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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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310ーディさんの秘密

「僕はそんな媒体は必要ないんだけどね」

「ひょぉーッ!? でぃしゃん、ちゅかえるの!?」

「実はそうなんだよー、アハハハ」


 凄いのだ。笑い事ではないのだ。またまたビックリなのだ。


「でも、ロロ。これは秘密だよ」

「わかったのら、ひみちゅ」


 とっても心許ないのだけど。頑張って秘密にするのだ。

 最近俺のお口はとっても軽いからなぁ。思っている事を、ポロッと喋ってしまう。気を付けないといけないのだ。


「あらあら、マリーも聞いてしまいましたよ」

「アハハハ、マリーも秘密だよ」

「はい、秘密ですね」


 とっても良い笑顔のマリーだ。その笑顔を見て、ちょっぴり不安が過ったのは気の所為か?


「マリーまでディさんの秘密を知ってしまいましたねー」

「まりー、じぇったいに、ひみちゅなのら」

「はいはい、もちろんです」


 うん、やっぱちょっと不安なのだ。でも、余計な事は考えないで刺繍をしよう。


「僕はお野菜を採りに行ってくるよー」


 いつものディさん用の麦わら帽子を被り、手には籠を持ってスキップしながら出掛けて行った。

 毎日毎日、飽きないのだ。きっと今日も特盛サラダを食べるのだろう。

 そうして一日頑張って刺繍をした。模様はそんなに大きなものじゃないのだけど、怪我しないように、危ない事に巻き込まれないようにと思いを込めて何枚か作った。

 まだ明日もその次の日も作るつもりなのだ。

 それを夕方に戻ってきたディさんが、精霊眼で見てうんうんと頷いていた。


「ロロ、上手だね。これは良いよ」

「しょうなのら」

「きっと大事にしてくれるよ」

「ふふふ、しょうらと良いのらけろ」


 この世界では気にされていないのだけど、前世ではメジャーだった四つ葉のクローバー。それを刺繍したのだ。見つけたらラッキーだとか言うだろう?

 だからラッキーな事が起こるように、おまじないも兼ねている。


「守りと運だね。これなら事故にも遭わないんじゃないかな?」

「でぃしゃん、しょう?」

「うん、それくらいの付与になっているよ」

「良かったのら」


 ちょっぴり嬉しくて、ソファーに座って床についていない足をプランプランする。

 そのディさんの話を、帰ってきたテオさんとジルさんが聞いていた。


「ロロ、僕にも何か作ってくれないか?」

「ロロ君、私も欲しいです」


 え、そうなのか? えっと、じゃあ……


「まりー、おりぼんのよびあった?」

「はい、ありますよ」


 マリーが俺のお道具箱から何種類かおリボンを出してくれた。


「かみをむしゅぶ、おりぼんなのら」

「おー、なるほどな。リアやレオと同じだな」

「しょうしょう。しゅきなおりぼんを、えらんれほしいのら」


 色々あるだろう? マリーが買った物を取ってあるのだ。

 マリーは、手芸用品店に行くとつい買ってしまうらしい。きっとエルザやユーリアにと思うのだろうけど、2人共あまりリボンは気にしないらしい。

 そうか、マリー達にもこの機会におリボンに刺繍しよう。それを付けてくれていると安心なのだ。


「まりーもえらんれ。ゆーりあも」

「え? ロロ坊ちゃま、私達もですか?」

「うん、ちゅくるから」

「ロロ坊ちゃま、本当ですか!?」


 ユーリアが食いついてきた。なんだ、もしかして欲しかったのかな?


「だって、ロロ坊ちゃまの刺繍は可愛いもの!」

「はやくいってくれれば、よかったのら」

「ふふふ」


 遠慮していたのかな? もっと早く気付けば良かったのだ。

 早速おリボンを選んでもらった。

 テオさんは、レオ兄と同じ藍色の髪色をしている。選んだおリボンは黒に近い深い青だ。そこにシルバー色の糸で葉っぱの刺繍をする。

 ジルさんは、ブルーシルバーの髪色だ。淡い水色のおリボンを選んだ。そこに、紺色の糸で刺繍をする。

 エルザは帰ってきてから選んでもらう事にして、マリーとユーリアにも選んでもらった。

 ユーリアが選んだのはベビーピンクのおリボンだ。これは絶対にマリーがユーリアの事を思って買った物だろう。だってリア姉はピンクって柄じゃないもの。

 ユーリアはおさげに結んでいるから、細いおリボンを2本。

 そして、マリーだ。薄紅色の髪をいつもシニヨンに結っている。シニヨンにまとめた髪の周りにシニヨンカバーというのだろうか? シャンプーハットの様な白い布を被っている。それを結ぶリボンにするらしい。

 アイボリーのふんわりとしたおリボン。そこに淡い緑色の糸で葉っぱの模様がご希望なのだ。


「坊ちゃま、私は端に葉っぱの柄をワンポイントで良いんです」

「まりー、しょう?」

「はい、小さく可愛らしいのが良いです」

「ほんとに? えんりょしてない?」

「はい、してませんよ」

「ロロ坊ちゃま、私は小さなお花が良いです」

「わかったのら」


 さて、これから俺は忙しくなるのだ。

 ハンカチもあともう何枚か刺繍をしたいし、みんなのおリボンにも刺繍をしたい。大忙しになるぞ。これがお店なら、大繁盛なのだ。


「ええー、みんな良いなぁー」


 ディさんは何を言っているのだ。ディさんが俺の一番の大作を持っているのに。


「だっておリボンも可愛いだろう?」

「ディさんがいつも髪に結んでいるリボンも、そうなんじゃないんですか?」


 そうそう。俺が刺繍をしたおリボンを、いつも結んでくれている。


お読みいただき有難うございます!

昨日のエピソードタイトル、合っていませんでしたね。少し考えます。^^;

ロロの言葉の「れもなぁ」が、私は好きです。^^;

「でもなぁ」と言っているのですが、これが可愛くてとってもお気に入りなのです。

皆様はそんな言葉ありますか?

いつも感想や、誤字報告を有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


リリ⑤のイラストも色々出揃ってきました。が、まだ公開できないのでリリ④で。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
私はロロの「(え、)しょう?」が好きですよ~ 最近家族との会話で「そう?」って 言っちゃってます!
日々、進化してるからって、何個も付与をオネダリすると、こういうことにwwww 無くしたことにすると後々、面倒になるし(笑)
>>リア姉はピンクって柄じゃない ちょっとお姉さんに言いつけないといけませんねぇ (全面的に同意はしますが…) >「れもなぁ」 0.5秒ぐらい、どこにレモンの話が出たの?……と思った当方に罰を
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