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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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220/485

220ースーパー?

「ロロったら何で自慢気なんだよ」

「らって、にこにいなのら」

「アハハハ! 意味が分かんないよ」

「自分の兄ちゃんだって、言いたいんだろうよ」


 ビオ爺が通訳してくれたのだ。うんうん、その通り。俺の自慢の兄なのだ。


「ビオ爺、また畑を作る時は呼んでくれ」

「ドルフ爺、すまんが頼むよ」


 2人共『(じい)』なのに、お互いを『爺』と呼んでいる。これ如何に?


「ふふふ、ロロったら」


 あ、ディさんは俺の心を読んだね?


「読まなくても分かるよ」


 と、バチコーンとウインクをした。

 あ、分かったのだ。きっとディさんも、俺と同じ事を考えていたからなのだ。


「ロロの周りにはスーパーなお爺さんがいるね」

「しゅーぱー!」


 スーパー爺さんなのか!? あんまりゴロが良くないなぁ。

 爺さんだけでなく、俺の周りには凄い人が沢山いるのだ。それの筆頭がディさんなのだよ。分かっているのかな?

 俺にとってはヒーローなのだ。

 だって、俺が攫われた時に助けに来てくれた。あの時、ディさんの顔を見て心から安心した。それに、凄くかっちょよかったのだ。


「そう? 僕なの?」

「うん、しょうなのら」

「嬉しいよー!」


 ディさんに抱きつかれて、そのまま抱っこされてしまった。自分のほっぺを俺のほっぺにスリスリしている。これは……リア姉と同じ攻撃なのだ。

 最近ディさんのする事が、リア姉に似て来たと思うのは俺だけなのだろうか?


「ビオ爺、裏も見ていいか?」

「おう、見てくれ」


 ほらほら、ディさん。裏に移動するみたいだよ。


「ほら、ディさんも行くぞ」

「うん、ニコ」


 ディさんが俺の自慢のほっぺでご満悦だ。俺を抱っこしたまま移動する。

 まだ俺のお腹を、モミモミしないから許してあげるのだ。


「畑も作りたいんだが、木も植えたいんだ」

「ディさん、木はどこら辺りに植えるんだ?」

「そこの隅だよ。地下水脈の流れが、その辺りが一番良いんだ」


 なんですとッ!? 地下水脈ですと!?


「ろうしてでぃしゃんは、しょれがわかるのら?」

「ん? だって僕はエルフだから」


 またバシコーンとウインクが出たよ。あれだな、精霊眼だろう。そんな事まで分かるのか?

 やっぱ精霊眼って良いなぁ~。


「じゃあ、畑を作るとしたらその木の辺りだな」

「そうだね、前の住民もその辺りに、小さな畑を作っていたみたいだよ」

「なんだ、そうなのか? なら此処も、土から作らないと駄目だな。木を植えてからだ。また声を掛けてくれ」

「そうだね」


 ああもう、俺の周りは本当に凄い人ばかりなのだ。俺は恵まれているなぁ。


「ししょーが、いっぱいなのら」

「なにかな? ロロ」

「ボクのししょーが、いっぱいなのら」

「アハハハ、そうなの?」

「しょうなのら」


 ニコ兄が建物の裏側を、見に行っていたかと思うとドルフ爺を呼んだ。


「ドルフ爺、ディさんも見てくれよ!」

「どうした?」

「何かな?」


 家が建っている奥にも少し空き地があった。そこは雑草だらけになっている。俺の腰辺りまであるのではないか? ずっと放ったままだったのだろう。


「これってさ、薬草じゃないか?」

「ニコ、そうなのか?」

「どれどれ」


 薬草となると、ディさんの出番なのだ。ドルフ爺は畑のプロフェッショナルだけど、薬草の事はよく知らない。薬草を実際に育てているのはニコ兄なのだ。


「本当だ。色んな薬草があるね。此処で育てていたのだろう」

「そうだよな」

「ニコ、此処の薬草をそのまま生かせる?」

「ああ、もちろんだよ。これだけあるんだから、このまま育てないと勿体ないぞ。この裏側は薬草畑にできるな!」

「孤児院の新しい収入源になるね」

「ニコ、ディさん、そうなのか?」

「先ずは雑草と、選別しなきゃならないけどね。薬草はギルドに売れる」


 おお、良いではないか。ディさん、俺を降ろして。ニコ兄を手伝ってあげて欲しいのだ。


「ロロ、大丈夫だよ。ニコ、できるだろう?」

「おう。任せてくれよ」


 え? 何なのだ? と、思って見ていると、ニコ兄がまた地面に手を突いた。

 すると、さっきと同じ様に地面がボコボコした。さっきよりもゆっくりと、土がふんわりするようにしている。


「薬草はデリケートだからだよ。薬草は根を使うものもあるんだ。だから根を切ってしまわないように、さっきより深く優しく掘り返しているんだ」


 なるほど、これもニコ兄の経験なのだ。実際に家で薬草を育てているからこそなのだ。

 それからまた籠に、薬草だけを選別してそっと入れている。

 ドルフ爺も薬草と雑草の区別はできないから、ここまでニコ兄一人で黙々と進めて行く。


「ドルフ爺、いいぞ」

「よし」


 ドルフ爺がさっきと同じ様に肥料を撒いていく。それをニコ兄が土属性魔法で耕す。ニコ兄が指示をして、ドルフ爺がさっきよりも低い畝を作る。薬草と野菜は違うのだろう。ニコ兄が薬草を植え直す。

 この作業を流れる様なコンビネーションでやって行く。

 ニコ兄は土属性魔法を、使い熟しているように見える。


「畑の土を耕したりするのは、お墓参りから帰って来てからやってたんだ」


 なんだ、なら地面を掘るのだってお手の物じゃないのか?


「ロロ、掘るのと耕すのは違うぞ」

「しょう?」

「そうだぜ」


 大して変わりないと俺は思うぞぅ。

 俺なんて、土属性魔法といえば、コネコネだからね。なんだかちょっぴり落ち込むのだ。


お読みいただき有難うございます!

ニコの見せ場です!

こうして、書けるだけでなく、沢山の方に読んで頂ける幸せを感じます!皆様に、心からの感謝を!

と、突然でしたが。^^;

改稿作業をしていると、本当に幸せだと思うのです。

応援して下さる方、また明日も読んで下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです。

感想や誤字報告も有難うございます!

宜しくお願いします。


今日は私の原点であるリリの1巻の書影を!

今4巻の作業を頑張ってます!楽しみにしていただけると嬉しいです。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロロの周りには、頼りになる凄い大人ばかり。 ニコ兄もお墓参り以降土属性魔法が格段と上がったから余計に嬉しいでしょうね。 ロロも皆んなから、色んな事を教えて貰って活かせると良いですね。(^O…
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