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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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245ールルウィン祭 9

 クリスさんに教えてあげよう。あれはね。


「まんどらごらなのら」

「ええッ!? マンドラゴラ!?」

「しょうなのら。しちゅこいのら」


 そんな、マンドラゴラって魔物だぞ! なんて、呟きながら驚いている。だって本当なのだ。

 ほら、ドルフ爺が引っこ抜いているぞ。

 そして、持っていた鉈でブスッとぶっ刺した。今日は食べる気らしい。


「えぇーッ! マジかよ! おい、フィーネ! マティ! 知っていたのか!?」

「知らないわよ!」

「いつの間にマンドラゴラなんて!」


 そうそう、最近なのだよ。直ぐに増えちゃうから困るのだ。


「この辺りの人は処理方法を知っていて、もう食料ですよ」

「えぇ!? 魔物だぞ!」

「はいはい。美味しいですよ」

「マリーまで!」


 アハハハ。なんだか楽しいのだ。

 なんだったら今日マンドラゴラも食べていくと良いのだ。沢山いるからね。毎日どこからか出てくるから。


「アハハハ! ここは凄いなー!」


 マンドラゴラなんて、食べた事がないらしい。でも、俺達だって、クーちゃんが来るまで見た事もなかったのだ。

 それが今では、毎日バシコーン! だ。それもまた楽しいのだけど。

 いつもみたいに、大きな声で呼んでみよう。


「どるふじぃー!」

「おう、楽しかったか?」


 片手にマンドラゴラを持って笑っている。

 本当、全然魔物扱いじゃない。お野菜だ。


「マリー、食べるか?」

「はいはい、良いですか?」

「おう、さっきも一匹倒したんだ」


 ん? 『匹』で良いのか? 魔物だから『頭』ではないのか? なんでも良いけども。


「キャンキャン」

「アンアン」


 ああ、出てきてしまった。うん、これは仕方がない。

 5色のお帽子を被ったプチゴーレム達だ。ドルフ爺と一緒にお迎えしてくれた。


「な、な、なんだぁッ!?」

「えぇッ!?」

「どうして動いているんですか!?」


 ふふふ、教えてあげよう。


「ぷちごーれむ。ボクがちゅくったのら」

「え? ロロが? つ、作ったの?」

「しょうなのら。ごあいしゃちゅして。いっちー、にっちー、さっちー、よっちー、ごっちー」

「ぶふッ」


 あ、笑ったね。お名前で笑ったよね。だって仕方ないのだ。


「ロロが名付けたんだよ。ね、ロロ」

「うん」


 ディさんがいつの間にか、いつもの麦わら帽子を被って、手には大きな籠を持っている。

 お野菜を収穫する気で満々なのだ。


「もう意味が分からないわ」


 と、フィーネがお庭で果実水を飲みながら言う。


「本当だよ。少し来ない間に一体何がどうして?」


 と、マティもお庭で果実水を飲みながら言った。

 何故なら、プチゴーレムの後にフォーちゃん達も走って来たのだ。ピューッて、フォリコッコの少し小さいのが走ってくるから、クリスさんの目が零れ落ちそうになっていた。

 それに家の前には大きな大きな亀のクーちゃんと、池には子亀さん達。

 ついでに言うと、畑にはマンドラゴラ。

 とってもバラエティに富んでいる。


「いやいや、ありえないだろう。って、ディさんは何処いった!?」

「きっと、おやしゃいとってるのら」

「おやしゃい?」

「しょうなのら。はたけにいってみる?」

「うん、いってみるの」


 ララちゃんが、自然に俺とお手々を繋いでくる。

 うん、良いのだけど。なんだかとっても懐かれてしまった。


「いや、まだいるんだろう? ロロがチロって言ってたぞ」

「ああ、チロはロロのあのポシェットに入っているんですよ。蛇の赤ちゃんです」

「そうか、蛇か。まだ普通だな。いや、普通じゃないけど」

「チロもピカと同じ神獣なんです」

「……し、し、しんじゅうって言ったか!? あの神獣か?」


 どの神獣だろう? まあ、いいや。ピカさん、また乗せて。


「わふん」


 伏せてくれるからヨイショと乗った。

 ララちゃんも自分で乗るつもりだ。ピカに手を掛けて、足を上げている。


「ああ、ララ。乗せてあげよう」

「おにーしゃま、いいのよ。ららはじぶんれのるの」

「届かないよ?」

「らって、ろろはのれるもの」

「ロロは慣れているんだよ。ほら、危ないからね」


 マティがヒョイとララちゃんを抱き上げて乗せてくれた。ありがとう。


「ロロ、気を付けるんだよ。1人じゃないんだからね。走ったら駄目だよ」

「うん、らいじょぶなのら」


 レオ兄に念を押されちゃったのだ。

 ララちゃんと二人でピカに乗って畑の中を行く。

 もう直ぐ、夕焼けの時間なのだ。お空の色が下から蜂蜜色に変わっていく時間。

 いつもなら、リア姉とレオ兄が帰ってくる時間なのだ。今日はずっと一緒だった。

 今は俺の家にフィーネとマティもいる。

 そして、ララちゃんとクリスさん。新しいお友達ができたのだ。


「おそら、きれいね」

「うん、もうしゅぐゆうやけらね」

「ららはうれしいのよ」

「うれしいの?」

「しょうなの。ろろとぴかちゃんと、おともらちになって、とってもとってもうれしいのよ」

「ふふふ」


 良い子だね。素直で可愛い。

 きっと、真っ直ぐに沢山の愛情を掛けてもらっているのだろう。

 だから、初対面の俺でもすぐに信じる事ができるのだ。

 良い子だ。このまま大きくなってほしい。


「ろろは、もうおともらちれしょう?」

「うん。おともらちなのら」

「うふふ」


 ララちゃんのポニーテールが跳ねて、少し擽ったい。


「あれ? ロロ! ララちゃん!」


 ディさんだ。やっぱお野菜を収穫している。


お読みいただき有難うございます!

可愛いカップルができました。

ララちゃん、可愛いと思っていただけると嬉しい♡

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は、是非ともブクマと評価をして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

暑いですね〜、ハルちゃ〜ん!

元気をちょうだい!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 次から次へと驚きの連続でクリス様達もビックですよね。ロロの家はビック箱ですから。色んな事が起こるのです。これぐらいで驚いていては、いけません。慣れです。ディさんを見習って下さい٩(^‿^)…
[良い点] ララちゃんもロロも可愛い〜。 毎日癒されてます! ありがとうございます! [一言] ディさんの近くにいたら野菜嫌いな子も野菜食べられる様になりそうです(笑) めっちゃ美味しそうに食べるんだ…
感想一覧
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