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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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264ー良かったなのです~

「無事で良かったなのですですぅ~ッ!」


 と、言いながらピカピカの髪を靡かせて両手を広げて抱きついてくる。ですですぅ〜ッて何だよ。

 見た目はとっても美人さんなのに、いつもの残念な女神様なのだ。当然俺はヒョイと避ける。


「あばばばばーッ!」


 と、またお顔からスライディングだ。もう何度目なのだ?

 ほら、花びらが舞っているじゃないか。一面に綺麗に咲いているお花が、可哀そうなのだ。あらあら、お鼻の頭が赤くなっているぞ。


「心配したのです」

「うん、きょうかいれおしえてくれたのら」

「そうなのです! だってロロは忘れているからなのです!」

「うん、ありがと」


 それでも忘れていたけど。でも、なんとかなったのだ。


「まだ油断は禁物なのですよ!」

「え? まらなにかあるの?」

「ああー! これ以上は言えないのですぅー!」


 と、両手を出してダメダメと振っている。足は内股で腰が引けているのは何故だ?

 女神は干渉できないと話していた。それでも教えてくれようとしているのだろう。

 今度はちゃんと覚えておこう。


「本当に無事で良かったのです。一時はどうなる事かと思いました! ピコピコハンマー、大活躍でしたねッ!」

「しょうなのら」


 ふふふ、作っておいて良かった。俺の自慢のピコピコハンマーだ。効果音は要改良なのだ。


「クーちゃんも良いお仕事をしてくれました! ドルフ爺さんは凄い勘の持ち主です!」

「え、しょこなの?」

「はい! なんとなく連れて行かないとと思ったのです」

「しゅごいねー」


 と、俺がニッコリすると、女神が悶えていた。

 顔を両手で覆って、ぎゃんかわッ! 尊いぃッ! なんて意味不明な事を言っている。

 この女神は見た目とやる事にギャップがあり過ぎるのだ。


「後はあのエルフが、早く魔法杖を作ってくれると安心なのです」

「あー、でぃしゃん。ちゅくってくれるのら」

「はい、楽しみです! ちゃんと使い方も教わってください!」

「うん、わかったのら」

「気を付けるのですよーぅ……よーぅ……よーぅ」


 と、またエコーをかけて消えて行った。なんだかいつも締まらないのだ。

 そして俺は目が覚めちゃった。


「わふん」

「ん……ぴか、またらね」

「わふ」


 いつもいつも中途半端でごめん、なんてピカが謝っている。そんな事ないのだ。ピカさんも苦労性なのだ。

 女神はあれでも考えてくれているのだろう。それはとても有難い事なのだ。


「わふ」

「ふふふ、ぴか」


 俺はピカの首筋に抱きついた。フワモフの毛にお顔を(うず)める。おひさまの匂いのするピカさん。俺が安心する匂いなのだ。


「ぴか、ありがとなのら」

「わふ」


 いつも俺の側にいてくれた。昨日も今日もララちゃんを一緒に乗せてくれた。

 ララちゃんは喜んでいたのだ。ふふふ、ララちゃん可愛かったなぁ。


「わふん」

「しょう?」

「わふ」


 ふふふ、ピカもララちゃんが好きだと言っている。

 可愛いものね。小さくてフワフワしていて、お花みたいに笑うララちゃん。また会えると良いなぁ。


「ロロ、起きた?」

「うん、れおにい」


 レオ兄が部屋にひょっこりとお顔を出した。


「マリーがオヤツを作ってくれたよ。食べよう」

「うん」


 ピカさん、オヤツだって。


「キュルン」

「ちろもたべよう」

「キュル」


 あれれ? 一緒にベッドにいたチロを見て気付いた。チロったら大きくなったかな?

 もう俺のお出掛け用ポシェットだと苦しいかも知れないのだ。


「キュルン」

「しょうなのら」

「キュル」


 丸くなって入るから大丈夫らしい。そうなんだ。

 チロと話していたら、レオ兄が入って来た。


「チロが急に大きくなったね」

「しょうなのら。おおきくなってるのら」

「キュルン」

「アハハハ、そうなの? ありがとう」


 おおー、チロとレオ兄が話しているのだ。何かあったら回復するよと、チロが話していた。


「ロロの周りは凄いなぁ~」


 と、話しながら俺をヒョイと抱っこして階段を下りて行く。


「れおにい、しゅごい?」

「うん、凄いよ。ディさんもそうだろう? ピカやチロだって凄いよ」

「ふふふ」

「ん? どうしたの?」

「みんな、らいしゅきなのら」

「そうだね~」


 階段の途中から、もう香ばしい良い匂いがしたのだ。


「ロロ坊ちゃま、起きましたか?」

「うん、まりー」

「さあさあ、今日はチーズケーキにしましたよ」

「おいししょうら」


 マリー印のチーズケーキ。ハンナやニルス達にも好評だった。

 底にレーズンを入れてあるのがポイントだ。俺もとっても大好きなのだ。


「ロロ、ほら」

「にこにい、ありがと」


 隣りに座っているニコ兄が俺にフォークをくれた。

 オヤツにみんなが揃っているなんて、とっても珍しい。いつもはみんないないから、今日は嬉しいのだ。

 取り敢えず、俺は果実水を飲む。お昼寝の後はお喉が渇くのだ。コクコクコクと飲んでからチーズケーキにフォークを入れる。フワッフワでまだ温かい。


「ぴか、もうたべてるのら」

「わふ」

「キュルン」


 あ、チロも食べていた。俺の足元でピカとチロがもうチーズケーキを頬張っていた。

 ピカは身体が大きいから食べる量も多い。おっきくカットしたチーズケーキに、ワフワフと言いながら齧り付いている。

 尻尾が大きく揺れているのは、ピカも好きなんだね。


「コッコッコ」

「クックック」


 おや、親コッコちゃん達が入ってきたのだ。


お読みいただき有難うございます!

お久しぶりの女神様でした。相変わらずです^^;

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


リリ④の書影です。帯にある『おとうさんといっしょ』編集さんが考えて下さったらしいです。

目に付きますよね〜

⑤やロロはイラストまだまだなのですよ。^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ララちゃんは、帰ってしまたけど。久しぶりに四兄弟が揃っておやつタイムそれもマリーのチーズケーキ〜  久しぶりの女神様は相変わらずですね(๑>◡<๑)でも心優しい女神様。干渉出来なくても気遣…
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