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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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303ーギルドと騎士団 2

 ギルドは独自のネットワークを持っているところもあるらしい。

 ただ、一定の協力は約束させられるのだそうだ。国の一大事には協力しろという事だ。それは当然だろう。

 冒険者ギルドで例えるなら、魔獣が大量に発生した時やスタンピードだ。

 そんな時はギルドに登録している冒険者は、騎士団や衛兵と連携協力して討伐に参加する。

 ディさんのような高ランクの冒険者になると、指名で協力要請が出たりする事もある。

 その代わりにギルドカードを提示すれば、国から国への移動も入国料を支払わないで済んだりする。

 対する騎士団と衛兵は、国の組織だ。だが長が違う。騎士団は国王陛下で、衛兵はその地の領主が長だ。

 衛兵の方が地元に根差した活動をしている。領地の細々とした事を毎々国にお伺いを立てなくても、領主の権限で差配できる。

 どちらもそこに入団するまでは、冒険者ギルドに所属していた者が多い。いや、殆どそうらしい。

 フィーネ達の様に、冒険者の活動を通して鍛えるんだ。その時にランクはあったとしても、入団後は関係なくなる。

 騎士団や衛兵の中にも階級があり、そっちが優先されるからだ。

 全体の強さでいうと、騎士団の方が強いらしい。何故なら騎士団の入団試験の方が難関だからだそうだ。

 その中でも、団長や副団長といえば精鋭中の精鋭といっても良い。冒険者の高ランクに匹敵するらしい。


「ひょぉ~、ららちゃんのとうしゃまちゅよいのら」

「アハハハ、ロロ当然だよ。でないと騎士団の副団長になんてなれないよ」

「でぃしゃん、らんくらと、どれくらいなのら?」

「ん~、そうだなぁ……副団長ならAランククラスじゃないかな?」


 それは凄いのだ。だってリア姉とレオ兄が、DランクからCランクに上がるのも難しそうだったのだ。


「リアとレオもその内だね」

「レオには負けないわ!」

「姉上、そんな問題なの?」

「当たり前じゃない! レオは弟なんだから!」


 とっても深刻だった空気が、リア姉の言葉で和らいだ。

 だからと言って、無かった事にはならない。みんな覚えている。

 俺の両親の死因が魔族と遭遇した為だという可能性が出てきた。俺達では何もできないから、ディさんに任せるしかない。国の対応を待つのだ。

 だけど、その魔族ってとっても強い。Aランクかぁ、俺なんてまだまだ登録できない。

 登録できる歳になったとしても、俺は冒険者ギルドなのかなぁ。ちょっと違う気もするのだ。

 だって俺は戦う事は苦手なのだ。マンドラゴラなら話は別だけど。

 ピコピコハンマーでどれだけ戦えるのかなぁ。


「むむむむ」

「ロロ、またかよ」

「にこにいは、ぼうけんしゃぎるろに、とうろくしゅるのら?」

「おう、10歳になったらな。もう少しだ」

「ボクはろうしよう」

「ロロ、必ず冒険者ギルドに登録しなきゃいけない訳じゃないからね」

「れおにい、けろみんな。ぼうけんしゃぎるろら」

「別に良いと思うよ。ロロならそうだなぁ、魔術師ギルドとかどうかな?」

「ま、まじゅちゅし?」

「そうだよ、ロロは魔法が得意だろう?」

「とくい? れおにいのほうが、とくいなのら」

「アハハハ、それは僕とロロだと歳が違うだろう?」


 まあ、そうなのだけど。でもみんな戦うのに、俺だけ何もしないなんて選択肢はない。

 ブラックウルフが出た時だってそうだった。俺は俺なりに、守りたいと思っているのだ。


「ロロはまだちびっ子だ。ゆっくり考えると良いよ」

「でぃしゃん、しょう?」

「うん、そうだよ」


 そっか、まだ何年もあるんだ。俺ももっと大きくなったら、レオ兄みたいに強くなれるのかな?


「ロロ、私もレオと同じCランクなのよ?」

「う、うん。りあねえもちゅよいのら」


 おっと、ヤバイのだ。俺は考えている事が、お顔に出ちゃうらしいから気を付けないと。

 思わずほっぺに手をやった。


「ニコも冒険者ギルドに登録するなら、もっと鍛練しなきゃ駄目よ」

「リア姉、分かってるって」


 ニコ兄はお墓参りから戻ってきてから、リア姉に剣を教わっている。レオ兄には槍と弓だ。まだどれがニコ兄に合っているのか分からないから、少しずつ毎日鍛練している。

 俺も早く教わりたいのだ。とおッとかっちょよくやっつけたい気もするけど、ちょびっと怖いと思う気持ちもある。

 今日は朝から難しくて重大な話だったけど、今直ぐどうこうできる事でもなかった。

 ディさんが国の上の方の人に報告するらしい。まだそれからなのだ。

 でもディさんって、一体どんな立ち位置なのだろう? そんなに軽く、お野菜採ってくるね~みたいに、国の上の人に相談するって言えるなんて普通じゃないのだ。

 もしかしてディさんは偉い人なのか?


「僕はこの国の人間じゃないからね、何にも縛られないんだ」


 なんて笑顔で言っているけど、余計にそう思うのだ。この国の人間じゃないのに、国の上の人と話せるなんて不思議なのだ。もしかして、SSランクってみんなそうなのかな?


「でも君達兄弟がこの国にいる間位は、僕はここにいようと思っているよ」


 ああ、きっと俺達が生きている間位はという意味なのだ。

 ディさんはそうやって何人もの人を送って来たのだろう。眉や目尻が下がって寂しそうだ。ディさんの笑顔はそんなんじゃない。いつもはキラッキラな笑顔なのに。


お読みいただき有難うございます!

書籍化作業に追われているうちに、いつの間にか涼しくなっていました。^^;

この2週間はゲラと睨めっこしていた記憶しかないという^^;

リリ⑤とロロ①はあと少しです。

公開できる様になれば、活動報告でも書影を投稿しますね。どちらも、とんでもなく可愛いですよ〜!

来年発売のハルちゃん②の作業も、もう始まっています。アヴィー先生が登場します。美魔女です。お楽しみに!

毎日感想を有難うございます。

皆様の応援を励みに書籍化作業と毎日の投稿に頑張ってます。

有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日は久しぶり(?)にハルちゃんを!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ララちゃんのお父さん凄い。ランクで言えばAランク❣️副騎士団長は、違いますね╰(*´︶`*)╯♡ でもリア姉は、ロロの言った事まだ根に持っているんですねʅ(◞‿◟)ʃ レオ兄も良い…
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