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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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279ー魔法杖を作るよ

「ほらロロ、それにピコピコハンマーだ」

「あれは、おとがね~」

「いいじゃない、可愛くて」

「らって、ちょっとおまぬけなのら」

「そんな事ないよ~」


 そうだろうか? ウルフ討伐の時に思ったのだ。あんなに緊迫した雰囲気の中で、あの音はないだろうと。


「でぃしゃん、ぶらっくうるふのとき」

「うん、ああそうか。ロロも戦ったんだったね」

「しょうしょう。ららちゃんをまもったのら」


 偉かったねーとディさんが褒めてくれた。ふふふん。


「え、え、ええ!? ちょっと待ってください。ブラックウルフって、あの話に聞いたお祭りの夜に出た群れですか?」

「テオ、そうなんだよ。ロロもやっつけたんだよねー」


 ねー、とディさんとお顔を見合わせる。

 俺のピコピコハンマーが炸裂したのだよ。ニコ兄もやっつけたし、もちろんリア姉とレオ兄も戦っていた。


「くーちゃんのしーるろがあって、よかったのら」

「本当だねー」


 またまた、ねーっと俺とディさん。息がバッチリ合っている。


「ええ!? ええぇッ!? シールド!? クーちゃんてあの亀さんの!?」

「しょうなのら。くーちゃんはしーるろが、れきるのら」


 テオさんとジルさんがずっと驚いている。慣れてね。俺達はこんな感じなのだよ。


「昨日一通り驚いたと思っていたんだけど」

「テオ様、本当ですね」


 ジルさんがクーちゃんを見に行った。お昼寝しているけど。クーちゃんはいつも寝ている。


「それでね、ロロの魔法杖なんだけど」

「ちょ、ちょっとディさん。ロロに魔法杖ですか?」

「そうだよ。ロロは魔法杖を使う方が、魔法が使い易いだろうと思ってさ」

「ロロはまだちびっ子ですよ」

「うん、だから短いのにしようと思って」


 いやいや、そうじゃないとテオさんが首を横に振っている。

 ディさん、長さの問題ではないらしいのだ。

 そんな事はお構いなしに、ディさんがいつものマジックバッグから長い物を取り出した。


「これにしようかと思ってさ」


 丸い短い木の枝と、なにかの角なのかな?


「でぃしゃん、なんなのら?」

「こっちの木の枝が世界樹の枝で、こっちがユニコーンの角だ」

「「ええーッ!!」」


 テオさんとジルさんの声が重なった。息ぴったりなのだ。

 仲良しなのだね。いつも一緒だし。


「ロロ、ジルは俺の従者だ。だから一緒なんだ」

「ふうーん」


 よく分からないけど。


「そこじゃない! ディさん! 世界樹って! ユニコーンって!」

「ユニコーンが本当に存在するのですか!?」


 ジルさんも前のめりになって聞いている。そんなに珍しい事なのかと、俺はちょっぴり引いて見ていたのだ。

 ディさんが色々教えてくれた。

 世界樹というのは、この世界の創世期からあるとってもとっても大きな樹で、この世界の瘴気を浄化していると伝えられている。その世界樹を中心に、エルフの国があるのだそうだ。


「本当にエルフ族の国に世界樹があるんだ……」

「伝説だと思われていますよね」

「そう? あるよ、とっても大きな樹がね。天に届くかという程大きな樹だ」

「ひょぉーッ!? おおきいのら!」

「ふふふ、大きいだけじゃないんだよ」


 世界樹の枝で作られた魔法の杖は、浄化能力が強い。その上、魔力を通し易くてとっても丈夫なのだそうだ。


「ウルフ位なら、パコーンと殴ってもなんともないよ」

「ひょぉーッ! しゅごいのら!」


 それともう一つ、ユニコーンの角。ユニコーンの角も浄化能力が高くて、状態異常を回復させると言われている。そして丈夫だ。

 大抵の魔物は突き刺して倒す事ができるらしい。

 俺はそんな事しないけど。魔物と戦うのはもう良いのだ。


「ディさん、ユニコーンも伝説ですよ」

「そうだろうね、ユニコーンはエルフにしか姿を見せないから」


 ちょっと俺は気付いてしまったのだ。

 とんでもなく特別な杖になってしまうのではないかと。ディさん、やり過ぎじゃないか?


「でぃしゃん、ふちゅうれいいのら」

「え? どうして? どうせ作るんだよ、良い物にしなきゃ!」


 お、おう。良すぎると俺は思うのだ。

 世界樹もユニコーンも伝説らしい。そんな凄い物を俺が貰っても良いのか? まだちびっ子だぞ。エルフじゃないのだぞ。


「ロロは僕の大事なお友達だからね」


 と、いいながらバシコーンとウインクをした。

 うん、何度見ても綺麗なのだ。破壊力が半端ない。目がチカチカするのだ。


「アハ、アハハハ! ロロ、凄いな!」

「ええー、ておしゃん、いいのかな?」

「あらあら、ロロ坊ちゃま、折角ディさんが作って下さるのですから」


 いかん、こんな時のマリーはとっても大胆なのだ。いや、豪胆というのか?


「そうですよ、ロロ君。一生モノです。大事に使うと良いのですよ」

「うん、じるしゃん。でぃしゃん、ありがと」

「うんッ!」


 弾ける様なとっても良い笑顔で、お返事をしてくれたディさん。

 一生モノだって。大事にしよう。

 ディさんの説明だと、その世界樹の枝を手で持つ部分に使い、そこにユニコーンの角を付ける。


「そして、芯にはフェニックスの羽根だ」

「「えええぇーッ!!」」


 ディさんが真っ赤なピカピカと光る羽根を出した。

 ほうほう、フェニックス。って、あのフェニックスなのかな? 不死鳥と言われる鳥さん?

 死んでも蘇ることで、永遠の時を生きるといわれる伝説上の鳥さんと言われている。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告を有難うございます。

暫くの間、お返事できないかも知れません。ですが、全部読ませて頂いてます。

皆様の感想は本当に励みになります。

いつも有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


久しぶりのハルちゃんで。^^;

改稿していると、ハルちゃんを書きたくなるのは何故に!?

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ロロくんの可愛くて規格外の強さにいつも驚きと癒しを与えてもらたわています。今度の素晴らしい杖で何を見せてくれるか楽しみにしています。 お兄さんたちも其々素敵です。頑張れ四兄弟,応援してます。…
[良い点] ディさん、やり過ぎじゃないですか❓まあ大好きなロロの為ですものね。 世界樹の枝にユニーコンの角にフェニックスの羽根これって何となくピコピコハンマーを連想するのですが?これてわたしだけ❓・:…
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