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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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328ーお腹がすいた

「おう? その顔は、ロロは分かっているな!?」

「たぶんなのら」

「資源になるのだ。そのお陰でこの領地が潤っているという側面もあるのだ」


 ああ、やっぱそうなのだ。ルルンデだってそうだったもの。こことは規模が違うのだけど。

 冒険者達が討伐してきた魔獣は、冒険者ギルドを通してお店に卸される。ダンジョンで魔物を倒して手に入る魔石も同じだ。魔道具店に卸される。

 それをまた冒険者達や街の人達が購入する。そうして流通している。ここも同じなのだと思ったのだ。

 みんなで邸の方へ歩いて行くと見えてきた。

 さっき話していた邸の前の広場に、テーブルセットが出されて良い匂いがしている。


「皆が来たから昼飯はバーベキューにしたのだろう」

「ばーべきゅー!」

「ロロったらお腹空いていたの?」

「りあねえ、ぺこぺこなのら」


 またお腹が鳴らなきゃ良いのだけど。


 ――キュルルルル~


 思っていた矢先にコレなのだ。制御不能な俺のお腹が鳴ってしまった。


「ワッハッハッハ! ロロの腹の音は可愛らしいなッ!」


 ちょっぴり恥ずかしい。良い匂いがお腹を刺激しちゃったのだ。

 ディさんやドルフ爺も出てきた。みんな揃ってお昼ご飯だ。

 大がかりなバーベキューだった。串に刺したお肉が焼かれ、お野菜のサラダがあって、ポトフもあった。パスタや焼き立てのパンもある。


「ひょぉ~! おいししょうなのら!」

「ロロったら可愛い」

「リアはロロが可愛いか!?」

「はい! 当然です! ロロだけじゃなくて、レオもニコも可愛い弟です!」

「おう! 良い子達だ!」


 もうフリード爺とは仲良しになったのだ。

 リア姉は誘われた朝の鍛練に、参加するつもりらしい。レオ兄はちょっと躊躇していたのだけど。


「姉上一人参加させるのもね」


 なんて言いながら、レオ兄も参加するみたいだ。


「ロロ、俺達は見てみようぜ」

「うん、にこにい」

「ニコも参加して良いのだぞッ!」

「ええー!」

「ワッハッハッハ!」


 豪快に笑っている。こっちまで笑ってしまうのだ。

 いやいや、俺ってばヤバイ。またウルウルしてきそうなのだ。

 さっきからずっと、ポカポカが増え続けている。こんなに温かく迎え入れてもらって、俺はどうすればいいのか分からない。

 ルルンデでも、みんなに可愛がってもらっていた。だけど、それとはまた少し違う気がするのだ。俺がこの世界で初めて経験する温かさなのだ。


「ロロ、甘えればいいんだよ」

「れおにい、しょう?」

「うん。ロロは父上や母上が、可愛がってくれていた事を覚えていないだろう? ここでは遠慮せず甘えたらいいよ」

「わかったのら」


 レオ兄は流石だ。俺が話さなくても、何を感じて何を考えているのかよく理解してくれている。

 俺は初めて与えられる沢山の大きな愛情に、少し戸惑っていたのだ。

 その時の俺達の雰囲気なんて気付いてもいないフリード爺が、思い出したようにレオ兄に言った。


「そうだ、レオ。ランベルトに槍を教わると良いぞ!」

「ランベルトさんですか?」

「おう! ランベルトは大槍を使うからな!」

「大槍ですか!? うわ、僕は見た事がないです!」


 字の如く、レオ兄がもっている槍よりずっと大きな槍らしい。

 あの穏やかそうなラン爺が大きな槍を使って戦うという。あまり想像できないのだ。


「ランベルトだってAランクだ」

「「ええぇーッ!?」」


 驚いているのは、俺とニコ兄だ。Aランクだって。とっても強い。いや、待てよ。だってという事は?


「イシュトもAランクで、私はSランクだ!」

「「「ええーッ!」」」


 俺とニコ兄だけでなく、リア姉も驚いて思わず声を上げた。さっきのウルウルなんて、吹き飛んだのだ。


「え、え、えしゅ!」

「ワッハッハッハ! そうだぞッ! この領地では私だけだぁッ!」


 び、び、びっくりなのだ。レオ兄、なんとか言って欲しいのだ。俺達はびっくりして言葉が出ないぞ。


「Sランクって、国内では数人しかいないって聞きました」

「おう、レオはよく知っているな! そうらしいぞ、ワッハッハ!」


 でも父の師匠だったフリード爺が、弱いはずがないのだ。

 そのSランクのフリード爺は、ツーハンデッドソードと呼ばれる剣を使う。普通は両手で扱うとても大きな剣だ。しかもそれを片手で振り回すらしい。とんでもないのだ。

 それだけじゃない。フリード爺は剣ならなんでも使えるらしい。流石師匠だ。

 そしてラン爺は、大槍だけでなくロングソードも使う。ガンガン前に出て行くのがフリード爺なら、その背中を守っているのがラン爺らしい。

 で、フリード爺が父と今の辺境伯に剣を譲ったのはどうしてなのだろう? 自分で使ったりしないのか?


「いやいや、私は双剣は使わん。扱えはするのだが、あれは性に合わん! ワッハッハッハ!」


 また大きな声で笑っている。きっとなんでも一直線で豪快なのだろう。悪く言えば大雑把。マリーじゃないけど。

 双剣だって使えるのだ。なのに性に合わないとか言って、アッサリと剣を譲ってしまう。なんて豪快なんだ。


「私が持っていても、宝の持ち腐れだッ!」

「お祖父様、そんな事はないですよ」


 また、ワッハッハと笑っている。豪快なお爺さん。まだ元気なのに領主を息子に譲ったのだ。それも、どうしてなのだろう?


お読みいただき有難うございます!

発売日がとうとう明後日になりました。今からドキドキです。

2冊同時発売という事で大変でしたが、どちらも加筆改稿してあり満足して頂けると思います。

リリはもう5巻になりました!ここまで続刊を出せたのも、皆様のお陰です。有難うございます!

ロロは1巻です。なんとオリジナルキャラが登場します。書き下ろしも2本収録されています。

是非、パワーアップしたリリとロロを手に取って頂けると嬉しいです。

有難い事に、ロロは一部ではご予約できなくなっているようです。ですが、まだまだAmazonさん等ではご予約して頂けます。宜しくお願いします!

では、今日は2作品の書影を!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
領地運営は若いうちからやっててもいいけど、魔獣の間引きは自分達ができる限りはやりたかったんだろうな………………領地運営と魔獣退治の二刀流はきついもんね(゜ー゜)(。_。)ウンウン
新刊もう少しで発売ですね……で、気になる爆弾を投下されましたが、どんなキャラなんでしょう? まったく関係ないですが、この世界のバーベキューは誰がどのように伝えたのか気になりますね(こっちだと発祥は…
強くて元気なお爺さんなのら~♪
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