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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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274ードルフ爺は博士?

 しまった、余計な事を言わなければ良かった。

 思わずクッキーを取る手が止まったのだ。


「ちゃんと生活できているから、ロロだってそう思うのだろう。ロロ、楽しいか?」

「うん、たのしいのら」

「そうか。でも僕達もロロ達の事を心配しているんだ。だから何かあったら遠慮せず頼ってほしい」

「ありがとなのら」

「アハハハ、可愛いな。ロロはご両親のどっち似なんだろう?」

「ロロは髪色や瞳も両親の両方の色を継いでいます。どっちにも似ていますよ」

「ロロは可愛いもの」


 だから、リア姉。それは良いのだ。横に置いておいてほしい。恥ずかしくなるじゃないか。

 そういうのを世間ではブラコンというのだ。


「さあさあ、今日はご飯を食べていってくださいな」


 出た、マリーの必殺技の上級なのだ。普通なら「お茶どうぞ~」だ。次がオヤツ付き、その次が食事だ。最上級はお泊りだ。今日はそれが出そうな勢いなのだ。


「僕がサラダを作るよ!」


 はいはい、ディさんはいつでもどんな時でもサラダだ。お野菜大好きなのだから仕方ない。

 でも、あまり大きくなくて良いのだけど。どんどんサラダの量が、増えている気がするのだ。

 俺なんてサラダだけで、お腹が一杯になっちゃうぞ。


「ロロ、もうクッキーはやめておけ」

「え、にこにい。たべたいのら」

「お腹が一杯になったら夕ご飯食べられないぞ」

「わかったのら」


 椅子から降ろしてもらって、お片付けをする。


「まりー、てちゅだう?」

「あらあら、大丈夫ですよ」

「しょう?」


 ならコッコちゃん達を見て来よう。リーダーが気になるし。


「コケッコ」

「クックック」

「コケ」

「ピヨ」


 お、帰って来たのだ。ニコ兄を探しているのかな?

 ちゃんと黒いリーダーも一緒にいる。仲良くしているみたいで良かったのだ。


「コケ」

「しょう?」

「クック」

「うん、しょうして」

「コッコ」

「きょうらいらからね」


 リーダーの事を、お利口アルね。なかなかできるアルね。良い子アルね。と口々に報告してくる。

 そうだよ、兄弟なのだから仲良くしてね。


「ロロは、もしかしてフォリコッコの言う事が分かるのか?」

「うん、ておしゃん。ボクはていまーらから」


 ふふふん、ちょっぴり自慢気にお胸を張って見よう。両手は腰なのだ。


「ええ? テイマーだとそうなのか?」

「しょうなのら。みんなしぇいれちゅして、ごあいしゃちゅなのら。ふぉーちゃん、りーちゃん、こーちゃん、りーだー」

「え、それ名前なのか?」

「しょうなのら」


 コッコちゃん達はちゃんと並んで、コケッとご挨拶している。お利口さんなのだ。


「一羽だけ黒いんだな。少し小さいか?」

「うん、きのうかえったのら」

「え、昨日なのか?」

「しょう、りーだーなのら」

「おー、リーダーか。最後に孵ったのにリーダーなのか?」

「しょうなのら。れおにいとボクのまりょくれ、あたためたのら」

「フォリコッコの卵には魔力が必要なのか。それは凄い発見だ。ロロ、近所を案内してくれないか?」

「うん、いいのら。ぴか」

「わふん」


 俺はちびっ子だからね。ピカさんに乗るのだよ。ヨイショッと。


「慣れているなぁ~」

「いちゅものってるのら」

「ロロ、走ったら駄目よ」

「あーい」


 リア姉はいつもそう言う。そんな無茶な事はしないのだ。俺は大人しいから。

 マリーに、もう直ぐ夕食ですから遠くに行かないでくださいねと言われた。

 テオさんとジルさんと一緒にお外に出ると、ドルフ爺がクーちゃんにお野菜をあげていた。


「おう、ロロ」

「どるふじい」

「あなたがドルフ氏! て、デカッ!」


 うん、クーちゃんの事だね。来た時には気付かなかったのかな? こんなに存在を主張している大きさなのに。


「くーちゃん、かめしゃん」

「お、おう。驚く事ばかりだ」

「アハハハ、クーちゃんはデカイからな」

「どるふじい、ておしゃんとじるしゃん」

「俺達の従兄なんだって」

「ニコ、そうなのか?」

「ドルフ氏の野菜の研究は、我が国でもとても有名ですよ」

「おう?」

「お隣の国から来たんだ」

「隣国って事は、アナトーリア帝国か?」


 ドルフ爺、知っているのだね。やっぱ博識なのだ。農家のお爺さんは仮の姿で、本当は超優秀な博士とか? 凄いのだ。


「どるふじい、はかしぇなのら?」

「ああ? あんだって?」

「ドルフ爺は野菜博士なのか? て、聞いてんだよ」

「何言ってんだ。ただ野菜を育てているだけだぞ」

「いやいや、貴方の研究は学院でも教わりますよ」

「そうなのか? それは知らねーな。ワッハッハッハ」


 どうやら無自覚らしい。ドルフ爺はきっと、美味しくしようと色々考えたのだろう。それが、とっても素晴らしい事だったのだ。


「どるふじい、しゃしゅがなのら」

「ロロ、何言ってんだ。コッコちゃんにも野菜をあげといたぞ」

「ありがと」


 なんだかとってもアッサリと躱された。どうやらドルフ爺は、本当にそんなつもりがなかったらしい。

 そういえばリカバマッシュを育てるのも、あーだこーだと楽しんでやっている。楽しいのが一番なのだ。


「あ……にこにい」

「おう、ロロ」

「え? なんだい? どうした?」

「ククク」


 ジルさんは何故か笑っている。分かっているのかな? もしそうなら、なかなか鋭い観察眼なのだ。視界の隅っこで、動いただけなのだから。


お読みいただき有難うございます!

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宜しくお願いします。


このラノ2025の投票が始まっているそうなのです。

リリ②③とハルちゃんが対象らしいです。

5冊選べるそうなので、是非投票を宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] どんな時でもディさんとマリーは、マイペース❓ 何時ものロロ家の和やかな風景ですね。(ほっこり) でロロの周りの人は無自覚で色んな事を成し遂げている気がします。 [一言] またまた出まし…
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