表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

176/485

176ースライム退治 2

 颯爽と参戦した、ピカさんは何をしているのかな?


「わふん」

「え……」


 マジですか……ピカさん。


「ロロ、ピカは何て言ってんだ?」

「ぴかは、炎がちゅかえないからって」

「マジかよ!? ピカ! 頑張ろうぜ!」

「わふぅ」


 だって、仕方ないもん。なんて言っている。張り切って出て行ったはずなのに。

 助っ人に出る前に、気付かなかったのかな? 最強だと言っていた、神獣のピカさんや。


「わふわふ」

「えぇー、しょう?」

「わふ」


 だってスライムなんて弱すぎて相手にしないから。なんて言い訳をしていたのだ。 本当、惚けた神獣様だ。流石あの泣き虫女神の神使なのだよ。

 でも、ピカさん。倒せないのだろう?


「わふ」


 そんな事ないよ。って、なら倒そうよ。


「わふぅ」


 いやいや、呑気な事を言っているのだ。2人で大丈夫だよ。なんて言ってきたのだ。

 もう、いいのだ。とにかくリア姉とレオ兄が、飛んできたスライムに当たらない様にしてくれれば良いのだ。


「わふん」


 そこは任せて。なんて言うのだ。

 呑気なピカさんがやっと動いたのだ。何か思い付いたのかな?

 レオ兄が一々槍でぶっ刺して、空中に放り投げていたスライム。その度に焼いていると、リア姉の魔力量が心配だ。だってリア姉は魔力操作が下手だから、加減というものを知らない。

 そこに満を持してピカさんの登場なのだ。


「わおんッ!」


 と、軽く一鳴きしたピカ。すると風が起こって、どうやったのか湖からスライムを浮かせて出したのだ。それも、まとめて沢山のスライムをだ。


「おおー! ピカ! スゲー!」


 ニコ兄がまた、スゲーと叫んでいる。そうそう、炎が使えなくてもできる事があるではないか。

 ピカさんはやってくれると、信じていたのだ。

 ピカがまとめて出したスライムを、リア姉が炎で焼いていく。

 ところが、ピカが勢いよく放り出したものだから馬車の近くまで、ポヨンポヨヨ~ンと飛んできたスライムが何匹かいた。


「にこにい! あれ、あれ!」

「おう! ロロ! 俺達も行くぞッ!」

「おーッ!」


 口では威勢の良い事を言っているが、なにしろ俺はちびっ子だ。

 ニコ兄がピョンと馬車を飛び降りたのは良いが、俺は降りられない。

 ニコ兄に支えてもらって、よっこいしょと後ろ向きになって足から降りる。

 足が地面に着かなくてプランプランしている。どうしよう、どうするのだ?


「ロロ、支えているから大丈夫だぞ。手を離してみろよ」

「うん」


 ニコ兄がしっかりと、俺の腰に手を回して支えてくれた。なんとか馬車から降りられた。ふゅ~、ちょっち焦ったのだ。

 それでも俺は、例の木の短剣を忘れずに握っている。俺の武器なのだ。

 2人で手を繋いで、気持ちは最速ダッシュだ。

 

「ロロ、それどうするんだ!?」

「ブシュッて!」

「スライムを刺すのか!?」

「しょうなのらッ!」


 ニコ兄と一緒に、ポヨンポヨンと動いているスライムに近付く。


「よ、よぉしッ! とおッ!」


 俺は躊躇せず……いやいや、恐々で屁っ放り腰なのだけど、スライムの真ん中目掛けて木の短剣をグサッと刺したのだ。頑張った!

 プニュッとなんだか変な手応えだったのだけど、なんとか真ん中に短剣を刺した。

 俺は、やる時はやるちびっ子なのだ。


「ニコ! ロロ! 何してんだよ!」

「ニコ! 踏み付けるのよ! グチャグチャに踏ん付けたら分割しないわ!」

「おうッ! リア姉、分かったぞ! ロロ! やるぞッ!」


 よしッ、グチャグチャに踏み付けるのだな。


「えいッ!」


 と、ニコ兄と一緒にスライムを踏んづけ出したのだ。

 木の短剣を刺した事で、動きが鈍くなっている。これは、どんどん踏ん付けよう。

 ブニブニと余り手応えがないのだけど、それでもバタバタと踏み付ける。ちょっと固めのゼリーみたいな感じなのだ。

 スライムの形がどんどん無くなっていく。小さな欠片も逃さずグッチャグチャにエイヤッと踏み続ける。すると欠片になったスライムが、干からびてきて動かなくなったのだ。

 小さなスライムを相手に、大騒動なのだ。


「やったぞ!」

「やったのだ!」

「ロロ、あっちもだ!」

「おーッ!」


 ニコ兄と2人で、また別のスライム目掛けて走って行く。勿論、俺の武器も忘れず持って行く。


「にこにい、ブシュッてしゅるのら!」

「ロロ、いけー!」

「とぉッ!」


 またスライムの真ん中を目掛けて、短剣を思い切り刺した。もう、怖くないぞ。


「よしッ! 踏むぞ!」

「おぉー!」


 またまた、ニコ兄と2人でバタバタと踏み付ける。


「ピヨヨッ!」

「キャンキャン!」


 んん!? この声は!? 声のした方を見ると、ちびっ子戦隊もいつの間にか馬車から降りていて、同じ様にスライムをバタバタと踏み付けていた。

 寄ってたかって、小さいのが踏み付けているのだ。見ていると、なんだかスライムに同情してしまうくらいにグチャグチャなのだ。

 そんな事をしていると、あっという間に終わったのだ。

 全部のスライムを討伐したら駄目だ。塩分を吸収してくれるから、そこそこ残しておかないといけない。


「ニコ、ロロ、びっくりしたよ。大活躍だね、怪我はないか?」

「ふふふ! 2人とも凄いわ!」


 リア姉とレオ兄、ピカが走り寄って来て、ニコ兄と俺に抱きついたのだ。

 ナデナデしながら褒めてくれた。


「どうってことないぞ!」

「やっちゅけたのら!」

「ピヨヨ!」

「アンアン!」


「フォーちゃん達やイッチー達もよくやったね」


 レオ兄がちびっ子戦隊も忘れず褒めてくれる。ちびっ子戦隊も頑張ったのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告も有難うございます。

リアが活躍するような?

宜しければ、是非とも下部の☆マークで評価をして頂けると嬉しいでっす!

宜しくお願いします!

『ちびっ子転生者は手に負えないッ!』発売中です!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ