表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

211/485

211ーやっぱここは一つ

「ああ、ニコ。傾斜をつけないと駄目だよ」

「レオ兄、どうしたら良いのか分かんないぞ」

「いいよ、僕が固めながらつけていくよ」


 ニコ兄が掘った溝を、レオ兄が固めながら少しずつ傾斜をつけていく。職人技ではないか?


「しゅごい、じょうじゅなのら」


 俺は腕組みをして、高みの見物なのだ。ちょっぴり現場監督みたいになっちゃっている。え? なってない?


「ロロのお兄さん達は凄いね」

「しゅごいのら」

「あっという間だよ」


 ディさんが言う様に、あっという間に水路から水を取る方の溝ができて、少しずつ池に水が溜まっていく。クーちゃんの赤ちゃん達も、もう入る気満々でソワソワしているのだ。


「もうちょっと、まちゅのら」


 まだお水が溜まっていないからね。クーちゃんの赤ちゃん達は、コッコちゃんの雛みたいに鳴かないからなぁ。俺の言っている事が分かっているのかな?

 5匹の赤ちゃん亀さん達は、池の周りに並んでじっと見ている。よしよし、お利口さんなのだ。


「かぁわいいねー」


 思わず俺の短いぷっくぷくの人差し指でツンツンしてしまう。

 ここは一つ、披露するしかないのだ。亀さんと言えば、みなさんお待ちかねの有名なあのお歌だ。


「もっしもっしかぁめよ、かーめしゃーんよぉー♪」


 ちょっぴりリズムをとって、お尻をフリフリしてしまう。懐かしい童謡なのだ。


「ロロ、そのお歌はなぁに?」


 おやおや、手にオヤツを持ってリア姉が見に来たのだ。


「かめしゃんの、おうたら。りあねえ、しょれふるーちゅけーき?」

「そうよ。はい、あ~ん」


 と、俺の前に出してきたから、大きなお口を開けてパクリと頂こう。

 マリーがよく作るオヤツで、パウンドケーキに色んなドライフルーツを刻んで入れたものを、俺達はフルーツケーキと呼んでいる。


「あー……ん、うまうまら」

「マリーは上手よね、大雑把なのに」


 一言多い。それを言ってはいけないのだ。


「もう大分出来ているじゃない」

「しょうなのら。れおにいと、にこにいがじょうじゅなのら」

「ふふふ、本当ね」


 レオ兄とニコ兄を見ながら、リア姉にフルーツケーキを食べさせてもらっていた。そこにちびっ子戦隊が帰って来たのだ。

 コッコちゃんの雛3羽と、五色のお帽子を被ったプチゴーレム達。転げる様に走って来た。相変わらずみんな速いのだ。


「ピヨピヨ!」

「キャンキャン」


 一気に賑やかになってしまう。リア姉と俺が食べているのを見ているのだ。ちょこんとお座りをして、舌を出しながらブンブンと尻尾を振っているプチゴーレム達。

 その舌はどうなっているのだ? 俺はそこまで作ってないぞぅ。


「欲しいのかしら?」

「しょうみたいなのら」

「まだあるから、マリーに貰ってきなさい」


 リア姉がそう言うと、キャンキャンと鳴きながら家に入って行った。よく分かっている。いつも赤のお帽子の子が先頭だから、イッチーがリーダーなのかな? やっぱレッドだから。

 お野菜以外を食べられないフォーちゃん達は、何してるアルか? 掘ってるアルか? 見事アルね。と口々に話している。本当、元気だ。

 うちは動物がいっぱいだ。ピカさんとチロは、知らん顔をして軒下で寝そべっている。でもピカのお耳は、ヒョコヒョコと動いて警戒はしてくれているのだ。

 クーちゃんなんて、赤ちゃん達がみんなこっちに来ているのに放りっぱだ。


「ロロ達がいるから大丈夫なのよーぅ」


 だって。呑気だね。


「おう、池を作ってんのか?」


 ドルフ爺だ。ドルフ爺がやって来た途端に、クーちゃんがのっそりとお顔を上げた。

 ドルフ爺の声に反応するなんて、本当に好きなのだね。

 そして、のっそのっそとやって来た。いつもずっと軒下で、のべっと寝そべって動かないのに。軒下はクーちゃんの定位置なのだ。


「あたしの子供達に作ってくれているのよーぅ」

「おう、そうなのか。そりゃいいな」


 ドルフ爺がクーちゃんの頭を、シワシワの大きな手で撫でる。クーちゃん至福の表情だ。

 目を細めて嬉しそうに、ドルフ爺の手に頭を擦り付けている。


「ふふふ、本当に好きなのね」


 クーちゃんって、本当に不思議なのだ。恋する気持ちだけで、卵を産んでしまうくらいなのだから。一体どうなっているのやら、ディさんでさえ分からないと言っていた。

 そんな事をしている内に、ニコ兄とレオ兄が池からお水を流し出す方の溝も掘って固めた。

 あっという間に、小さなお池の出来上がりなのだ。


「ほう、ニコも凄いじゃねーか」

「ドルフ爺、これ畑でも使えるな」

「おう、そうだな」


 そうそう、ニコ兄とドルフ爺に相談があったのだ。


「にこにい、どるふじい、おねがいがあるのら」

「俺もか?」

「おう、なんだ?」


 ここからはディさんにバトンタッチだ。教会の畑と、コッコちゃんのお野菜の事を説明してもらった。

 畑を見てアドバイスをして欲しい。そしてコッコちゃんのお野菜なのだ。


「それなら毎朝息子に持たせてやるよ」

「本当? 助かるよ」

「店の場所は知ってるのか? 屋台なんだけどな」


 朝早くからお野菜だけでなく、色んな食べ物を売る店が出て賑わっている。朝市みたいな感じらしい。そこに息子さん達も店を出しているのだ。


お読みいただき有難うございます!

気付かれた方は是非感想欄で。^^;

注目度ランキングで1位を頂きました!

有難うございます!

応援して下さる方、明日も読むよ〜と思って下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークから評価をして頂けると嬉しいでっす!

よろしくお願いします。


やっぱ今日はハルちゃんでしょう!

もっしもっしかぁめよ〜♫

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 注目度ランキング1位おめでとう御座います。 そして週間総合ランキング5位おめでとう御座います。 推している作家様の小説ランキングを取るなんて感無量です。 もう一度おめでとう御座います╰(*…
[一言] 等々出ました!カメさんの歌!お尻フリフリしながら歌う可愛い姿を想像して悶えてしまう~。 ハルちゃんとロロちゃんとダブル共演で観たい!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ