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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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325ー対の剣

 余計にあの件が気になってくる。ディさんに調べてもらっている両親の事だ。


「ロロ、難しい顔をしてどうしたの?」

「なんれもないのら」


 今考えても仕方がない。それよりも、リア姉の剣なのだ。

 対になっている剣なのは分かった。でも、どうして対なのだろう?

 それをユーリさんが教えてくれた。この辺境伯家のご先祖様が、実際に使っていた剣なのだそうだ。

 実際は2本揃って一つの双剣なのだ。両手に剣を持って戦う人だったらしい。

 その双剣が、ユーリさんとリア姉が持っている剣だ。


「とても強い人だったそうだよ。僕はまだ詳しくは教えてもらえないんだけど、それでもこの剣を見れば想像できるだろう?」

「ええ、確かに」


 そうなのか? 俺は全く分からない。とても立派な剣だと思うくらいなのだ。

 ちょっと気になった事があったから、レオ兄に聞いてみた。


「れおにい、みて」

「え? ロロ、剣をかい?」

「しょうなのら。あのましぇき」

「ああ、気になるの?」

「しょうなのら」


 レオ兄の鑑定眼で剣を見てもらった。何故かというと、剣身と剣を持つところの境目にあるガードと呼ばれる部分に魔石が付いている。その魔石がリア姉とユーリさんの剣とでは色が違うのだ。

 どうしてなのかな? て、思ったのだ。だって、双剣で一人の人が使うのなら同じ色にしないか?

 俺だったらお揃いにするのにな~ってね。


「ロロ、よく気がついたよ」

「れおにい、なぁに?」

「この魔石は魔法攻撃の威力を増強させるんだ」

「「ええッ!?」」


 ユーリさんとリア姉が同時に驚いている。あれれ? ユーリさんも知らなかったのか?


「こうして二本揃ったから気付けた事なのかもね。飾りだと思っていたよ」


 いやいや、代々この辺境伯家にあった剣なのだろう? 父様が譲り受けるまでは二本揃っていたのじゃないか?


「剣に関して詳しい事は残っていないんだよ。それに剣に魔法を付与するのって、この領地では普通の事なんだ。だからまさか、そんな効果があるなんて思いもしなかったよ」


 ほう、そうなのか? それで、具体的にはどうなんだろう?


「れおにい、しょれれ?」

「ん~、魔石の種類が魔法の属性になっているんだ」


 リア姉の剣には赤い魔石、ユーリさんの剣には緑の魔石が付いている。

 ああ、そっか。炎と風だ。リア姉は炎を使うから丁度良いじゃないか。


「ゆーりしゃんは、かじぇじょくせいまほう?」

「ん? ロロ、なんだって?」

「ユーリさんは風属性魔法を使うのかと聞いているんです」

「ああ、どうして分かったんだ? そうだよ、僕は風属性魔法を剣に付与して戦うんだ」

「やっぱりなのら」

「ロロ、色で分かったんだね」

「しょうなのら」


 これは偶然なのだろうか? もしかして父様も火属性魔法を使う人だったのかな? そして、ユーリさんのお父さんは風属性魔法だ。それなら納得できる。

 フリード爺が魔石の効果を、知っていたのかどうかは分からないけど。


「それにその魔石は取り外しができるみたいだね」

「「ええッ!?」」


 また剣を持っている二人が驚いている。どうした? どうして使っていて気が付かなかったのだ?

 あれれ? これって外せるな~なんて思わなかったのかな?

 その剣は魔石を入れ替える事で、魔法属性が変更できるんだ。もし炎が苦手な人なら別の属性の魔石を付けると良い。なんて便利なんだ。よく考えられている。


「魔力を流すだろう? そうしたら剣身に彫ってある模様が光るんだ。とっても綺麗なんだよ」


 あれれ? リア姉が魔力を流した時って光っていたっけ? ヒュージスライムを討伐した時って魔法を使っていたけど、俺は気付かなかったのだ。


「むむむむ」

「ロロ、今度は何だ?」

「にこにい、りあねえのけん、ひかってた?」

「え? 光ってたか?」


 ニコ兄も覚えていないらしい。いつも一緒にいるレオ兄と、持ち主のリア姉は覚えていないのか?


「姉上が魔法を使う時はいつも真っ赤に光っていたよね」

「そうなのよ。なんで光るのかしら? て、思ってたの」

「アハハハ! リアは気付かなかったのか?」


 まあ、リア姉はそんな感じなのだ。あら、また光ってるわ。くらいに思っていたのじゃないかな? だってリア姉の性格だもの。


「ロロ、また失礼な事を考えているでしょう?」

「しょ、しょんなことないのら~」


 いかん、気が緩んでしまって忘れていたのだ。リア姉は俺の考えている事をよく当てる。気を付けないと。むふふ。


「みんな仲良しだな。会えて嬉しいよ」


 キラッキラな笑顔でユーリさんがそう言った。ここの人達はみんな良い人なのだ。

 対の剣は実は双剣だった。しかも魔法属性を増幅させる魔石まで付いていた。レオ兄が鑑定眼で見なかったら、分からなかったかも知れない。

 凄いのだ。なんだかチートっぽいぞ。リア姉ったら、ヒロインみたいなのだ。いや、ヒロインじゃないな。どっちかというヒーローなのだ。


「ロロ、また何か考えているわね」

「りあねえは、ひーろーなのら」


 あ、ついポロッと言ってしまった。


「なんでよぉー! それを言うならヒロインでしょう!?」

「らって、ひろいんじゃないのら」


 おっと、またまた言ってしまったのだ。


「ロロー!」

「アハハハ!」


 ユーリさんに笑われてしまった。つい言ってしまったものは仕方がない。

 そして、リア姉は俺に抱きついてくる。もちろん、手は俺のお腹をプニプニしているのだ。


お読みいただき有難うございます!

少し先のお話を思案中。迷っているのです。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日は元気なイラストを!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
やはり剣にはそういう話がくっついてましたか(てっきり、二本合わせて使えば威力は倍増……かと) >先のお話 もしかしてロロがまたひどい目に合うとか、おじいさんとかによって家族が離れ離れになるとかの類…
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