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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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209ー土属性

「ニコ、土属性魔法で出っ張りは作れるの?」

「おう、土を盛り上がらせたりはできるぞ」


 ほうほう、それはどれくらいの物なのだろうね。ふむふむ、見てみたいのだ。


「やってみるか?」

「うん、見たいな」

「よし! ロロも見てろよ!」

「うん!」


 ニコ兄が地面に手を突いて集中し出した。すると、地面がボコボコと盛り上がり出したのだ。

 ゴゴゴと音を立てながら、地面が隆起していく。


「おぉー!」


 俺はそれだけで感動なのだ。一体どうなっているのだ? いつの間にニコ兄は、こんな事ができるようになったのだ?


「ニコ、もっと均等に魔力を流してごらん」

「均等にか?」


 ディさんが一言アドバイスをしただけだ。なのにニコ兄が出した土が盛り上がった側面が、シュンと平らになり高くなっていく。

 表面がボコボコしていたのに、滑らかになる。その上、高さが出たんだ。

 高さと幅が1メートル位、厚みが30センチ程だろうか? それでもこれは立派な土壁なのだ。きっと今は全力ではやっていない。だって庭先だもの。加減をしている。

 これを全力で魔力を込めればどうなるのだろう?

 取り敢えず目の前に壁があったら、これは試してみたくなるのだ。


「とぉッ!」


 と、俺はその土壁を思い切り蹴ってみた。小さな足でだ。てか、真面に蹴れていない。足が上がっていない。


「あいたッ! かたいのら」


 見事に俺の、プヨプヨした小さな足が負けてしまった。大丈夫、怪我はしていなのだ。


「アハハハ! ロロは何をやっているんだよー!」

「らって、でぃしゃん。どれらけかたいかな? て、おもうのら」

「なるほどね。じゃあ、僕がやってみよう」


 そう軽いノリでディさんが、パコーンと土壁を蹴った。

 すると、ズウン! と、音を立てて土壁が、いとも簡単に崩れてしまったのだ。


「ええー! ディさん、何すんだよぉー!」

「アハハハ! まだまだ込める魔力が足らないんだ。強度が足らないね」


 えぇ? 俺が蹴った時は硬かったぞ。


「ロロはちびっ子だから、力がないだろう?」

「らって、でぃしゃんらって、かる~くけったのら」

「ふふふ、僕は魔力を込めたからね」


 な、な、なんですとッ!?

 さっき教えてもらった身体強化なのだそうだ。それを部分的に使ってディさんは蹴りを入れたらしい。

 エルフって何でもできるのだね。


「でも、これができるなら池を掘るのだってできるよ。簡単だ」

「ええー、ディさんそうか?」

「そうだよ」


 俺はできないけども。くそぅ、俺もやりたいのだ。


「あら? 何やってるの?」

「ただいま」


 庭先でニコ兄と一緒に話を聞いていると、リア姉とレオ兄がもう帰って来たのだ。


「おかえり!」

「おかえりー」

「ニコ、ロロただいまー!」


 リア姉が抱き着いてきた。噂のリア姉だよ。ふふふ。


「ロロ、卵は温めた?」


 そう言いながら俺の頭を撫でてくれる。レオ兄の手はいつも優しいのだ。


「うん、おひるにやったのら」

「そう。じゃあ、夕ごはんを食べたら僕が温めるね」

「うん」


 レオ兄に付いて行こうとしたら、ニコ兄に止められた。


「ロロ、何で付いて行くんだよ。これからやるんだろ?」

「あ、わしゅれてたのら」


 そのまま当然の様に、レオ兄と一緒に家に入ろうとしていたのだ。いかんいかん。すぐに忘れてしまう。


「おや? ニコ、何をするんだ?」

「レオ兄、クーちゃんの赤ちゃん達の為に小さな池を作るんだよ」

「池を? ディさん、そんな事できるんですか?」

「勿論だよ。レオも一緒にやろう。土属性魔法の良い練習になるよ」


 レオ兄は3属性を持っているけど、土属性魔法が一番伸び悩んでいるらしい。イマイチ、使い所がないそうなのだ。


「水属性と同じ様に、土の塊で槍を出したりできるよ」


 ディさんが説明をしながら、片手でヒョイと土の槍を出す。そして、木の的に向かって飛ばした。

 バコーンと音を立てて、土の槍が崩れていく。

 ディさんは話しながら何気なしにしているけど、それは凄い事なのだ。

 ディさんは魔法を使う為に、集中したりとか構えたりとか全くしない。そのままの状態で軽く魔法を使う。勿論、詠唱なんてしない。

 ディさんは、俺達とは次元が違う。自分達とは違うのだと切実に理解させられる。

 種族的なものだけなのか? それとも、ディさんはエルフの中でも優れているのか?

 俺には、それを判断できない。だって何も知らないのだから。ディさん以外のエルフを知らない。見た事もないのだ。


「今は強度を持たせていないから、ぶつかると直ぐに崩れちゃったけど。でも、ちゃんと魔力を加えれば相応の強度が出る。バインドだってできるよ」

「なるほど、そうか」


 で、池なのだ。小さくて良いのだ。大きくなったら、そう頻繁にお水が必要ではなくなるらしい。


「そこの水路から引こうか。少し離れた場所になるけど、隅の方が良いだろう?」

「あ、なら俺の畑の横がいいぞ。水やりにも使えるし」


 と、言う事でニコ兄の畑の横に、ディさんが地面に木の枝で丸い印を付ける。そこに向かって水路から水を引く。

 お水が循環できる様に、池からも水路へ流れ出す溝を作る。池の水が澱まないようにだ。


「これくらいかなぁ?」

「くーちゃん、どう?」

「あらぁー? なにかしらー?」


 もう、呑気なのだ。目の前で相談していたのに、聞いていなかったのか? 手足や首まで伸ばして、リラックスして寝そべっている。

 クーちゃんの赤ちゃんの為に作る池だよ。


お読みいただき有難うございます!

とうとうPV数が20万を超えました!

昨日、一瞬ですが、異世界ファンタジー部門日間ランキングが3位になりました。

皆様のお陰です。有難うございます。

アース・スターノベル大賞の影響力は凄い!

応援して下さる方、これからも読むよ〜と言って下さる方は、是非とも下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


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担当編集さん、頑張って〜!

4巻の表紙は、なんとあの人が登場!?

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[良い点] ディさん相変わらず凄いなぁ。 皆仲良しで読むとほのぼのします。 [気になる点] 兄弟揃って土魔法頑張れ〜!(リア姉は……。) 相変わらずクーちゃんはマイペースだね〜。
[良い点] デイさんは何をしても様になる(´∀`*) いよいよクーちゃんの小亀の池作るのだ〜  レオ兄も加わって三人だとどれぐらいの強度の池が出来るのかしら❓池の形が亀さんだと面白いけど。 …
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