表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/485

134ーこれから

 亀さんのクーちゃんは、何も言わないけどいいのかな?


「あたしはぁ、お留守番しているわよーぅ」

「しょうなの?」

「そうなのよーぅ」


 進化して聖獣になったらしいけど、相変わらずのんびりとしたクーちゃんなのだ。

 でも、良かったのだ。だって、クーちゃんは大きいし重い。移動するのも遅いし、沢山食べる。それは、無理なのだ。


「大所帯だねー。ディさんはコッコちゃん達とお利口に待っているよ」


 いやいや、ディさん。大人なのだから、お利口とかないのだ。


「ちょうど、孤児院のコッコちゃん達の事があるんだよ」


 みんなで増やしていた雛の事なのだ。まだ全然増えていない。だって数日しか経っていないから。

 でも、今後どんどん増やす予定なのだ。そして、卵を売る。それを孤児院の資金にするのだ。

 街にいるストリートチルドレンの、働く場所と住む場所を提供できる。お勉強もだ。

 その予定で計画は進んでいるらしくて、孤児院の裏にコッコちゃん達の小屋を造るのだそうだ。


「ちょうど、空いたんだよ。住んでいた人が引っ越しちゃって、空き家になったからリフォームするんだ」


 どんどん、大きな事になっている。先ずは、ルルンデの名物にするのだ。

 ルルンデに来れば、コッコちゃんの卵が食べられるぞ。みたいな感じなのだ。

 ストリートチルドレンが保護できたら、次は街の子供達なのだ。教育をしたい。家計の足しになるようにもしたい。

 子供達を育てるという事は、街の未来を切り開く事にもなるのだ。

 子供達に教育を施す。その子供達の子供は当然、教育を受けるようになる。そうして、生活の基盤を底上げするのだ。

 それはきっと、ルルンデの街を豊かにする筈なのだ。

 大変な事なのだけど、それをディさんはやろうとしている。


「だからコッコちゃん、僕が卵を温めるのは帰って来てからでもいいかな?」

「コケッ!?」

「ククク」


 レオ兄がそう言うと、仕方ない。と、渋々納得している。親コッコちゃんは最近大人しい。いや、違うのだ。フォーちゃん、リーちゃん、コーちゃんが目立ち過ぎるのだ。

 とにかく元気だ。まだ雛なのに。走り回っている。

 プチゴーレム達と一緒に畑を爆走していたりする。あの細くて短い足で、よくあれだけ走れると感心するのだ。


「元気らね」

「コッコッコ」

「クック」

「あらら」


 もう、自分達の手には負えないと遠い目をしている。でも、元気が一番なのだよ。


「コッコ」

「しょうらね」


 元気で育っているのはとても嬉しい。と言っている。親心だね。


「ディさん、ランクアップの試験って何するの?」

「リアは剣だよね?」

「はい」

「剣ならギルマスが相手をするんじゃないかな?」

「え?」


 なんですと?


「だから、ギルマスだよ。ギルマスと対戦するんだ」

「ええッ!? そんなの敵う訳ないじゃない!」

「アハハハ。そうだよねー」

「ディさん、笑い事じゃないですー!」

「アハハハ!」


 ディさんは楽しそうに笑っている。なのに、リア姉は見るからに肩を落としている。


「ダメだわ、私、落ちたわ」


 そんな事はない。頑張って欲しいのだ。だって、そのギルマスが大丈夫だと言っていたのだぞ。


「え、じゃあ槍は誰なんですか?」

「槍だと、オスカーさんじゃない?」

「え? オスカーさんは引退したって」

「そう言っているだけだよー」

「そんなー!」


 『うまいルルンデ』のご主人、オスカーさん。強いらしい。ガチムチだし、イカツイし。

 ふむふむ、これは二人とも頑張らないといけないのだ。


「オスカーさんはCランクだよ。レオ達とそう変わらないさ」

「そんな事ないです。毎日活動している僕達がやっとCランクに上がる為の試験なんですよ。オスカーさんは毎日活動していないのにCランクを維持しているんだ。そんなの敵わないよ」

「弓なら僕なんだけどね」

「えぇー、ディさんは余計に駄目な気がするんだけど」


 おやおや、レオ兄まで弱気なのだ。これはいかん。俺が一言言ってあげようではないか。

 両手を腰にあて、ちょっぴり偉そうに言ってみよう。


「りあねえ、れおにい、きもちれ負けたららめ」


 オマケに、短いプクプクとした人差し指を立てて、フリフリしてあげようではないか。


「ロロ……」

「らめ。がんばるのら」

「アハハハ! ロロの言う通りだよ」

「らってしょうなのら」

「そうだね、ロロはお利口さんだ」


 ディさんに頭を撫でられた。優しい手だ。ディさんと数日会えないのは、ちょっぴり寂しいのだ。

 今日はとても長い1日だったのだ。

 朝早くから、ボア騒ぎだった。午後からはギルドに行く途中でマンドラゴラを見つけた。どっちも、もうみんなのお腹の中だ。

 ディさんやチロと一緒に回復もした。

 クーちゃんを無事登録して、ギルマスにもらった首輪はクーちゃんが着けている。とってもお似合いなのだ。

 ああ、そうだ。クーちゃんが進化して聖獣になった。

 レオ兄も鑑定眼が使えるようになっていた。凄い事なのだ。

 俺は……とっても……心がポカポカする1日だったなぁ……ふぁ〜……


「ああ、ロロがもう眠りそうだ」

「今日は頑張ってくれたからね」

「ロロ、家に入ろう。もう眠いだろう?」

「ん……れおにい。ポカポカなのら……」

「アハハハ、何の事だか分からないや。ほら、抱っこするよ」

「うん……ふぁぁ〜……」

「ロロ、また明日ねー」


 ディさんだ。明日も来てくれるのだ。嬉しいなぁ……


「おやしゅみー……」


 俺は、レオ兄に抱っこされてベッドへ。

 今日は良い夢が見られそうなのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告を有難うございます。

宜しければ是非とも評価やブクマをして頂けるととっても嬉しいです!

宜しくお願いします。

リリの3巻発売中です!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ