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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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304/486

304ーディさんの連絡手段

「でぃしゃん、いちゅかいきたいのら」

「ロロ、エルフの国にだろう? 約束したもんね」

「しょうなのら」

「え!? 俺も行きたいぞ!」

「じゃあ、ニコも一緒に行こう!」

「僕も一緒に」

「私も!」

「アハハハ、みんなで行こう! 嬉しいよ!」


 いつもの笑顔になった。少し寂しそうな笑顔は、ディさんには似合わないのだ。

 綺麗で爽やかな笑顔の方がお似合いなのだ。

 俺の足元で、主張しているピカさんとチロ。コッコちゃん達は丸くなって眠っているけど。


「わふん」

「キュルン」


 一緒に行くよと言っている。そうだね、ピカとチロはずっと一緒なのだ。


「うん、いっしょにいくのら」

「アハハハ、そうだね。ピカとチロも一緒に行こう」


 ディさんの魔法杖を作った長老さんにも会ってみたい。

 辺境伯領へ行ったら、もう一人のエルフさんにも会えるのかな?

 たしか辺境伯家が気に入って、ずっとそこに住んでいると前に話していたのだ。


「えっちょぉ」

「ロロ、今度は何だ?」

「えっちょぉ、へ、へんきょ……」

「辺境伯領か?」

「しょう、しょれ。しょこにも、えるふしゃんがいるって」

「ロロはよく覚えているねー。そうだよ、一人いるんだ」

「そうなのか?」

「あれ、ニコは知らなかったかな? いるんだよ。僕より年上のエルフだ」

「ひょぉーッ!」

「なんだよ、ロロ」

「らってにこにい、でぃしゃんより、としうえらって」

「おう、そうだな」


 あれれ? もしかしてニコ兄はディさんの歳を忘れちゃっているのか?

 数百歳なのだぞ。百歳オーバーなのだぞ。凄くないか?


「あ、そっか。ディさんは、そうだった」


 やっぱ忘れていたのだ。

 その日、リア姉とレオ兄はギルドに行かずに家にいた。ニコ兄とユーリアは話が済んだら畑に出掛けて行っちゃったけど。

 お話しの後、家の前でディさんが杖を出した。

 俺は少し離れて見ていた。もちろんリア姉やレオ兄、テオさん達もディさんに注目だ。

 何をするのかというと。


「辺境伯領にいるエルフに伝えておくよ」


 と、いって魔法杖を出したのだ。杖でどうやって伝えるのか? もう、ワックワクで興味津々なのだ。

 杖を弓の代わりにして持つけど、矢はない。魔法の矢だ。それも前に見た事がある。

 でも、ここから辺境伯領まで遠い。いくら魔法の矢でも、届くはずがない。

 ディさんが肩幅くらいに足を開いて立つ。とっても綺麗な姿勢で遠くを見つめ、お口の中で何かを唱えている。そして、矢を放った。

 ディさんの髪色と同じエメラルドグリーンの矢は、尾を引き高く高く上がって空に消えて行った。


「え……? みえなくなったのら」

「凄い……」

「訳分かんないわ」


 リア姉、感心しているのにその言い方はいけない。リア姉はいつからツンデレさんになったのだ? 素直に感動しよう。


「よし、これでいい」

「でぃしゃん、しゅごいのら!」

「レオと姿勢が違う気がするわ」

「姉上、それを言わないでよ」


 おや、リア姉もよく見ているのだ。意外だ。


「ロロ、私だってちゃんと分かっているのよ」

「なんにもいってないのら」

「ロロはお顔に出るもの」


 あ、そうだった。いけない、気を付けないと。思わず両手でほっぺを触る。ほっぺだけを隠しても仕方ないのだけど。


「レオはまだ若いからね、これからだよ」


 バシコーンとウインクをした。ディさんのウインクは照れ隠しの時もあるのだ。

 凄いと言われて、ちょっと照れちゃったのかな? ふふふ。


「ボクも、れんしゅうしゅるのら!」

「アハハハ、ロロは最近ピコピコハンマーばかりだったからね」

「らって、まんどらごらがぁ……」

「そうだねー、アハハハ」


 ディさんが放った矢は、遠くの辺境伯領にいるエルフさんに届くらしい。信じられないのだけど、ディさんがそう言うのだからそうなのだろう。

 それはただの魔法の矢ではない。ディさんの伝えたい事が、記憶されているのだそうだ。


「エルフだけが持つ連絡手段なんだ。もう少し近かったら、別の連絡手段もあるんだけど」


 エルフさんはとんでもないのだ。俺には想像もつかない。

 もっと近かったら、念話というものが使えるらしい。俺がピカやチロと話せるのと同じ感じだ。

 伝えようと思っている事が、口にだして喋らなくても伝わるのだそうだ。

 俺が、攫われた時にピカと念話で話して、捕まっていた場所を教えてもらったって言ってた。

 その次は蝶の連絡手段があるらしい。もちろんただの蝶じゃない。精霊さんの一種らしい。

 もうそこまでいくと、俺には理解不能なのだ。

 今のだって、矢だぞ。確かに魔法の矢なのだけど、どんだけ遠くまで伝わるのだ? お手紙なんていらないじゃないか。


「ロロ、そんな事はないんだよ。冒険者ギルドの転送装置は便利だ」

「て、てんしょう……」

「そう、お手紙を送れるって言っていただろう」

「しょうらった」


 本当なら何日も掛かるのだけど、冒険者ギルドのその転送装置を使えば直ぐだ。

 辺境伯領にある冒険者ギルドに届く。そこからは普通に馬で配達されるから、少し時間が掛かってしまう。テオさんもそれで家にお手紙を送ったと言っていた。


「瞬時にって訳じゃないんだけどね。それでも普通に手紙を出すのとは比べ物にならないよ」


 それは便利なのだ。

お読みいただき有難うございます!

月曜日ですねぇ。また1週間頑張りましょう。

毎日感想を有難うございます!

本当に励みになります。有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日はお久しぶりのリリ②の書影です。

このリリが一番お気に入りなのです。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] キャー、クリスティ先生に会える(>_<) ココにも会えるかなぁ((o(^∇^)o)) これからの展開が、ますます楽しみ(^-^)
[気になる点] エルフの国はとっても気になりますね〜 辺境伯のエルフさん まさか、あの先生だったりして 楽しみでっす
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