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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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133ーボア鍋

 最初は心配してくれていたのだろう。でも、今はもうディさんも仲間なのだ。家族じゃないけど、大事なお友達だ。

 俺はそれがとっても嬉しい。だから、ちょっとスキップを披露してみよう。


「えへへ~、ごはんはなにかなぁ~」

「ロロ、きっとアレだよ」


 そう、レオ兄が言ったアレなのだ。

 帰ったら家の前で近所のみんなが集まっていた。外に集まって大きな鍋で煮ている。


「おう! 帰ったか!」

「ロロ! ドルフ爺のボア鍋だぞ! マンドラゴラ入りだ!」


 ニコ兄とユーリアが手伝っている。手に大きなお玉を持っているのだ。

 朝倒したボアなのだ。それにやっぱ食べちゃうのだ、マンドラゴラ。もうボア鍋に入っている。良い匂いがして美味しそうなのだ。


 ――キュルルル~


「アハハハ、ロロのお腹が鳴っているよ」

「でぃしゃん、お腹がしゅいたのら」

「はいはい、みなさん食べましょう!」


 マリーが仕切っているのだ。『お茶をどうぞ』の上級バージョンなのだ。

 誰もそれには抗えない。俺は特にそうなのだ。


「ロロ、こっち来いよ!」

「にこにい!」


 呼ばれたニコ兄の隣に、トコトコと走って行く。

 コッコちゃん達も、何が始まるのかと興味津々でみんな集まっている。亀のクーちゃんも、流石にこの騒ぎだと起きているのだ。


「さあさあ、みんなでいただきましょう!」

「いただき!」

「いたらきましゅ」

「沢山食べろよ! いっぱいあるからな!」


 ドルフ爺だ。今日はドルフ爺の奥さんセルマ婆さんも一緒だ。それに、ドルフ爺の息子夫婦と孫もいる。


「ここに来てない家にもボアの肉をお裾分けしたんだ。近所全部に配ったんだぞ」

「しゅごいのら」

「大きなボアだったからね」

「れおにい、おおきいの?」

「うん、あのボアは獣にしては大きいよ」

「ひょぉ~」


 よく、雛とプチゴーレムで足止めしていたのだ。あんなに小さいのに。

 みんなはボア鍋をつついているのに、ディさんはシャクシャクといつもの様に特盛サラダを食べている。


「でぃしゃん、おいしいのら。たべないの?」

「食べるよー。先にサラダを食べるんだ」


 ほう。まあ、いいや。ボア肉から出汁が出て、マンドラゴラが良い感じに煮込まれている。魔物とは思えないのだ。

 コッコちゃんファミリーが、お野菜を沢山貰って食べている。亀のクーちゃんもだ。

 ピカとチロはボア鍋のお肉を貰って食べている。チロさん、ちょっと大きくなってないか?


「ちろ、おっきくなった?」

「ロロ、そうか?」

「うん。かいふくまほうも、しゅっごくちゅかえるようになったのら」

「そうなのか?」

「うん。今日は、ちろもだいかちゅやくらったのら」

「アハハハ、そうだねー」

「いつも寝てるのにな」


 ニコ兄、それを言っては駄目なのだ。確かにいつも寝ているけど。


「あ、そうだ。ニコ、ロロ。明後日ギルドのランクアップの試験なんだ。それが終わったらお墓参りに行くよ。やっと馬車を借りられそうなんだ」

「みんなで行くのかしら? ロロちゃんはまだちびっ子なのに、大丈夫かしら?」


 初登場、セルマ婆さんだ。ちょっぴりおっとりとしたお婆さんなのだ。ドルフ爺さんは賑やかでせっかちなのに。

 俺の話の中に出てきた事はある。日向ぼっこ友達だから。でも、ご本人の登場は初めてだ。優しいお婆さんなのだ。

 今も、ニコ兄と一緒に俺の世話を焼いてくれる。俺が食べやすいようにお肉を小さく切ってくれたり、俺のほっぺを拭いてくれたり。ありがとう。

 コッコちゃんも懐いている。一緒に日向ぼっこしているからなのだ。


「らいじょぶら。ボクも行きたいのら」

「そうよね、ご両親のお墓参りですもの。でも、ロロちゃんがいないと寂しいわねぇ」

「ちょっとのあいららけら」

「そうね、待っているわ。ちゃんと無事に帰って来てね」

「うん」


 この、おっとりとした雰囲気が安心するのだ。何度も言うようだけど、ドルフ爺さんは賑やかでせっかちだから。


「儂がコッコちゃんの世話をしとくぞ」

「うん、ドルフ爺頼んだよ。クーちゃんも頼むよ」

「おう! ニコ、任せとけ!」


 と、そこに物言いがついたのだ。大人しくお野菜を食べていると思っていたのに、聞いていたのだね。俺達の前に整列している。こんな時は行動が早いのだ。


「ピヨッ!」

「ピヨピヨ!」

「ククッ!」


 そう、フォーちゃん、リーちゃん、コーちゃんだ。

 自分達も行くアルね! どこに行くアルか!? 付いて行くアルよ! と、訴えている。

 既に親コッコちゃんは諦めモードなのだ。あの子達はお手上げだと、諦めて遠い目をしている。寧ろ、よろしく頼むといったスタンスなのだ。


「ロロ、どうする?」

「えー、おるしゅばんれきない?」

「ピヨヨ!」

「ピヨ!」

「クック!」


 どうしてアルか!? 守るアルね! 役に立つアルよ! なんて口々にアピールしている。

 ああ、もう仕方がない。


「おりこうにれきる?」

「ピヨヨッ!」


 いつもお利口アルね! だって。自信満々に言っちゃってるのだ。でも、親コッコちゃんは心配しているよ?

 君達を統率できる様な、雛まで産み出そうとしているのだよ。


「まあ、いいんじゃない? プチゴーレムもいるんだし」

「え……?」


 ディさんが大変な事を言ったのだ。

 俺は、プチゴーレム達を連れて行くつもりはないぞ?


「ロロ、あの子達はロロの魔力が必要なんだよ?」

「あ、わしゅれてたのら」

「わふ」

「しょお?」

「わふん」


 魔力はあげてほしいと、ピカにも言われちゃったのだ。待てよ……なら、結構な大所帯になるのではないか?

 マリー一家も行くのだよ? だって息子夫婦のお墓参りも兼ねている。それに、雛3羽とプチゴーレム5体なのか?


「完璧じゃない、ロロ」

「えー」

「アハハハ!」


 どう考えても多いのだ。


お読みいただき有難うございます!

もう少し2章が続きます。3章は何が起こるのでしょうね〜^^;

誤字報告も助かっております。有難うございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると、とっても励みになります。嬉しいでっす!

宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
大所帯だけど、カゴ一個に収まりそうな感じがまたwwww
とても楽しく読んでいます セルマ婆さんの所ですが、没入感が無くなるので“初登場”とかは書かないで欲しいです
[一言] ちみっこの護衛はちみっこで固めるのだ
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