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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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137ー魔道具?

「だから、ロロ。前にも言っただろう? お帽子を作る時に何を思ったのかな?」

「いちゅも、ぱとろーるしてくれてるから、怪我しないように」

「うん、防御力アップだね」


 え……


「ロロ、それからまだあるんだろう?」

「小しゃいから、知らない人にちゅれていかれないように」

「うん、ビリビリだ」


 マジか……そうなっちゃうのか?


「ロロは、本当に付与魔法に秀でている。もうこれは、立派な魔道具だ」

「まろうぐ……」


 なんですとぉッ!?

 魔道具といえば、お高い超便利アイテムなのだ。

 でもあれは、ただのお帽子なのだよ? ちびっ子の俺とマリーとでチクチクと縫って作った、ただのお帽子なのだ。


「防御力アップとビリビリが付与されているのに?」


 そうなのだけど。そうなのか? そうなるのか?


「そうなるね。あれって良いお値段になるよ」

「え……」


 俺ってもう商売できたりする? 出来ちゃったりするのか?


「ロロはまだちびっ子だという事を、忘れてはいけないな」

「あい」


 ちょっと欲を出してしまった。お高く売って、リア姉とレオ兄にマジックバッグを買いたかったのだ。


「マジックバッグくらい、そのうちロロにも作れるようになるさ」

「えー、しょれはむりら」

「そう? そんな事はないと思うよ」

「しょう?」

「そうだよ。だって、これからロロに魔法を教えるのは、このディさんなんだよ」

「でぃしゃん!」

「アハハハ!」


 なんだよ、なんだよー! そうだったのだ。俺はディさんに教えてもらえるのだ。

 え、ちょっと待つのだ。肝心な事を確かめていないぞぅ。


「でぃしゃんは、ちゅくれるの?」

「マジックバッグでしょう? もちろん、作れるよ。ちょちょいのちょいだよ!」

「えぇー! でぃしゃん!」

「アハハハ! でも、ロロがもう少し大きくなってからだ」

「わかったのら」


 それでもいいよ。俺が作れるようになるのなら、それでいいのだ。

 こうして畑を見ていると、5色の小さなものが畑の中を走っているのが分かる。

 本当に走るのが速い。畑の中にある小道を飛ぶ様に駆けて行く。

 うん、いい感じだ。お帽子も脱げていない。

 離れた場所から、ドルフ爺の大きな笑い声が聞こえてきたのだ。「ワッハッハッハ!」と大声で笑っている。ウケているぞぅ。

 そのうち、ニコ兄の声まで聞こえてきたのだ。


「アハハハ! なんだよそれー! ロロか!?」


 あ、ニコ兄が走って来たのだ。


「あれ、ロロが作ったんだろう?」

「しょうなのら。可愛いのら」

「可愛いし、分かりやすくていいじゃん! 1がいっちーなんだろう?」

「しょうなのら」

「なんだ、昨日から縫っていたのはアレだったんだ」

「まりーと頑張ったのら」

「上手にできたな!」

「えへへ」


 良かったのだ。ちゃんとアップリケの番号の意味も分かってくれている。

 さてと、お次は……


「ロロ坊ちゃま、おリボンですね」

「しょうなのら。バージョンアップしゅるのら」


 リア姉とレオ兄のおリボンなのだよ。もうリボンも用意してある。

 おリボン全部にしなくてもいい。先っちょの方に少し頑張って刺繍するのだ。

 リア姉には金髪に映えるように、真紅のふんわりとしたおリボン。そこにリア姉の瞳の色の紺色で刺繍する。

 レオ兄は、紺色で細めのおリボンで、瞳の色のラベンダー色で刺繍する。もう決めてあるのだ。


「ディさんも、おリボン欲しいなあ」

「らってでぃしゃんは髪を結んれないのら」

「それでも欲しいなあ」

 

 大の大人に強請られてしまった。仕方がない。ディさんには助けてもらったのだ。


「何色がいい?」

「緑!」

「わかったのら」


 ディさんが嬉しそうに顔を緩ませた。


「嬉しい! どんな付与がつくのか楽しみだねッ!」


 そこが1番なのだろう? まさか、ビリビリなんてつかないよ。

 だってディさんは、誰にも連れて行かれない。大人だし最強なのだから。


「そうなの?」

「しょうなのら」

「そうだ、ロロ。前にあげたアミュレット持ってる?」

「うん」


 ほら。と、服の中から引っ張り出して見せた。

 ディさんの瞳の色と同じ、エメラルド色した小さな魔石の付いたアミュレットなのだ。

 俺の居場所が分かるのだ。だから、俺はいつも首から掛けている。


「ちょっと貸してね」


 俺の首に下げたまま、ディさんが両手で握りしめた。すると、握った手の間から光が漏れたのだ。


「ふょッ!?」

「よし、これでいい」

「でぃしゃん?」


 前の事件の時に、このアミュレットを持っていたから、ディさんは俺の居場所が分かったんだ。

 あの時、俺は酷い怪我をした。どんな怪我なのか、知っているのはディさんと、ピカ、それにチロだ。


「もうあんな怪我をしないように、防御力アップやシールドと自動回復も追加しておいたよ」


 おぉー! バージョンアップなのだ。

 あ……シールドと言えば、忘れていた。


「でぃしゃん、くーちゃん」

「くーちゃんがどうしたの?」

「しんかして、せいじゅうになって、シールドをおぼえたのら」

「なんだって!? 凄いじゃないか! クーちゃんは守りに特化しているんだ」


 そうなのだよ。クーちゃんは鉄壁の守りなのだ。守護神とでも呼ぼうか?


「で、ロロはどうしてそれを知っているのかなぁ?」

「え? え、えっちょぉ……」

「鑑定眼は使えないよね?」


 それはレオ兄だけなのだ。


「なら、どうしてかなぁ?」

「ぼ、ぼ、ボクはていまーらから」


 苦し紛れの、テイマーだからだ。


「へえ〜」


 これは信じていないぞぅ。でも、女神の事を話しても良いのか分からないのだ。


お読みいただき有難うございます!

花粉症がマシになってきたと思ったら、今度は黄砂です。皆様もお気をつけて下さい。(-。-;

応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

皆様の評価が色んな事に繋がります!^^;

宜しくお願いします!

リリの3巻も発売中です。宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 口は災いの元 まあバレたらバレたでわっしょいされそうな気も
[一言] チクチクしてたのはすごいお帽子だった! そろそろ「ていまーらから」が通じなくなってるロロくん(*´▽`*)
感想一覧
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