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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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269ー見えるのら

 リーダーってお名前だけど、そうならなくても仲良くして欲しいのだ。

 

「ピヨピヨ」

「うん、しょうして」


 仲良くするアルね。と、言っていた。そうそう、兄弟だからね。

 俺達と同じ四兄弟なのだ。え、なら一番末っ子の黒い子は俺か? いやいや、どう考えてもレオ兄の立ち位置なのだ。


「ロロ、難しいお顔をしてどうしたの?」


 ディさんだ。籠いっぱいにお野菜を入れて戻ってきた。麦わら帽子も被っている。

 難しいお顔ではないのだ。真剣に刺繍をしているのだよ。

 ディさんこそ、お野菜の収穫はもうおしまいなのか?


「そろそろ雨が来るからね」


 まだこの時期は午前中に一度雨が降る。細い糸の様な雨が、ザァーッと降る。その後は緑が濃くなる。地面の匂いが強くなって、葉っぱがキラキラして生き生きとするのだ。必要な雨なのだろう。

 雨は直ぐに止んで、その後はカラッと晴れる。


「でもお洗濯が干せなくて」


 と、マリーは言っている。

 雨が降っている間はディさんも戻ってきて、マリーと3人でティータイムなのだ。俺はジュースだけど。


「でぃしゃん、あたらしいひななのら」

「うん、黒い子がどうしたの?」

「しょう。ボクは、あおいこがかえると、おもっていたのら」

「そうなの? 青い子? どうして?」

「らって、れおにいがまりょくを、ながしていたからなのら」

「レオだと青色なの?」

「しょうなのら」


 と、何気なくそんな話をした。そしたらディさんが真剣な顔をして聞いてきたのだ。


「ねえ、ロロ。ならリアは何色かな?」

「りあねえは、あか」

「じゃあ、ニコは?」

「きいろ」

「なら、ロロは?」

「ボクは、みろり()なのら」


 と言うと、驚いた顔をしていた。どうしたのかな?


「ロロ、もしかして色が見えるのかな?」

「いろが? え?」

「どうしてレオは青色なの?」

「らってれおにいが、まほうをちゅかうときに、あおいろにひかるのら」

「ロロ! 凄いや! 魔法を発動する時の色が見えるなんて、精霊眼を持つ僕くらいなんだよ。普通は見えないんだ」


 そうなのか? と、抱きしめられちゃった。ディさんはいつも森の様な爽やかな香りがする。髪もサラッサラだ。


「ね、僕は何色に見えるの?」

「でぃしゃんは、あかるいえめらるろぐりーん(エメラルドグリーン)。ぴっかぴかなのら。いちばんきれいなのら」

「そう! ありがとう! ああそうか、だから黒い子だけ目が青緑色なんだね」


 と、ディさんが何気なく言った。なんですと? そこにも色が関係してくるのか?


「え?」

「ん?」


 あれれ? フォーちゃん達は何色だったっけ? そんなの意識して見ていなかったのだ。


「ロロはもしかして気付いていなかったのかな?」

「うん、じぇんじぇんなのら」

「そうなの? じゃあ僕が教えてあげよう」


 ディさんはちゃんと観察していたのだ。親コッコちゃん達はみんなオレンジ色の目をしている。それがコッコちゃん達の普通の目の色で足もオレンジ色だ。

 俺が魔力を与えながら温めたフォーちゃん達は緑色の目をしている。足は淡いオレンジ色。生まれて直ぐの時は、リーダーと同じ淡いピンク色だったらしい。


「きっとロロの魔力が影響したんだろうね」


 レオ兄と俺が一緒に温めた黒い子は、二人の色が混じって青緑色の目になった。


「凄いや、コッコちゃん達の新しい発見だ」


 もしかして親コッコちゃん達が、直ぐに成功だと分かっていたのは目の色を見ていたからかな?

 フォーちゃん達は孵った頃より大きくなって、倍位の大きさになっている。鶏冠もほんの少し生えてきた。まだ大きくなるだろう。

 その中に一羽だけ真っ黒で小さな雛がいる。ピヨヨと鳴きながらフォーちゃん達に付いて行く。可愛いのだ。


 お昼寝をしてリーダーもすっかり馴染んだ頃、そろそろリア姉とレオ兄が戻ってくるかな? と思ってお外に出ていた。

 こんな時はあれだ。狙ったかの様に、俺の視界の隅でモゾモゾと動くヤツがいる。

 もうお馴染み、マンドラゴラだ。


「ぴか、またらね」

「わふん」


 ピカさんももう楽しんでいる。俺は家の中にピコピコハンマーを取りに戻る。そして池までダッシュなのだ。と、言ってもテッテケテーと可愛らしい走りなのだけど。


「ぴか、やっちゅけるのら」

「わふ」


 池の(はた)に『ふぅ~ここは良い土だ』と、でも思っているのか。マンドラゴラがいる。

 俺は手に持ったピコピコハンマーを、大きく振りかぶって思い切り叩きつける。


「とぉッ!」


 ――キュポン!


「わふん!」

「しょっちも!? たぁ!」


 ――キュポポン!


「ぴか、いくのら!」

「わふん」


 ピカに乗って、畑を走る。風を感じて颯爽と走るのだ。ちょっぴりかっちょよくないか?

 俺はピコピコハンマーを掲げる。自慢気だろう? だって自慢の一品なのだ。

 そして大きな声で呼ぶのだ。


「どーるーふーじいー!」

「おうッ!」


 直ぐに顔を出してくれる。きっとピコピコハンマーの音で分かっているのだ。


「アハハハ! ロロ、またかよ!」

「にこにい! またなのら!」

「よし! 行くぞ!」

「おおー!」


 ニコ兄もピカに乗ってきた。二人してピカに乗って爆走なのだ。

 ニコ兄ったら凄いのだ。手綱を持たなくても上手くバランスをとってピカに乗っている。走っているピカにだ。俺は手綱を持っていないとグラグラして駄目なのだ。

 池の端に戻ると、知らない人がいた。


「あれれ?」

「え? だれだ?」

「見た事ない人だな」


 ドルフ爺も知らないらしい。

 でも、こっちを見ているぞ。


お読みいただき有難うございます!

今更ですが本日『ボクは光の国の転生皇子さま!④』発売です!

皆様が手に取って下さる事が続刊に繋がります。宜しくお願いします!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


リリのママは若くて綺麗^^;

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[良い点] ロロ、魔力の色が見えるの凄い・:*+.\(( °ω° ))/.:+ そしてまたまた出ましたマンドラゴラ、ピコピコハンマーの出番です。美味しい土に誘われて畑に来るなんて食通ですなぁ。 その光…
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