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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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195ー増えてる

 お肉や、ベーコン、ハムも沢山買ってきた。やっぱお塩が美味しいからなのだろう。ベーコンやハムも旨みがあって、とっても美味しいのだ。

 ちょっぴり暑い季節になったから、街を行く人達の服装が変わった。少し軽装になっている。

 冒険者の大きな剣を、背中に背負っている人は暑くないのかなぁ?

 そんな人達が多く行き交う街の中心部に『うまいルルンデ』がある。冒険者御用達のお店だ。

 何しろ、ボリュームの割にお値段が良心的。その秘密は、店主のオスカーさんと奥さんのメアリーさんが時々森へ討伐に行って、お肉を調達している。

 2人共、Cランクの冒険者だから、つよつよなのだ。その為に、お店を始める時に頑張ってマジックバッグを買ったらしい。

 俺も欲しい。小さくて良いからマジックバッグ。俺より、リア姉とレオ兄に持ってもらいたい。


「わふ」

「うん、しょうらね」


 僕が付いて行くから大丈夫だよ。と、ピカが言ってくれる。ピカは沢山収納できる。それに、ピカは強いから付いて行ってくれると安心なのだ。



「こんちは〜」


 と、元気よく『うまいルルンデ』に入って行くと、エルザがパキパキと働いていた。


「ロロ坊ちゃま、おばあちゃん、ディさんまで」

「あらあら、お邪魔するわね」

「おばあちゃん、お土産よね? オスカーさん呼んでくるわね」

「あ、エルザ。裏にまわるよ。コッコちゃんの雛を見たいから」

「はい! 分かりました」


 ディさんと手を繋いで『うまいルルンデ』の裏庭へと移動する。いたよ、いたいた。やっぱり柵の外に出ている。どこのコッコちゃんも自由だね。


「あれれ? 雛がふえてるのら」

「そうなんだよ、また孵したんだ」


 小さな雛と、少し大きくなっている雛。この雛は家にいる雛達と、同じくらいの大きさなのだ。

 コッコちゃんと言えども、さすが魔鳥さんで普通の鳥さんより成長が早い。

 もう親コッコちゃんの半分くらいの大きさに成長している。淡い黄色の雛達は、かなり体毛の色も白に近くなってきている。

 オレンジ色の雛達も、同じ様に大きくなったのだよ。色は、相変わらずなんだけど。あのオレンジ色のまま大きくなるのかなぁ?


「おう、久しぶりじゃないか」


 オスカーさんが、お店の裏から出て来た。


「こんちは〜」

「ロロ、元気そうだな」


 そう言いながら、俺の頭をガシガシと撫でる。ちょっぴり力が強すぎるのだ。


「げんきなのら。おしゅかーしゃん、おみやげがあるのら」

「そうか、墓参りに行ってたんだったな」

「しょうなのら」


 裏から厨房に入らせてもらう。『うまいルルンデ』の厨房は、思ったよりも広かった。お野菜がドン、お肉がドドンと沢山置いてある。

 もう1人、厨房で男の人が働いている。今も『うまいルルンデ』名物のお肉料理を作っているのだ。


「ぴか、らして」

「わふん」


 ピカが、はい。と、お土産を出した。

 先ずは美味しいお塩、3色なのだ。それに、塩漬け野菜とブロックベーコンに、まん丸いままのハムだ。


「おー! これ、有名な塩だよな?」

「はいはい、そうですよ」


 マリーが3色ある塩の説明と、塩釜焼きを教えた。


「おう、今度作ってみるな」

「とっても、じゅーしぃーれ、おいしいのら」

「アハハハ、そうか! こんなに沢山有難うな!」


 いつもお世話になっているからね。


「こっこちゃん、ふえてるのら」

「おう、また孵したからな。卵料理が超人気なんだ」

「うまうまらから」

「そうなんだよ。数量限定だって言ってんのに、それ目当ての客もいるからな」

 

 ほうほう。それはオスカーさんの調理の腕もいいのだ。


「デザートも作りたいんだ」

「ぷりん、うまうまらった」

「おう、エルザに聞いたぞ。スゲー美味かったそうじゃないか」


 お鍋プリンだったから、見た目は何ともだけど、味は良かった。

 きっとプロのオスカーさんが作ったら、もっと美味しくできるだろう。『うまいルルンデ』の名物になっちゃうかもなのだ。


「コッコちゃんの卵を、ルルンデの街の名物にしようとしているんだよ」

「でぃしゃん、しょうなの?」


 ディさんが言うには、孤児院でどんどん卵を孵しているのだそうだ。

 今は孤児院にいる子供だけでお世話をしている。でも、近いうちに大人も加わる予定なのだとか。


「ひょぉー」

「凄いだろう?」

「しゅごいのら」


 毎日美味しい卵を食べたいからと、軽い気持ちで飼いだしたコッコちゃん。

 それが、ルルンデの街の名物にまでなろうとしている。これは、凄い事なのだ。


「君たち兄弟が、ルルンデの名物を作る切っ掛けを作ったんだよ」


 そんな大それた事ではない。食べたかっただけなのだ。


「こっこちゃんが、おりこうしゃんれ、よかったのら」

「アハハハ、そうだね。それもそうだけど、ロロ達の功績は大きいよ」


 コッコちゃんは警戒心が強いから、滅多に人の前に姿を現さない。

 だから、それまで誰も捕まえようと考えなかったし、捕まえられるとも思わなかったらしい。

 それも、ププーの実が切っ掛けだ。どれも偶然、偶々なのだ。


「本当に、ロロは欲がないね」

「ディさん、意味が分かってないんだろうよ」


 いやいや、分かっているのだ。

お読みいただき有難うございます!

感想欄でご指摘頂きましたが、エピソード187での力関係を。

コッコちゃんの雛<ロック鳥の雛<獣<魔獣

です。文中でも触れていますが、飛ぶのもヨタヨタしているまだ雛ですので、ロック鳥みたいに強くはありません。と、設定してます。

応援して下さる方は、宜しければ下部の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです。

折れそうになる弱々な気持ちの支えになります。

宜しくお願いします!

今の癒しはハルちゃんです^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] まん丸の塩漬けハムのホットサンド食べたい。 塩漬け野菜もお漬物みたいでポリポリしたい^_^ あ〜ヨダレが〜 堪りません。 ロロさんやりますな〜   [一言] これからもルルンデの名物が増…
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