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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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225/485

225ーロロ!?

(レオ視点)



「なんだ、レオ。何考えてんだ?」

「いや、ロロのお陰だなってね」

「アハハハ、ロロか!?」


 だってギルマスやディさんと、こんなに懇意にしてもらう切っ掛けもロロだ。

 領主様の事もだし、オスカーさんや、ビオ爺だってそうだ。

 それに、ドルフ爺とセルマ婆さんだ。俺達の事を自分の孫の様に心配してくれる。

 ロロを外に連れ出してくれた。ニコを畑に誘ってくれた。

 僕達は、色んな人達に支えられているんだ。僕の力なんて大した事ない。


「お前達はよく頑張っているさ。だから大人が手を貸したくなるんだ」

「ギルマス、ありがとう」


 帰ったらマリーに報告しなきゃ。マリーも気にしているから。

 先ずは『ルルウィン祭』だ。去年はそれどころじゃなかったけど、今年はみんなで行こう。ロロも楽しみにしているから。


 ギルマスとの話を終えて、姉上と家に急ぐ。今日はニコとロロは何をしていたのだろう?

 

「早くニコとロロの顔を見たいわ」

「ふふふ、姉上は本当に好きだね」

「当たり前じゃない、可愛い弟だもの」


 僕もその弟だって覚えているかなぁ?

 家が見えて来た。遠目でみると池の近くに、ロロとピカがいるのが分かる位の距離まで帰って来た。

 歩きながら、そのロロを見ていたんだ。

 いつもの様に「ただいま!」と、声を掛けようとした時だ。

 

「とおッ!」


 ――きゅぽん!


 と、大きな声を出したかと思うと、手に持っていた何かで力一杯地面を叩きつけた。あれは何を持っているんだ?


「え……!?」

「やだ、ロロったら何しているのかしら? 可愛い!」


 呆気にとられて、思わずジッと見ていると。


「たあッ!」


 ――きゅぽぽん!


 何だろう? 池の端で何かを叩いている。あの手に持ったものは何だ?

 ロロは側にいたピカに、よいしょと乗ったかと思うと畑の中へと走っていった。


「ぴか! すぴーろあっぷなのら!」

「わふん!」


 ロロの声通りにピカがスピードを上げて走って行く。

 ああ、ロロが何かを持った片手を挙げている。危ないから、両手で手綱を持って欲しい。


「え!? ちょっとレオ。ロロったら速くない? ピカは早く走り過ぎよ、危ないじゃない!」

「姉上、よく見て。ピカがハーネスをしているよ。だからロロは手綱を持っているんだ」

「それにしても、ロロは片手を挙げているじゃない。あの速さはないわよ」

「確かに、そうだね」


 ちょっと焦った僕と姉上は、走って帰った。

 姉上が言う通り、あの速さはないだろう。畑の中をピカに乗って駆け抜けて行く。

 ピカが全速力じゃないのは分かる。それでも速い。乗っているロロの髪が靡いているじゃないか。

 いつの間にあんな速さで走っているピカに、乗るようになったんだ?

 僕は知らないぞ。しかも、ロロは慣れてないか? もしかして、ロロを乗せる為にピカは側で待っていたのか? 今迄も乗っていたのか?

 そして、ロロの大きな声が聞こえてきた。


「どーるーふーじいー!!」

「わおーん!」


 ピカも一緒になって、ドルフ爺を呼んでいる。

 ああ、ほら。直ぐにドルフ爺が駆けつけて来た。2人で何かを話していたかと思ったら、戻って来た。ドルフ爺が先頭を切ってダッシュしている。

 いやいや、ドルフ爺。どうしてだよ。走らないで歩こうよ。

 ロロに危ないと注意してほしい。

 お願いだから、走ったりしないで。

 ドルフ爺と、ピカに乗ったロロが畑の中を爆走じゃないか。

 ああ、もう心臓がキュッてなるよ。とにかく早く家に戻ろう。ロロに注意をしないと。



 ◇◇◇



 ピカの背中に乗ったまま、俺はドルフ爺を大きな声で呼んだ。


「どーるーふーじいー!!」

「わおーん!」


 ピカも一緒に呼んでいるつもりだ。風を切って走るピカさん。かっちょよくて、超気持ちいいのだ!

 ピカは勢いよく地面を蹴って、全身の筋肉を使って走って行く。

 俺は、自分ではこんなに速く走れない。俺の短い髪も靡いている。おでこを撫でていく風が気持ち良い。

 それでもピカさんは、全然全速力じゃないのだ。俺が乗っているから、ちゃんと加減してくれている。背中が出来るだけ上下しないように、揺れないように走ってくれている。

 ピカのハーネスが、とっても良い感じなのだ。手綱を持っていられるから、乗っていて安定する。

 俺は毎日ドルフ爺に頼んで、ピカにハーネスを着けてもらっていた。ピカに乗って走るのも、もう慣れたものだ。

 俺は気分良く、ピコピコハンマーを持った手を掲げる。なんだかヒーローになった気分なのだ。ふふふん。

 あ、ドルフ爺が走って来た。

 

「おう、ロロ。どうした!?」

「どるふじい、またいたのら! まんどらごら!」

「そうか! 殴ったか?」

「うん! ばしこーんしといた!」

「よし! 行くぞ!」

「おー!」


 それからドルフ爺の後を追いかけて、ピカに乗って爆走だ。ドルフ爺って走るのが速いのだ。

 もうおじいちゃんなのに、どうしてそんなに速く走れるのだ? やっぱドルフ爺は普通じゃない。

 池の側に戻って来て、ドルフ爺に見てもらっていた。


「ロロ!」

「ロロ! 危ないじゃない!」


 あ、リア姉とレオ兄が帰って来た。


「おかえりー!」


 と、いつも通りに俺は手を振った。どうした? 何を焦っているのだ? マンドラゴラかな?

 俺がバシコーンと殴って気絶させたし、もうドルフ爺を呼んだから大丈夫なのだ。


お読みいただき有難うございます!

今日のロロは、ちょっぴりハルちゃんが入ってます^^;

毎日暑いですね〜。熱中症には気をつけましょう!

今日も応援して下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


やっぱ今日はハルちゃんでしょう!

とおッ! ちゅどーん!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 土で出来てるはずなのにきゅぽんて音がするぴこぴこはんまー(*´▽`*)ピカさんに乗って走るロロくんが熊さんに乗った金太郎に見える~
[良い点] ニコ兄とロロに良い報告をする為慌てて家路着けばまたまたロロさんが斜め上の驚きの行動をしているではありませんか。笑顔いっぱいピカさんに乗って畑を走り回っているでは無いですか^_^これにはレオ…
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