は余裕みたいです。^^;

よろしくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
レモネードの件、ご足労をおかけします 木剣は……今作っても、すぐにサイズが合わなくなるのですが、みんなと一緒がいいですからね もしこっちの野菜を手に入れたら、またディさんがウキウキするんでしょ…
辺境伯の人達は、強くて優しい人達ばかりですね( ◠‿◠ ) ラン爺に木剣を作って貰ってニコ兄と一緒にお稽古出来ると良いですね。(^O^☆♪ 此処でもドルフ爺は、ドルフ爺でした。 書籍売り…
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