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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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307ーお土産は何にしよう

「こころがぽかぽかしゅるのら」

「ふふふ、ロロったら」

「そうだね」

「れもなぁ~」

「ロロ、何だ?」

「らって、にこにい。ボクははじめてのひとが、ちょっぴりこわいのら」

「ああ、そうだったな。ロロは少し人見知りするもんな」

「にこにい、しょうなのら」


 そうなのだよ。これでも俺は、初めて会う大人の人がちょっぴり怖いのだ。

 リア姉位の歳の人ならまだ大丈夫なのだ。そういえば、ディさんも怖くなかった。それよりも、なんて綺麗な人なんだろうと思ったのだ。


「大丈夫よ、私達のお祖父様とお祖母様だもの」

「うん、りあねえ」

「そうだよ、みんな一緒だしね」

「おう、そうだぞ」


 レオ兄やニコ兄も優しい。俺がこの家に、来たばかりの頃の事を覚えているのだ。

 マリーのスカートの裾を握って離さなかった頃の事を。


「さあさあ、夕食にしましょうね」

「うん、まりー」


 今日もみんな揃っての夕ご飯だ。俺達兄弟とマリー達だけだったのが、その内ディさんが一緒に食べるようになって、コッコちゃん達が増えて、今はテオさんとジルさんが一緒だ。

 賑やかなのだ。ふふふ。

 今夜のお肉は、リア姉が狩ってきた兎のお肉だ。

 兎のお肉は俺だけじゃなくて、みんな好きだ。ニコ兄も美味しそうなお顔をして食べている。

 今日はトロトロチーズソースなのだ。チーズにミルクを混ぜて作る、とってもまろやかで美味しい。肉汁と混ざったら、これまた美味しい。

 お肉をお口いっぱいに頬張っていると、レオ兄が思い出した様に言った。


「テオさん、僕達何かお土産を持って行く方が良いですか?」

「レオ、何言ってんだ。そんなのいらないぞ」

「そうですよ、レオ君。みんな元気なのが一番のお土産です」

「でも、お世話かけちゃうと思うわ」

「リア、遠慮する事ないんだ。本当はリア達を、引き取りたいと思っているんだから」

「そうですよ」


 とは言っても。何か良いお土産があったらなぁ。俺は腕を組んで考える。

 どうせお土産を持って行くなら、喜んで貰えるものが良いのだ。


「むむむむ」

「ロロ、何考えてんだ?」

「おみやげなのら。にこにいがしょだてた、おやしゃいもってく?」

「おう、それもいいな」

「ニコが育てたお野菜はとっても美味しいからね!」


 特盛サラダを食べながらディさんが言った。ディさんなら、迷わずお野菜で決まりなのだけど。


「れもなぁ~」

「なんだよ」

「らってにこにい、おじいしゃまも、おやしゃいしょだててたらなぁ」

「ああ、そっか」

「じゃあ私が兎を狩ってくるわ!」

「姉上、それは違うよ」

「え? そう?」

「アハハハ! だからいらないって!」


 でもこんな事を考えるのも楽しい。ウキウキしちゃうのだ。

 モグモグと食べながら考える。


「ロロ、こぼしているぞ」

「あ、にこにい」


 おっと、考え事をしながら食べると駄目なのだ。

 

「ロロの刺繍はどうかな?」

「でぃしゃん、しょお?」

「うん、僕なら凄く嬉しいな」


 ディさんには俺の大作を渡したばかりじゃないか。

 それに刺繍は時間が掛かるから、今から用意しないと。


「お祖母様は刺繍がお上手だぞ」

「しょうなの?」

「ああ。ベッドカバーとか作って下さった」

「ひょぉー! おおきいのら!」

「テオ様、あれは刺繍ではなくて、パッチワークですよ」

「え? そうだったか?」


 パッチワークか。それも良いな。今まで作った事がないのだけど。


「まりー、れきる?」

「パッチワークですか? できますよ。やってみますか?」

「うん、おしえてほしいのら」


 それも楽しそうだ。明日からマリーに教わろう。


「だからロロ。お土産なんていらないからな」

「ておしゃん、ちゅくってみたいのら」

「ロロは器用だからね。またどんな付与がされるのか楽しみだ」


 またまたディさん。まさかパッチワークで付与はないだろう?


「ロロ、だって同じ様に一針ずつ縫うんだよ。その時にロロの思った事がきっと付与になるよ」


 あー、そうなのか? パッチワークだと持ち歩くものでもない。なら疲れが取れるようにとか思って縫おうかな。


「ふむふむ」

「ね、そう思うだろう?」

「うん」


 それも良いなと思うのだ。テオさんが言っていたベッドカバーに良いよね。


「ディさん、付与って何ですか?」

「あれ? ジルは知らなかったかな? ロロは刺繍で付与するんだ。一針ずつ縫う時にね」

「ええッ!?」

「ロロ君、そうなの?」

「うん、なんれかね~」


 お守りみたいな物なのだ。でも、ちょっぴり良い感じだろう?


「縫って付与するなんて聞いた事ないですよ?」

「ああ、聞いた事ない。魔石にじゃないんだろう?」

「ロロはまだちびっ子だから、魔石に一気に付与するのは無理があるんだ。でも、一針ずつ縫うならできる。ね、リア、レオ」

「はい、僕と姉上のリボンです」

「俺が毎日持っているハンカチもだ」


 ニコ兄がポッケからハンカチを出して見せた。

 ニコ兄は髪が短いから、おリボンはしていない。それより、毎日畑に出て汗をかくからと思ってハンカチにしているのだ。もちろん、ユーリアも持っている。マリーとエルザもだ。

 少し前に刺繍した物だから、ちょっと嫌な感じがするって分かる程度の付与なのだけど。


お読みいただき有難うございます!

昨日深夜に、少し思いついた事があって大幅に書き直しを始めてしまって、ちょっと今ピンチです^^;

いつも感想を有難うございます。

励みに毎日投稿頑張ります〜!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日はハルちゃんを。2巻は来年発売ですが、もう作業は始まってます。頑張りまっす!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
>>おみやげ 例の人気な玉子とか、栽培に成功したきのことか、マンドラ(それはやめとけ いっぱいありますね
お祖父様もお祖母様もなんでも喜ぶと思うけど、持って歩けてすぐに見られる物なら、見るたびに涙するんじゃないかしら。
お祖父様とお祖母様のお土産はニコ兄のお野菜とロロのパッチワークのベッドカバー。ロロ今度も大作だね。序でにテオさんも付与が施したリボンが欲しいと言うかも〜(そう言えば女神様も欲しいと言っていたね) (^…
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