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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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131ー驚くギルマス

「僕達はピカがいるから平気だけど」


 やっぱあれなのだ。ディさんが持っているマジックバッグ。あれが欲しいのだ。


「ロロ、また難しいお顔になってるよ?」

「でぃしゃんは、いいのもってるのら」

「僕? 何かな、ロロ」

「でぃしゃんの、まじっくばっぐなのら」

「ああ、そうだね。沢山入るから」

「しょうなのら」


 でも、この国ではお高いらしい。ディさんは、長老さんに貰ったと言うのに。解せないのだ。

 どうしてこんなに差があるのだろう? やはり、エルフ族の国は豊かなのだろう。


「回収屋を雇うか」

「うん、いいね」


 なにかな? 回収屋?


「冒険者が狩った魔獣や獣を、回収して回ってくれる人達がいるのよ」

「へえ〜」

「いやもう面倒だから、オスカー達に依頼するか?」


 なんですと!? どうしてここで、オスカーさんの名前が出てくるのだ?

 確かに強いとは聞いていた。でも、もう引退したのだろう? 『うまいルルンデ』だってあるじゃないか。


「あいつらなら、マジックバッグを持ってる。肉は店で出すからいいんじゃねーか?」

「それが一番確実かも知れないね」


 え……オスカーさんはお高いマジックバッグを持っているのか? もしかして、お金持ちなのか?

 『うまいルルンデ』の店主は、世を偲ぶ仮の姿なのか? 本当は富豪だったりするのか? 左団扇(うちわ)なのか?


「アハハハ。ロロ、何考えているんだよ?」

「でぃしゃん、おしゅかーしゃんは、お金もち?」

「どうして?」

「らって、お高いまじっくばっぐをもっているのら」

「お店を始める時に頑張って買ったらしいよ。店の定休日に、夫婦で沢山狩ってマジックバッグに入れておくんだって」

「ほぇぇー」


 冷蔵庫代わりという事なのか。それにしても、便利なのだ。うちも、ピカが同じ事をしてくれている。

 ピカに持っていてもらうと、いつでも新鮮だ。


「リア、レオ。お前達も討伐してくれよ。ピカがいるんだからよ」

「分かったわ」

「そうだね、畑まで来られると危険だし」


 そうなのだ。畑に来られると……いやいや、畑には心強い守備隊がいるではないか。


「ぱとろーるしてるから、らいじょぶなのら」

「なんだって?」

「アハハハ!」


 ディさんは笑い上戸なのだ。笑っているけども、俺達の肝心な用事を忘れていないか?


「でぃしゃん、くーちゃん」

「ああ、そうだった。ギルマス、またレオで登録して欲しいんだけど」

「おいおい、今度はなんだよ」

「ロロ、クーちゃんだね」

「れおにい、しょうなのら。ボクはとうろくれきないのら」

「そうだね」

「なんだなんだ? 名付けしてんのか?」

「うん、くーちゃん。こーんなおっきいかめしゃん」


 俺は短い両手を目一杯広げて表現したのだ。本当に大きいのだと。


「そんなにデカイのか!?」

「霊獣なんだけどね。いや、名付けで聖獣に進化したんだ」

「ディ……なんだと?」


 ディさんの一言で、ギルマスのほっぺがヒクヒクと引き攣ったのだ。あれれ? どうしてなのかな?

 またまたやって来た、ギルドの2階。ギルマスの部屋なのだ。

 今日もギルドの綺麗なお姉さんが、ジュースを出してくれた。ちょうどお喉が渇いていたのだ。今日は沢山歩いたから。

 ピカとチロもお水を貰って美味しそうに飲んでいる。お喉が渇いていたのだね。


「わふ」

「キュル」

「おちゅかれらね」

「わふわふ」

「うん、しょうらね。たのしみら」


 沢山狩ってきたから、夕ご飯はお肉だね。なんて言っている。森の中をいっぱい走ったそうなのだ。

 ピカがいてくれてとっても助かるのだよ。ピカさん、ありがとう。ナデナデしよう。

 

「わふん」

「うん」


 帰ったらブラッシングして欲しいのだって。クリーンしてから、しっかりブラッシングしてあげようではないか。

 ピカは大きいから、大変なのだけど。いつもニコ兄と二人がかりなのだ。

 今日ギルドで解体してもらっている分のお肉は、ピカが収納して持って帰る。俺達の大事な食料だ。

 それを待っている間に、クーちゃんの登録だ。

 それと、忘れてはいけない。ホーンディアの革なのだ。解体場では出していないけど、レオ兄が嬉しそうだから弓の材量もゲットしてきたのだろう。


「レオ、ギルドカードを出してくれ」

「はい」


 ギルマスがレオ兄のギルドカードを何かの機械のような物に置く。きっと、魔道具だ。そこに置くと、今のレオ兄のスキルを見る事ができる。ピカを登録する時にもしたのだ。


「おいおい、レオ」


 ギルマスもマリーと同じなのか? 言葉を繰り返すのが癖なのだろうか?

 よく、おいおいと言っている。それとも、あの年代の人達の中で流行っていたりして。そんな訳はないのだ。


「何? ギルマス」

「お前、鑑定眼が使えんのかよ!?」

「え? そういえば、マンドラゴラが分かったな。あれが鑑定眼なのかな?」

「おいおいおいおい!」

「だから、前に僕が言ったじゃない。レオは鑑定眼が使えるようになるよって」

「そりゃそうだけどよぉ。まさか、こんなに早く使えるようになるなんて思わねーじゃねーか!」


 そうなのか? レオ兄は凄いのだ!

 俺なんかより、余程チートだ。

 ふむふむと、頷きながら出して貰ったりんごジュースを飲む。美味しいのだ。


「ふゅぅ〜」

「ロロ、何落ち着いてんだ?」


 え? ギルマス、何で俺なのだ?


「らって、たくしゃんあるいたから」

「そうだね、今日はよく歩いた。ロロ、頑張ったねー。チロと回復もしてくれたしね」


 そうだった。マンドラゴラに魔力を吸い取られた人達を回復させたのだ。俺、今日は頑張った。

 いつもなら、お昼寝から起きてお庭でのんびり日向ぼっこなのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告も有難うございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

X等では、ハルちゃん一色なのですがリリの3巻も発売中です。宜しくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵)/

挿絵(By みてみん)

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[一言] おいおい連呼といえば岸辺露伴さん
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