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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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273ーここがいい

「レオ、何ずっと笑ってるのよ」

「だって姉上、ロロったら自分は関係ないみたいな顔をしているから」

「ふふふ、そうね。可愛いわ」


 リア姉、そこじゃない。可愛いとは誰も言っていない。


「それで、アウレリア、レオナルト」

「あ、私はリアでいいです」

「僕はレオで。この街ではそう名乗っているんです」

「じゃあ、リア、レオ。みんなでうちに来ないか?」


 俺達が知らない、会った事もないお祖父さんやお祖母さんが、心配してくれているとテオさんが言った。


「君達の父上が治めていた領地は今どうなっているんだ? それも考えないといけない。ウォルターは不当なやり方だと言っていた。あんなのは乗っ取りだと怒っていたよ。うちで落ち着いて対処法を考えないか?」

「有難うございます」

「会った事もない僕達の事を、気に掛けて下さっただけで充分嬉しいです」

「そうです。お会いした事もないのに。私達はお母様から何も聞いていなくて」

「そうなのか。婚姻する時に色々大変だったらしい。君達の母上は、皇太子殿下の婚約者候補にとの内々の話も出ていたそうなんだ。それを辞退しての事だったから、もう里帰りできないと覚悟して婚姻されたそうだ」


 母様はそんな気持ちだったのか。

 隣国なのだもの。婚姻するのだって大変だったのだろう。

 この世界は国が違うととても不自由だから。その上、皇太子の婚約者候補なんて、とんでもない事だ。よく家が無事だったのだと思う。


「でも、この街で色々力を貸して下さる方がいるんです」

「そうなのか? て、君達だけで暮らしているのか?」


 そうなのだ。リア姉とレオ兄が毎日クエストを受けて、それで俺達は暮らしている。

 それに領主様やクリスさん、ギルマスもそうだ。ドルフ爺やディさんも俺達を気に掛けてくれる。だから俺達は大丈夫なのだ。


「でも、リア、レオ。君達は退学したんだろう? アナトーリアで学院に入り直さないか? まだまだ学ぶ事はあるだろう?」

「それも、今お願いしている事が片付いてから考えようかと」


 ん? 何なのだろう? レオ兄が話してくれた事なのかな?


「ロロ、あれだろ。家の事だろう」

「にこにい、しょうなの?」

「ほら、ギルマスが貴族だからどうとか言ってた」

「あー、しょうら。じぇんじぇん、きじょくにみえないのら」


 俺達外野の事は、気にしないでほしい。俺達が喋る度に、こっちを見るのは止めてほしいのだ。


「何かしようとしているのか?」

「はい。実は」


 レオ兄が話した。やっぱりあの事だった。調査の申立てをしている事だ。

 えっと、王弟殿下のウィルさんも力を貸してくれると言っていた。

 そういえばあの令嬢、孫娘だっけ。なんて名前だったっけ?


「えっとぉ」

「ロロ、何だ?」

「あのれいじょう、なんらっけ? おなまえ」

「令嬢?」

「しょう、にこにいが、たしゅけたれいじょう」

「ああ、リュシエンヌか?」

「しょうしょう」


 翌日やって来た時には別人みたいに大人しくなっていたけど、どうだろうなぁ。


「まあ、レベッカよりずっとマシだぞ」

「しょう?」

「ああ。まだ素直だ」

「へえー」

「アハハハ!」


 俺とニコ兄が話していると、またレオ兄が笑っていた。


「マリー、君はどう思うんだ?」


 この家で唯一の大人だもの。マリーの意見は大事なのだろう。


「私は、リア嬢ちゃまとレオ坊ちゃまに復学して頂きたいと思っています。でもその前に家の事をはっきりさせたいと、思っておられる気持ちも理解できます。坊ちゃま達は大丈夫ですよ。しっかりやっておられます」

「そうかい?」

「はい」


 マリーのお墨付きだ。でもマリーがいてくれたから、俺達はこうして生活できている。マリーはとっても大切なのだ。


「しかし、この子達はまだ子供だ」

「大丈夫だよ。僕も付いている」

「ディさん」


 なんだかよく分からないけど。


「れも、とおくにいくのは、いやなのら」

「ロロ」

「らってにこにい、どるふじいやしぇるまばあしゃんと、はなれるのはしゃみしいのら」

「お隣なんです。さっき一緒にいたのがドルフ爺で、その奥さんがセルマ婆さんです」

「そのドルフ爺って、もしかしてあの野菜博士と言われているドルフ氏か?」


 ええ!? ドルフ爺って隣国でまで有名なのか? 野菜博士なのか? やっぱり博士だった。そうじゃないかと思ったのだ。うんうん。


「そのドルフ氏だよ。この街ではドルフ爺と呼ばれているんだ」

「ディさん、どうなっているのですか? この兄弟は一体!?」

「アハハハ、そう思うよね。偶々なんだ。みんなこの四兄弟が可愛いんだ」


 俺達は偶々ドルフ爺のお隣に引っ越してきて、偶々仲良くなって、偶々色んな人達と出会った。

 悲しい事や辛い事も沢山あったけど。でも俺は……


「ボクはここがしゅきなのら」

「ロロ、黙っていよう」

「らって、にこにい」


 ニコ兄が真剣なお顔をしていた。だから、俺も黙ったのだ。

 ここが良いと、みんな一緒が良いと思うのは俺の我儘なのだ。


「とにかく、今お願いしている事がハッキリするまではこのままです」

「レオ、そうなのか?」

「はい。領主様や色んな方にお世話になっているんです。その結論を知るまでは」

「そうか、分かった。だがいつでもうちを頼ってほしい」

「テオ様、良いのですか?」

「良いも何も、ロロがああ言っているんだ」


 え、俺なのか?


お読みいただき有難うございます!

えっと世間ではこのラノ?でしたっけ?^^;

なんだか投票をしているらしいのです。

リリの②③、ハルちゃんが対象になるらしいです。

ぼちぼちXでも宣伝させて頂きますが、こちらでも是非宜しくお願いします!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロロ君の意見を尊重 [気になる点] ウォルターさんの復活と帰還がいつかなあ? [一言] 面白いです
[良い点] ロロにしたらドルフ爺やセルマ婆、ギルドマスター1番はディさんが居るルルンデが良いですね。知らない隣りの国に行くのは嫌ですよね( ˊ̱˂˃ˋ̱ ) 分かります。 でもテオさんも良い人ですね。…
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