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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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233ーフラグ

「ロロ、起きられたのか」

「うん、れおにいに、おこしてもらったのら」

「アハハハ、そうか」

「君がニルス?」

「おう、そうだぜ。ロロの兄ちゃんだよな?」

「そうだよ、レオって言うんだ」

「レオ兄ちゃん、Cランクなんだろう!?」

「あら、私もCランクよ」

「スゲー!」


 おやおや、ニルスがまるで推しを見つめるような眼差しで、リア姉とレオ兄を見ている。推し活のための、うちわでも作っちゃうか?

 ニルスからしてみれば、Cランクの冒険者なんてきっと憧れなのだろう。


「いつもロロと遊んでくれて有難う」

「全然良いよ。俺も楽しいんだ」

「ふふふ、お兄さんね。ありがとう」

「いや、マジで。かっちょいいな!」


 レオ兄の手を両手で握って、ブンブンと振っている。ニルスも男の子なのだ。強い冒険者には憧れちゃうよね。

 俺も大きくなったら、強くなる予定なのだ。未定なのだけども。


「男の子には白色の花の花冠ですよ。リアちゃんとマリーさん、ユーリアには黄色のレイです」


 そう言って、ハンナが掛けてくれた。

 その花冠は、ちびっ子の俺には少し大きい。ちょっぴり恥ずかしくて、リア姉の足にしがみ付いた。


「あら、ロロったら恥ずかしいの?」

「しょんなことないのら」


 なんて言いながらもお顔を隠す。


「ピカちゃんにも花冠をあげましょうね」

「わふん」


 ピカさん、お似合いなのだ。女神様と同じ、プラチナブロンドの毛にとっても映える。


「ぴか、かっちょいいのら」

「わふ」


 ふふふ、少し照れ臭いよね。


「はい、これは女神様に飾り付けてくださいね。こっちは広場の精霊様の像の分です」

「はんな、ありがと」

「はい。楽しんでくださいね」

「うん」


 其々に花冠とレイを貰って、教会の中を見回した。ビオ爺は何処にいるのかな?

 て、いたいた。女神の像の前で、街の人達に囲まれているのだ。

 年に一回の出番なのだもの、頑張ろう。


「ロロ、手を繋いでおこう。人が多いから危ないよ」

「うん、れおにい」


 レオ兄に手を引かれて、ビオ爺のいる女神様の像のところへと行く。


「おう、ロロ。来たか」

「うん、びおじい。がんばって」

「アハハハ、頑張るさ」


 そうだよ、今日くらいは不良司祭なんてやってないで頑張ろう。


「女神様の足元に置くんだ」

「うん、れおにい」


 俺達が花を置こうとした時だ。女神像の上にあるステンドグラスから、朝日が入ってきて虹の様な神秘的な光に照らされた。その光の中、女神像にお花を置いて礼拝する。


『よく来てくれました〜! 楽しんで下さい! ただしぃ、夜は要注意ですよーぅ……よーぅ……よーぅ……』


 え……? 今泣き虫女神の声が聞こえたのだ。俺は思わずキョロキョロとしてしまった。


「ぴか、きこえた?」

「わふん」

「ロロ、どうした?」

「なんれもないのら」


 ピカが、ロロにしか聞こえてないよ。と、言った。

 態々、俺に声を掛けてくれたのか?

 それにしても、こんな時でも泣き虫女神らしい。声がエコーの様に消えて行くなんて、まるで時間切れの時みたいなのだ。


「けろ、ぴか。らいじょうぶなの?」

「わふ」


 僕がついているから何があっても大丈夫だよ。と、とっても男前な返事をくれたピカ。

 でも、これって完全にフラグが立ってしまったよね。とにかく、夜は気をつけよう。


「ロロ、行くよ」

「うん、れおにい」


 気をつけるよ。泣き虫女神、有難う。

 俺は心の中で、そう思った。女神は干渉できないと、前に話していた。それでも、伝えようとしてくれたんだ。

 ちょびっとだけ、好感度をアップしておこう。

 広場に戻って、鳥さんの像に花冠とレイをかける。俺は届かないから、レオ兄に抱き上げてもらった。

 いつも、低い目線からしか見ていなかった鳥さんの像。レオ兄に抱っこしてもらって、ゆっくりと見た。可愛らしい、ふくよかな鳥さんなのだ。お胸の部分がまん丸なのだ。

 真っ白な石でできているのか? 白い鳥さんの精霊だと言い伝えられているから、像も白くしたのだろう。

 尾羽を孔雀の様に広げている、この街の人達を救った精霊の鳥さん。

 女神が干渉できないから、苦肉の策だったのかなぁ?


「きれいな、とりしゃんなのら」

「そうだね、とても立派な尾羽だ」

「あたまも、かんむりみたいれ、かわいいのら」

「冠かぁ、本当だね」


 鳥さんの像はあっても、一緒に戦った四英雄の像はないのだね。


「そんな恥ずかしい事は止めて欲しいと言ったんだよ」

「でぃしゃん」


 後ろから声がしたと思ったら、ディさんだったのだ。

 今日は、ずっと会えないかと思っていたのだ。だって、ディさんはパレードに出る人だから。


「おはよう。ロロ、花冠が似合っているよ。よく起きられたね」


 なんだか、みんなに言われてないか? 俺も同じ事を繰り返し答える。


「れおにいに、おこしてもらったのら」


 ディさんが、俺の頭を撫でてくれる。朝日に当たって、ディさんの淡いグリーンブロンドの髪が宝石を散りばめたように光っている。


「午前中は雨も降るから、その後から賑わうよ。一度家に帰って少し眠るといいよ」

「しょうなの?」

「うん、パレードもお昼過ぎからだよ」


 お昼過ぎなのか? それはヤバイのだ。どうしよう。


「ロロ、ピンチだね。アハハハ」


 レオ兄は分かっていて笑っているのだ。俺はお昼を食べると眠くなっちゃう。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告も有難うございます!

いつも楽しみにしております。

11月頃まで書籍化の方が立て込みそうなので、お返事できないかも知れません。申し訳ないです。

ですが、ちゃんと読んでおりますので。^^;

応援して下さる方、明日も読むよ〜と思って下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークで評価をしていただけると嬉しいでっす!

宜しくお願いします!


新作に集中したい!

初心を忘れないように!今日はリリの①に収録されているイラストです。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女神様には会えなかったけど啓示だけは教えてくれましたね。本当に優しい女神様、泣き虫だけど。お昼からのパレードに備えて帰って朝寝でもしましょうか(≧∀≦) [一言] 夜に何が起きる⁉️でも皆…
[気になる点] ロロの心の声?に返事があるのは声に出てるって事なんでしょうか
[一言] ちょぴっとだけロロくんの好感度が上がった女神さまよかったですよーぅ……よーぅ(*´▽`)ピカさん男前。お昼寝もしっかりとらないとだね
感想一覧
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