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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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167/485

167ー珍しい

 レオ兄は、俺達を置いて行くつもりだ。そうはいかないのだ。


「ニコ、ロロ、危険だから駄目だ」

「らってれおにい。ちろがいるのら!」

「そっか、チロの補助魔法は必要だね」


 そうなのだよ。チロに耐性を強化してもらえば、俺達は大丈夫なのだ。麻痺にはならない。


「でも駄目よ。危ないわ。チロだけ連れて行くわ」

「らめ! じぇったいらめ!」

「そうだよ、俺達も行くぞ!」


 ここは譲れないのだ。あんなに大きなロック鳥を、2人だけで相手するなんて何があるのか分からないではないか。

 いざという時には、直ぐに俺が回復するのだ。回復が間に合わなかったらどうするのだ? そんなの絶対に駄目なのだ。


「ボクは、いたいのいたいのとんれけしゅるのら!」

「お、俺は何もできないけど! でも一緒にいるぞ!」


 そりゃそうだ。兄弟で1人だけお留守番なんて嫌に決まっている。

 ニコ兄と2人で、絶対に付いて行くと訴えたのだ。

 俺なんて両手をギュッと握り締めて、もう涙目だ。それでもジッとレオ兄を見る。


「ニコ、ロロ、2人も見ただろう? 本当に危険なんだ」

「レオ兄、分かってる! それでも一緒に行くぞ!」

「れおにい、ボクはていまーらから、らいじょぶなのら!」

「え? テイマー? ロロ、テイマーが関係あるの?」

「わからないのら。れも、らいじょぶなのらッ!」

「わふん」

「ピカ、でもね」

「わふ」


 ほら、ピカだって大丈夫だと言っている。僕が守るよと言ってくれているのだ。

 それに、どうして急にあの岩場に巣を作ったのかだ。

 俺はそれも気になるのだ。俺はテイマーなのだ。だから、もしも話せるのなら話してみたいのだ。

 ちょびっと野望があるのだけど。あのロック鳥、乗れたら凄いと思うのだ。ぐふふ。あ、ちょっとにやけてしまった。


「ロロ、何か悪い事を考えているのかな?」

「え……考えてないのら」

「本当に? まさか乗ってみたいとか思ってないよね?」

「お、お、思ってない……のら」


 あ、バレているのだ。ちょっと、挙動不審になってしまう。目が泳いでしまうぞぅ。俺って正直だから。


「ロロ……駄目だよ。絶対に駄目だ」

「わかってるのら」


 俺はポーカーフェイスを覚えないといけない。レオ兄にバレバレなのだ。

 だって乗ってみたくないか? 大空を飛べるのだよ? それは是非とも乗ってみたいと思うのだ。


「ロロ」

「あい、ごめんなしゃい」

「約束だ。絶対に危ない事はしない、僕と姉上の言う事を聞く事、離れない事、いい?」

「分かったぞ!」

「わかったのら!」


 ふむ、仕方がないのだ。ここは我慢だ。俺は聞き分けの良いちびっ子なのだ。


「レオ、いいの?」

「姉上、仕方ないよ」

「そうね、私が守るわ」

「僕だって」

「わふん」

「アハハハ、そうだね。ピカがいるから大丈夫だ」

「わふ」


 ピカさん、頼りになる。それにしても、本当にどうしてなのだろう?


「むむむ」

「ロロ、どうしたんだ?」

「らってれおにい、ろうしてなのら?」

「何がかな?」


 俺は話したのだ。今まではあの岩場に巣を作っていなかった。どうして急に岩場に巣を作っているのだ?

 しかも、人を寄せ付けない。まるで守っているみたいなのだ。

 何かあるのではないのかと思うのだ。


「なるほど、そんな事よく気が付いたね」


 レオ兄が頭を撫でてくれる。だろう? 俺、結構良い所に気が付いたと思うのだ。

 だからと言って、どうしてなのかは全然分からないのだけど。

 そこは、レオ兄とリア姉にお任せなのだ。


「そんなの決まってるじゃない」

「姉上、気が付いていたの?」

「レオ、分からなかったの?」


 おやおや、レオ兄よりリア姉の方が気付いていたのだ。これはとっても珍しい。


「ロロ、その目は何なの?」

「なんれもないのら。めじゅらしいとか思ってないのら」

「思ってるじゃないぃ!」


 あ、しまった。つい言ってしまった。思わずお口を両手で覆ったのだ。やっぱ俺って、正直だから。


「アハハハ、ロロったら」

「酷いわよぅ」


 それよりもだ。リア姉は何に気付いていたのだろう?


「岩場に巣を作っていて、この時期なのよ。そんなの決まっているわ。きっと卵を守っているのよ」

「あ、そうか。なるほど、そうだね」


 この時期、魔獣は産卵の時期らしい。以前、森に魔魚を捕りに行った時もそうだった。

 魔魚さんが産卵の時期だから、美味しいって。

 そうなのだ、ロック鳥も同じなのだ。岩場に巣を作り、卵を産んで守っているのだ。


「通りたいらけって、はなしてみるのら」

「ロロ、ロック鳥と話すの?」

「しょうなのら。ボクはていまーらから」

「いくらテイマーでもそれは無理よ」


 そんな事、やってみないと分からないのだ。

 諦めたらそこで試合終了だと言うではないか。何かのアニメのセリフじゃないけど。


「姉上、意外といけるかもしれないよ」

「レオ、でも相手はロック鳥なのよ」

「ピカがいるよ。魔鳥よりもずっと格上の神獣だ」

「そうね、そうかも知れないわね」


 そうなのだ。ピカさんは無敵なのだろう? 鬼つよの神獣なのだ。


「わふん」


 当たり前だよ。なんて言っている。こんな時、ピカさんはとっても頼りになるのだ。


「兄さん達、また行くのか?」


 心配してくれているのだろう。宿屋のご主人が話しかけてきた。


お読みいただき有難うございます!

ロロの野望が…!?^^;

宜しければ、下部にある☆マークから評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

今日は私のiPhoneの待ち受けにしている画像を!^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ピカさん「ワシの背に乗れや飛んでやるけん」結局阻止
[良い点] いよいよ、ロック鳥との対話? 兄弟四人で向かうですね❓ でも、リア姉の扱いロロさん女神様と変わらないような気がするのは私だけでしょうか❓ テイマとしてのロロに期待大。 ロック鳥との対話どん…
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