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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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235/485

235ーニコバージョン

「ロロ、どうした?」

「にこにい、またでたのら!」

「またか!?」

「しょうなのら!」

「俺も行くぞ!」


 お、ニコ兄も討伐隊に参加なのだ。ならば、武器を与えて進ぜようではないか。

 俺のお道具箱にこっそり仕舞っていた、もう一つのピコピコハンマーを取り出す。ニコ兄バージョンなのだ。

 何が違うかって? 俺のピコピコハンマーに付いているお飾りの2枚の羽。

 あれの代わりに小さな可愛らしい槍をつけた。ぶっ刺せるようになのだ。ちょっぴり強そうだと思わない?


「にこにい! ぶきなのら!」

「おおー! いいのか!?」

「にこにいのなのら。ちゅくっておいたのら!」

「ありがと! よし、ロロ。行くぞ!」

「おおー!」


 二人でバタバタと出て行く。ぐふふふ、とっても楽しくなってきた。眠気が吹き飛んだのだ。


「ニコ! ロロ!」

「やだ、2人して何してるのよ」


 レオ兄とリア姉が呼んでいるけど、俺達はダッシュだ。俺のダッシュなんて全然速くないけど。それでもニコ兄の後を追っかけて走る。


「マジかよ! どっから出てくるんだ!?」

「にこにい! やるのら!」

「おう!」


 俺は美味しそうな葉っぱの根元を目掛けて、思い切りピコピコハンマーを振り下ろした。


「とおッ!」


 ――キュポン!


「俺もやるぞ! せいッ!」


 ――ボボーン!


「「え……」」


 思いもかけない低い音がした。思わずニコ兄と顔を見合わせる。

 何なのだ? 同じ音じゃないのか?

 ボボーン! て、どうなのだ? 俺のよりはマシなのか?


「ロロ、とにかくドルフ爺だ!」

「お、おー。ぴか」

「わふ」

 

 ピカが早く乗ってとばかりに、尻尾をブンブン振りながら伏せて待っている。

 ピカももう分かっている。ノリノリなのだ。だってもう最近では、毎日やっているのだもの。


「にこにいも、のるのら!」

「え、俺が乗っても大丈夫なのか?」

「わふん」


 ほらピカも、ニコとロロの2人くらい平気さ! なんて言っている。


「へいきなのら!」

「よし! ロロ、行くぞ!」

「おー!」


 俺が前に乗って、ニコ兄が後ろから俺を支えるようにして乗る。そして、2人で手綱を持ってレッツゴーなのだ。

 ピカがゆっくりと立ち上がり、徐々にスピードを上げて畑の中を走って行く。


「スゲー! めっちゃ気持ちいい!」

「しょうなのら!」


 俺はまたピコピコハンマーを持つ手を掲げる。気持ちいいのだ。

 風がほっぺを撫でていく。丸いオデコも全開なのだ。

 そろそろ呼ぶぞ。空気をいっぱい吸い込んで、大きな声を出すのだ。


「どーるーふーじいー!!」

「ドルフ爺!!」


 直ぐに畑の中から、顔を出したドルフ爺。


「なんだ!? ニコもか!?」

「ドルフ爺! またいたぞ!」

「なんだとぉ!?」


 ドルフ爺が爆走だ。その後をついて、ピカも走って行く。


「きゃはははッ!」

「ロロ、めっちゃ楽しいな!」

「うん!」


 ニコ兄が乗っても、ピカは軽々と走って行く。

 ニコ兄と一緒に乗っているだけなのに、いつもよりスペシャルな感じがするのだ。

 そして、池に着くと魔王が2人待っていた。


「こら! ニコ! ロロ!」

「何やってんのよ!」


 リア姉とレオ兄が二人して腕組みをして待っていた。仁王立ちとはこの事なのだ。頭に2本の角が見えるぞぅ。


「ロロ、マズイな」

「やばやばなのら」

「ニコを乗せても、ピカは速いな!」


 いやいや、ドルフ爺。今それを言ってはいけない。

 またまたお説教タイムなのだ。

 そう、レオ兄と……あらら? リア姉がいつの間にかいないぞ。


「姉上……」

「え? だって乗ってみたいじゃない」


 リア姉が片足を上げて、今からピカに乗りますよ。て、体勢だったのだ。

 ピカが困った表情に見える。


「わふん」

「ぴか、むり?」

「わふ」


 無理じゃないけど、いいのかなぁ? なんて、言っている。だってレオ兄に、叱られている最中なのだから。


「ピカ、少しだけ走ってみて」

「わふ」


 仕方ないなぁ。と、ピカがリア姉を乗せて走り出した。


「ピカ、凄いわ! もっと速く走れるの?」

「わふ」


 ピカがスピードを上げた。リア姉は、余裕だ。大きなピカに、俺がちょこんと乗っているのと違って、なんだかかっちょいいのだ。

 俺だと、ピカさんに『乗せてもらっている』と、いう表現だけど、リア姉は『乗っている』だ。この違いが分かるかな?

 リア姉が手綱を両手で握り、少し前傾姿勢で長いポニーテールを靡かせて走る。疾走だ。

 乗っている姿勢が良いのかな? 安定しているから、ピカも遠慮なく走っている。


「姉上! 速すぎるから!」

「アハハハ! 気持ちいいー!」


 ほら、ほら! だから言ったのだ。これでリア姉も共犯なのだ。


「けど、リア姉が乗るとカッコいいな」

「うん、じぇんじぇんちがうのら」

「ニコやロロはまだ小さいからだよ」

「レオ兄、俺はもう小さくないぞ」

「アハハハ、そうだったね」


 リア姉はやっぱ運動神経が良いのだ。

 畑を一周してピカが戻って来た。


「姉上、何してるんだよ」

「レオ、とっても気持ち良いわよ!」

「だから、姉上」

「いいじゃない。でもニコとロロは、あんなにスピードを出したら駄目よ」


 ええー! 俺達より速く走っていたリア姉に言われたくないなぁ。


「2人はまだ体が振られているでしょう? 体幹がなってないわ。筋肉も足らないのよ」


 ん? なんだか専門的になってきた。


お読みいただき有難うございます!

今日の様なリアは好きです。^^;

いつも感想や誤字報告を有難うございます。

感想は全部にお返事はできておりませんが、楽しく読ませて頂いてます。有難うございます!

また、新作も投稿し始めました。不定期更新になるかと思うのですが、そちらも宜しくお願いします!

応援して下さる方、また読むよ〜と思って下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

ああ、早くリリの4巻のイラストを公開したい!でも、まだなので、今日はまたまたクーファル兄さんを愛でて頂ければと!

暑すぎるので、イケメンでも見て気を紛らせようと。^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 神出鬼没のマンドラゴラ‼️ 今度は、ニコ兄用バージョンのピコピコハンマーも登場ですか❓狩るのが楽しい〜音が違いのは何故❓ おまけにリア姉もピコに乗る始末(๑>◡<๑) レオ兄もこれには呆…
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