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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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238ールルウィン祭 2

「坊主、上手だな。ほら、飴ちゃんだ」

「なんだ、飴かよー」

「ええー、にこにい。しゅごいのら」

「そうか! アハハハ。これくらいどうって事ないぞ!」


 残りの矢も的に当てて、飴ちゃんを幾つかもらった。

 ほら、とニコ兄が俺に飴ちゃんを分けてくれた。白くて鳥さんの形をした飴ちゃんが先端についている、ペロペロキャンディだ。あの精霊様を模しているのだろう。

 何味なのだろうと思いながらパクッとお口に入れた。


「んん! パインあじ!?」

「な、俺はミルク味なのかと思っていたぞ!」


 しかし、景品が飴ちゃんなのか。俺の感覚だとプラモとかおもちゃだった記憶がある。それは前世なのだけど。

 それから串に刺して焼いてあるお肉も買ってもらった。カットして売られているフルーツと、最初に見つけたいちご飴も忘れない。

 広場でみんな一緒に、フルーツジュースを飲みながらベンチに座って少し休憩だ。


「ロロ坊ちゃま、ルルウィン祭の名物ですよ」


 と、マリーが買ってきてくれた。真ん中に鳥さんの焼き印があるミニパンケーキ。白いホイップクリームを挟んである。

 どら焼きのホイップクリームバージョンといった感じだろうか。


「とりしゃんら」

「可愛らしいでしょう?」

「うん、かわいいのら」


 可愛いけど、パクリと食べちゃおう。ホイップクリームが甘くて美味しいのだ。

 今日は騒がしいから、教会のコッコちゃんの鳴き声も聞こえてこない。

 こんなお祭りなんて、前世でも行かなくなっていた。

 それでも前世だと、タコ焼きに、焼きそば。綿菓子。

 幼い頃に母と一緒に行ったような気がするけど、あんまり覚えていない。

 だから今日はとっても楽しいのだ。見る物全部が珍しくて目が回りそうだ。

 世界がとっても騒がしくて、でもウキウキして。いつもより鼓動が早い様な気もする。

 きっと俺のプクプクしたほっぺが、ピンク色になっているだろう。


「みんな注目してくれるか!」


 ギルマスが広場の中央に作られている、簡単な舞台の様なところに乗って大きな声で叫んでいる。隣には領主様とクラウス様がいた。

 舞台にはお花で飾り付けられた『ルルウィン祭』と書いた看板まで設置してある。

 広場にいた人達が、何事なのかとみんな注目している。俺達もベンチに座ったままそっちを見ていた。

 あのギルマスが、まさかまさかの貴族だなんて。

 相変わらず、パッツパツのシャツに無精ひげ、大きなサングラスをツンツンした赤い髪の上に乗せている。どう見ても、貴族には見えない。


「ロロ、どうした? 疲れたかな?」

「れおにい、ちがうのら。ぎるましゅ、きじょくにはみえないのら」


 いちご飴を食べた後の、いちごのようにほんのり色づいているお口で言った。いちごの赤じゃなくて、周りの飴が赤かったのだ。

 パリッとして、ジュワッと果汁が溢れてきてとっても美味しかった。もう一個食べたい。


「アハハハ、それは言っては駄目だ」

「でも、絶対に見えないわよ」

「姉上まだ言ってるの?」

「だって、どこをどう見たら貴族なのよ」


 リア姉、それはあまりにも失礼なのだ。

 リア姉もいちご飴を食べたから、まるで薄く口紅を塗ったみたいな唇をしているのだ。

 いつもより、ちょっぴり綺麗に見えたりするのはお祭り効果なのかな?


「おう、もう回ったのか?」

「ドルフ爺、遅いじゃん」

「パレードはまだでしょう?」

「おう、まだだぞ」


 ドルフ爺とセルマ婆さんがやっとやって来たのだ。


「しぇるまばあしゃん、しゅわって」


 俺の隣を手でペシペシと叩く。人が多いから、セルマ婆さん気をつけて。


「あら、ロロちゃんありがとう。何飲んでいるの?」

「ふるーちゅじゅーしゅなのら」


 ギルマスが大きな声で話し出した。


「今年は急遽、特別に領主様から褒美が出る事になった。皆も知っていると思うが、フォリコッコを捕獲し飼育した四兄弟。それに、リカバマッシュの栽培に初めて成功したドルフ爺だ。ドルフ爺! リア、レオ、ニコ、ロロいたら前に出て来てくれ!」


 え……呼ばれた? もしかして、俺達呼ばれちゃったのかな? 俺はまだフルーツジュースを飲んでいるのに。急いで飲んでしまおう。


「ドルフ爺、どうしよう?」

「呼ばれたんだから行くしかねーだろう」

「そう? そうだよね」

「やだ、レオったら緊張しているの?」

「だって姉上、まさか自分達が呼ばれるなんて思わないだろう?」

「ふふふ、そうね。ご褒美ですって。何を貰えるのかしら?」


 そんな事を話しながら、広場の真ん中へと出て行く。

 俺はレオ兄に手を引かれて、トコトコと付いて行く。

 ご褒美を貰うような事をしたかな? してないよな?


「ロロ、どうした? もうジュースは飲んだ?」

「うん、のんら。れおにい、ろうして、ごほうび?」

「ああ、コッコちゃんだよ」

「こっこちゃん?」


 余計に分からないのだ。どうして、コッコちゃんでご褒美を貰えるのだ?


「アハハハ! ロロは分かってねーぞ」

「ドルフ爺のリカバマッシュはやっぱ凄いんだな」

「ニコ、大したことねーぞ」

「だって、言ってたじゃん。初めて成功したんだって。ディさんも凄いって言ってたぞ」


 そんな事を話しながら、ごめんなさいね、通してねとギルマスと領主様がいる場所へと移動した。


お読みいただき有難うございます!

昨日はバタバタしてしまってました。今日は膀胱炎も少し落ち着きのんびりしてます。

皆様も、お身体にはお気をつけ下さい。

応援して下さる方、明日も読むよ〜と思って下さる方は是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

新作『稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜』も宜しくお願いします!


さて、今日はリリの再校チェックをしていました。

9月2日に発売です。イラストを早く公開したいですね〜!まだ無理なので、2巻の表紙を貼っておきます!

このリリが大好きです♡

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] お祭りの醍醐味は、屋台の食べとゲーム。  皆んなで外で食べると美味しよね。 ギルドマスターが貴族に見えないのは仕方が無い(о´∀`о) でもコッコちゃんで褒美が貰えるなんて、ロロ…
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