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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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247ールルウィン祭 夜の部 1

 防御壁の外だから、魔獣が出るかも知れないという事なのだろう。防御壁の内側には魔獣はいない。そんなに危険な獣だっていない。

 防御壁の外は、お墓参りの時も道中魔獣が出てきた。


「ロロは分かってないね?」

「れおにい、わかってるのら。ボクもぶき、もっていくのら」

「ぶふふッ」


 あ、笑ったね。笑いたい気持ちは分かるけど。


「ロロの武器って、アレ?」

「リア姉、ぴこぴこはんまー」

「おう、俺も持って行くぞ」


 そうなのだ。俺達だって武器があったら戦うのだ。

 ララちゃんは意味が分からず、心配そうな目をして見ている。

 

「ろろ、あぶないのよ」

「らいじょぶなのら。ぴかもいるのら」

「わふん」

「キュルン」


 あ、お久しぶりに登場のチロさんだ。ピカと一緒にお肉を貰って食べている。

 まだまだ、よく寝るのだけど。ほんの少し大きくなったのだ。


「しかしなぁ、その小さな蛇が神獣だとはな」


 最初にチロを見た時の、クリスさんの反応が面白かった。


「はふぇッ!?」


 と、変な声を出して、お目々をまん丸にしていたのだ。

 チロは小さいけど、回復できるからね。怪我しないようにもしてくれるし。

 でも、それは秘密なのだ。


「くりしゅしゃん、ひみちゅなのら」

「なんだ、ロロ」

「チロがかいふくれきるのは、ひみちゅなのら」

「ロロ、言ってるじゃない! アハハハ!」


 ディさんに爆笑されてしまった。


「あ、ひみちゅなのら」

「プハハハ! 秘密が多いなー!」


 クリスさんまで笑っている。もう慣れたのかな? 驚かなくなったのだ。

 プチゴーレム達はお留守番して家を守っていると言っていた。

 フォーちゃん達は行く気満々だった。

 後は、クーちゃん。お庭でお野菜を貰って、小亀さん達と一緒に食べている。

 リア姉とレオ兄も強い。多少の事は大丈夫なのだ。


 夕ご飯を食べて、それからみんなで川へと向かった。

 夕焼けだったお空は、俺達がご飯を食べている間にもうすっかり夜の色になっていた。

 お外は夜の匂いがする。緑の匂いに、少しお花の香りが混じっている。

 こんな時間にお外に出る事がないから、まだまだワクワクが続くのだ。

 リア姉とレオ兄と手を繋いで歩く。


「ふわぁ~」

「ロロ、眠くなっちゃったかしら?」

「りあねえ、らいじょぶなのら」

「いつでも抱っこしてあげるわよ」


 ふふふ。リア姉の抱っこには漏れなくほっぺにスリスリと、お腹をモミモミが付いてくるからなぁ。


「ロロ、ララ、川で何をするのか知っているかな?」


 前を歩くディさんが振り向きながら聞いてきた。


「おはなをながしゅのら」

「はっぱで、おふねをちゅくるのよ」

「そうだね、葉っぱで作ったお舟に花と小さな魔石を乗せて流すんだ。覚えているかな?」


 と、ディさんが話してくれた。

 前もディさんが教えてくれた。邪神との戦いで沢山の命が失われた。その鎮魂の意味と、これ以上は入ってこないようにと結界の意味もあるのだと。


「忘れてはいけないよ。みんなが笑って暮らせるのも、その時に戦い守った人達がいたからだ」

「うん、でぃしゃん」

「わしゅれないのよ」

「二人共、良い子だ」


 家から少し歩くと、お墓参りの時にも通った防御壁に着く。いつもなら身分証明を見せないと通れないのだけど、今日はみんなスルーだ。

 防御壁の門のところには衛兵さんが立っている。だけど、お気をつけて~とか言っているだけなのだ。

 でも、俺達が通る時にビックリしたお顔をされた。何故なら。


「ピヨピヨ」

「クック」

「ピヨヨ」


 そうなのだ。フォーちゃん達がトコトコと付いて来ているからなのだ。


「レオ! リア! それ、それッ!」


 と、衛兵さんがリア姉とレオ兄に大きな声で聞いていた。


「アハハハ、気にしないでください」

「ふふふふ」

「いやいや、普通気にするだろう!」

「大丈夫ですよ。うちのペットみたいなものです」

「ペ、ペ、ペットってか!?」


 フォーちゃん達で驚いていては駄目なのだよ。

 まだまだ上手(うわて)がいるのだ。

 俺達の直ぐ後ろを、ガラガラと荷台を引いているドルフ爺。真打(しんう)ちの登場なのだ。


「ド、ド、ドルフ爺!」

「おう、すまんな」


 ほら、びっくりしている。

 その一連を見ていた、クリスさんとディさんはお腹を抱えて笑っている。

 フィーネ達まで大爆笑なのだ。でもドルフ爺の優しさなのだよ。


「もう、ロロ達は最高だよ!」

「いや、とんでもないぞ!」


 俺ではないのだ。ドルフ爺なのだ。


「ドルフ爺! 何乗せてんだよ!」

「ああー? 亀だよ。見て分かんねーか?」

「そういう事じゃなくてだな!」

「大人しいから大丈夫だ。川で泳がせてやりてーんだ」

「おいおいおいおい!」


 ふふふふ。ほら、流石ドルフ爺なのだ。とっても面白い。


「かめしゃん、おとなしいの?」

「しょうらよ。くーちゃんなのら」

「くーちゃん!」

「しょうなのら。おはなしれきるのら」

「ええッ!? そうなのか!?」

「アハハハ! ロロ、ほらまた秘密だよ」

「あ、ひみちゅなのら」


 全然秘密になっていない。

 ディさんが笑い過ぎて、涙を拭いていたりする。そんなに面白いかな?

 クリスさんは驚いているぞ。


「あの亀さんは聖獣なんだよ」

「ディさん、せ、聖獣って!? 森に聖獣はいないはずだ。もしかして進化したのですか!?」

「そうなんだよ。ロロがテイムした時に、進化しちゃって。アハハハ!」


 ずっと笑っているのだ。ディさん、秘密なのだよ。


お読みいただき有難うございます!

さて、お祭りの夜の部が始まります。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日はリリのお話をしていたので、リリを。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] やはり秘密が秘密で無くなっていますよ。町の皆さんも驚き((((;゜Д゜)))))))ますよね。次から次へとビック箱みたいに飛び出してくるのですから。皆さん慣れましょう。ロロとドルフ爺ですか…
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