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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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299ーお見通し

 俺はそんな事は全然知らなかったから、ディさんに教えて貰ったのだ。

 このルルンデの街があるフォーゲル領には森がある。そこには魔獣が生息しているし、ダンジョンもあるから魔物がいる。それを討伐する冒険者が大勢滞在している。

 冒険者達が毎日討伐してくれるから、街まで魔獣や魔物が出て来ない。

 それは俺も知っているのだ。ルルンデの街は冒険者が多いのだと、お墓参りに行った時に感じたもの。実際に森に行って、魔獣を見た事だってある。お墓参りに行く途中でも、魔獣は出てきた。

 それでも、辺境伯領とは比べ物にならないらしい。

 辺境伯領には、ここよりももっと広大な森があるのだそうだ。しかも王都に続いている主要な街道が森の脇を通っている。

 森にはもちろん魔獣が生息している。その森の奥にはダンジョンだってある。

 ずっと魔獣や魔物と戦ってきた辺境伯領というのは、とっても厳しい環境なのだそうだ。

 でも代々の辺境伯が領主隊を組織して、がっちりと守っている事と堅牢な防御壁がある。そして今は前辺境伯兄弟がフットワークも軽く、領内を魔獣討伐に走っているという。

 そんな領地だから辺境伯家は皆強い。前辺境伯なんて『剣聖』とまで言われていた人らしい。


「確か父が師と仰いだ方です」

「おや、そうなの?」

「はい、今の辺境伯様と父は師弟兄弟だと聞きました」

「そうよ、私が持っている剣を頂いたと聞いています」

「ああ、あの爺さんならやっていそうだ。アハハハ」


 そんなに凄い人なのか。でもそこで父様と母様は出会ったのだよな?


「でぃしゃん、へん……へんきょ……」

「辺境伯領かな?」

「しょう、しょれ。こわいところ?」

「そんな事ないよ。この国の西端になるんだけどね、ここより気候が穏やかで良い領地だよ。広大な麦畑があるんだ」

「へえー。みてまわれる?」

「うん、きっと喜んで案内してくれるよ」

「しょっか」


 なら、楽しみなのだ。魔獣や魔物が出るから、気軽にお外に出られないのかと思ったのだ。


「そうだ、兄上の子がロロと同い歳だ」

「ておしゃん、しょうなの?」

「ああ、きっと仲良くなれるさ」

「うん、たのしみなのら」


 この辺りには同じ年ごろのちびっ子っていないからな。まあ、俺は中身は成人しているからそれは別に良いんだけど。でも、同年代のちびっ子と遊ぶのも楽しい。

 手先が器用だったり、根気よく何かをしたりする事は好きだ。これは前世からそうだ。

 そんなところもあるのだけど、どうも今の年齢に引っ張られている。

 ちびっ子と単純な遊びをするのも楽しいのだ。


「ああ、ロロ。もう限界じゃないか?」

「れおにい、もっとおはなしをききたいのら」


 とは言うものの、俺はお腹が一杯になって眠気が襲って来た。瞼が重くて仕方がない。


「ロロ、また明日ね」

「うん、でぃしゃん」


 レオ兄に抱っこしてもらって、手をフリフリする。


「おやしゅみなしゃい」

「おやすみ」

「ロロ、また明日な」


 賑やかになったのだ。これはテオさんとジルさんが帰っちゃったら寂しいだろうな。と思いながら俺は眠った。



 ◇◇◇



「お久しぶりぶりなのですぅーッ!」


 いつもの様に両手を広げて登場の女神様だ。また、お久しぶりぶりなんて言っている。

 俺に抱きついてこようとするから、これまたいつもの様にヒョイッと避けておいた。

 すると、またまたいつもの様に綺麗なお顔からスライディングだ。


「あぶぶぶぶぅーッ!」


 ほら、一面に咲いているお花の花弁が散っているじゃないか。お花が可哀そうだ。

 女神はというとダメージはないらしく、すっくと立ち上がってこっちへやってくる。

 ピカピカの長い髪に花弁が付いているぞ。ああ、またお鼻の頭が赤くなっている。今日は額も赤いぞ。


「行くのですね」

「うん、しょうなのら」

「あのエルフが送ってくれるのなら安心です」

「しょうなのら。たのしみなのら」

「お祖父様とお祖母様が待ってますよ」

「うん」


 なんだ、何もかもお見通しって事だね。まあ、女神なのだから。

 それにしても、今日は何なのだ? また何かあるのか?


「エルフがとっても良い杖を作ってくれましたッ!」

「しょうしょう、しゅぺしゃるなのら」

「本当にスペシャルなのですよ。ユニコーンの角にフェニックスの羽根なんて、普通は手に入りません」

「しょうなの? けろでぃしゃんが、ふちゅうにとんれるっていってたのら」

「普通には飛んでませんね。エルフの国は特別なので、時々飛んでいますが」

「えー、もうもらっちゃった。ろうしよう」

「貰っておけば良いのです。あのエルフの気持ちなのです」

「うん、しょうしゅる。らいじにしゅるのら」

「はい、良い子ですね」


 そうして落ち着いて普通に喋っていれば良いのだ。


「ロロが刺繍したスカーフも見事なのです! 私のコレにもしてほしいのです」


 と、言って腕に掛けている羽衣の様な薄いものを手にする。

 どうやってするんだよ。まさか女神様に頼まれたなんて言えないだろう? それにさ。


「しょれはきれいらから、しょのままれいいのら」

「ギャンかわ!」


 また変な事を言いながら仰け反っている。どこでそんな言葉を覚えてきたのだ?

 それは止める方が良いぞ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロの校正もあと少しです!その後はSS!

発売記念のSSも書きたい。

何かご希望があれば教えて下さい!^^;

感想や誤字報告を有難うございます!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 辺境伯領は、何処でも大変ですよね。広い森が有るから討伐も大変。辺境伯領の人達が強いのも納得です。٩(^‿^)۶ テオさんそこで暫く鍛えてもらいましょう。それが良い。(о´∀`о) [一…
[一言] いつも「辺境伯領」って言えないロロくんが可愛い♡
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