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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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218ー夕ご飯のおかず

 俺がコネコネして作っていたもの。それは……


「ぴこぴこはんまー」

「え?」


 だから、ピコピコハンマーだよ。正式名称は『ノックアウトハンマー』て、言うのだって。知ってた? 俺は知らなかったのだ。

 ちょっぴり可愛くアレンジして、円筒にした頭の部分と柄の境目に羽の様な飾りを付けている。コッコちゃんの手羽みたいな感じだ。いやいや、違うのだ。天使の羽と言ってほしい。

 ちゃんと羽の部分には、木の枝で模様を描いてあるのだ。クオリティーに拘るのだよ。

 なんなら円筒の側面に『5t』て書こうか? て、勢いなのだ。

 俺の手に持てる程度の大きさだから、おもちゃみたいだ。

 強く硬くと思いながら作ったから、ちゃんと武器になると期待しておこう。


「いいね、ロロの手に丁度良い大きさじゃない」

「ふふふん」


 俺もなかなか上手に出来たと思うのだよ。でも土だから、『ピコン!』と音は鳴らないだろうな。そこが残念なのだ。

 それに色だ。土だから土色なのだ。当たり前なのだけど。乾いたら色を付けようかなぁ。もう1個作ろうかな? ニコ兄の分もさ。


「あらあら、また土を弄っていたのですか?」


 マリーとセルマ婆さんが出てきたのだ。


「俺は畑に行くぞ」

「どるふじい、らめ」

「ロロ、どうした?」

「あれ。まんどらごら、もっていって」


 マンドラゴラを忘れてはいけない。ドルフ爺が、育てている一画に戻して欲しいのだ。


「ああ、忘れてた」


 そんな緩い感じで良いのか? ドルフ爺は腰から鉈を取り出した。そして、池に歩いて行くと片っ端からバシコーンバシコーンとマンドラゴラを殴り出したのだ。


「ぴぇッ!」


 俺は驚いたのなんの。思わず、側にいたディさんの足にしがみついたのだ。

 全部で六つ。マンドラゴラを殴って気絶させたかと思うと、端からズボズボッと抜いて全部抱えた。いやぁ~んと、ちょっぴり色っぽい足がプランとしている。


「アハハハ!」

「しゅ、しゅごいのら」

「びっくりだねー」


 ドルフ爺、手慣れている。一応、マンドラゴラは魔物なのだろう? 最弱ではないか?

 クタッと気絶しているマンドラゴラ。お爺さんみたいなお顔はあるけど、むっちりとした白い体が美味しそうなのだ。


「まりー、いっこもらう?」

「あらあら、夕ご飯にしますか?」

「ぽとふがいいな~」

「美味しそうだ。バターで焼いても美味しいんだよ」


 もうみんな、食べる事しか考えていない。魔物と言うよりは食料なのだ。


「一個食うか?」

「はい。夕ご飯にしますよ」

「よし」


 ドルフ爺は迷いもせず、マンドラゴラにブスッと鉈をぶっ刺した。きゃぁ~。


「そら」

「はいはい、有難うございます」


 夕ご飯に決定なのだ。


「他のお野菜を採ってくるよ!」


 と、ディさんが畑に走って行った。


「ロロ、気絶させられなかったら直ぐに呼ぶんだぞ」

「うん、わかったのら」


 俺はまだ力が無いからなぁ。ピコピコハンマーに期待なのだ。


 午後からは、ドルフ爺とニコ兄も一緒に教会へ向かう。

 いつもはマリーも一緒なのだけど、今日はお留守番なのだ。ピカとチロはもちろん一緒だ。

 俺達の前をニコ兄が歩き、後ろからピカが付いて来る。完璧な布陣なのだ。

 ドルフ爺とニコ兄は農具を持っている。ドルフ爺なんて軽々と(くわ)を担いでいて、肩から大きな袋も掛けている。ちょっぴり、かっちょいいのだ。

 俺は珍しく、ディさんとドルフ爺と手を繋ぐ。

 ドルフ爺の手は、大きくてゴツゴツとしているのだ。掌に、マメが沢山ある。しかもとっても硬くなっている。

 毎日、畑仕事をしている人の手なのだ。

 お昼寝もしたし、お天気も良い。午前中にあんな雨が降ったとは思えない様な、爽やかな青空が広がっている。

 そよ風にのって、樹々の香りがしてくる爽やかな午後だ。

 俺のテンションも、良い感じで上がっちゃうぞ。

 こんな時は、スキップだ。もう恒例になっている。


「アハハハ! ロロ、スキップになってないぞ」

「え、にこにい、しょお?」

「そうだよ。見てな、スキップはこうするんだ」


 え? 俺は完璧だと思っていたのだ。ニコ兄がお手本を見せてくれる。うぅーん、どう違うのか分からない。おれも、そうやってスキップしているつもりだぞぅ。


「ロロは足を前に上げ過ぎるんだよ」


 ディさん、分かっていたなら言ってくれれば良いのに。今まで何も言わずに見ていたじゃないか。


「だって、ロロが可愛いからね」


 そんな事は聞いていない。できていないのに、俺はとっても自慢気に毎回スキップをしていたのだよ? 恥ずかしいじゃないか。


「あげしゅぎる?」

「そうそう。ニコを見てごらん」


 スキップスキップ、ランララ~ン。て、感じでとっても軽いステップなのだ。ふむふむ、俺は足を前に上げ過ぎると。

 足を意識し過ぎるのかな? こうかな? あれれ? と、考えながらスキップをしていると、余計に変な感じになってしまう。繋いでいる手にまで力が入ってしまうのだ。

 片足で2回軽く跳びながら前に進んで、今度はもう片方の足でまた2回だ。あれあれ~?


「アハハハ! ロロ、なんだよそれー!」

「にこにい、わからなくなったのら」

「ほら、一緒にやるぞ。せーの」

「しゅきっぷしゅきっぷ」

「そうそう、ロロ上手だよ」


 そうか、俺は2回軽く飛ぶ時にもう片方の足を前に上げ過ぎるのだな。

 よし、分かったのだ。スキップスキップ、ランララ~ン。あれれ? また分からなくなったのだ。


お読みいただき有難うございます!

さて、ロロが作った武器の出番はあるのでしょうか?ロロは強くないからなぁ。^^;

応援して下さる方、明日も読むよ〜と言って下さる方は是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!宜しくお願いします!

やっぱ鬼強いちびっ子と言えば、ハルちゃんですね〜^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ノックアウトハンマー、ゲームセンターでよくモグラ叩きで良くやりました(๑>◡<๑)「ピコピコ」あの音が良いんですよね。 マンドラゴラを叩く時に音が出るとついつい調子に乗ってしまいそうσ^_…
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