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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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109ー畑を見に行く

「とっても可愛いネーミングなのですッ!」


 可愛いかぁ? マンマだと思うぞ。女神がそれで良いなら、俺に文句はないけど。この世界の主神が、決めた事なのだから。


「あのエルフが見たら、きっと分かるのです!」


 そうだろうね。ディさんの精霊眼だ。なんでもお見通しの精霊眼。あ、そうなのだ。思い出した。


「ボクも、しぇいれいがんほしいのら」

「それは無理なのですぅ。種族的に精霊眼は無理ですぅ」


 なんだよ。詰めが甘いな。


「でもぉッ! ロロのお兄さんが『鑑定眼』をもう直ぐ使えるようになるのですッ!」


 それはディさんが言ってたよ、ずっと前にね。今更だよ。俺は? 俺はないの?


「ロロはまだまだちびっ子なのでぇ……」


 指を弄んでモジモジし出したぞ。目も合わせようとしない。何処を見てんだ? 何だ? 後ろめたい事でもあるのか?


「まだちびっ子の時から、そうポンポンと高度な魔法を使うのは良くないのですぅ。ヒューマンという種族はそんなに強くないのです。その中でも、ロロは特別に魔力量が多いのです。もう少し大きくなるまで我慢なのです」

「わかったのら」


 女神が愛おしむ様な表情で俺を見る。どうした? 急に女神らしくなったぞ。


「ロロにお礼を言いたかったのです。いつも食べられてしまって、何千年も進化できなかったコッコちゃんを進化させてくれました。有難うなのです」


 なんだ、今日はそんな事で呼んだのか? 態々さ。


「いいよー」

「フグッ! ぎゃんカワ!!」


 また、両手で顔を覆って仰け反っている。真面な事を言ったかと思ったら、直ぐにこれだ。

 これは性格の問題なのだよ。何度も言うけど、見掛けは良いんだ。さすが女神なのだ。

 ああ、何故かリア姉の顔が思い浮かんだぞ。いかんいかん。リア姉はこんなに酷くはないのだ。


「でも、ロロ。いくら魔力量が多いと言っても、魔力切れには要注意なのです。魔力切れになると、頭に激痛がして意識を失うのです」

「ええー、しょれはいやら」

「ロロは多少の事では、なりませんけどね。覚えておいてください」

「わかったのら」

「また、遊びに来てくださいー!」


 と、言って女神が手をブンブンと振っていたのだ。

 そして、俺は目が覚めた。ああ、目ざめが悪いぞぅ。


「ロロ、おはよう」

「れおにい、まらねむいのら」


 もっといい夢を見てから起きたい。爽やかな目覚めを求むのだ。


「もう時間だよ。起きよう」

「うん」


 着替えて……いや、レオ兄に着替えさせてもらって一緒に下へ降りて行く。


「マリー、おはよう」

「おはよー」

「はいはい、おはようございます!」


 マリーはもう朝食を並べている。今朝も美味しいコッコちゃんの卵料理が並んでいる。今日は何だろうなー?


「ロロ坊ちゃま、レオ坊ちゃまと一緒にお顔を洗ってきてください。それからですよ」

「わかったのら」

「ほら、ロロ。いくよ」

「うん」


 俺ってまだ3歳なのだ。分かる? 3歳だよ。3歳児ってどれだけ自分で出来ると思う?

 そんなに出来ないのだ。服を着替えるのだって、自分一人ではできないし、顔を洗うのだって洗ってもらうのだ。歯磨きだって、チェックが入る。レオ兄の厳しいチェックが。

 女神が魔法は、もっと大きくなってからだと話していた。


「大きくなりたいなぁ……」

「ロロは今のままでいいよ。可愛いんだから」

「えー、早く大きくなりたいのら」

「ゆっくりでいいよ」


 レオ兄が、まるで父親の様な目線で俺を見る。父性だね、有難い。良い兄と姉で良かった。

 だから余計に思うのだ。早く大きくなって、俺も役に立ちたい。


 今日もディさんは来ている。片手に大きな籠を持って、畑にいるのだ。ディさん用の麦わら帽子まで用意してある。

 余程、ニコ兄の野菜が好きなのだろうね。畑の中でクルッと回ったり小躍りしている。

 俺はその後ろをトコトコと付いて行く。そのまた後ろはコッコちゃんファミリーだ。雛も一緒に付いてくる。ゾロゾロと。

 先頭を行くディさんが、ランララ~ン♪とか歌っていて、後ろのコッコちゃんがコケッコと鳴いている。にぎやかなのだ。

 マリーが近くで、ニコニコしながら見ている。

 平和だ。お天気も良くて、暑くも寒くもない。時々、ソヨソヨ〜ッとそよ風が頬を撫でていく。

 ピヨピヨと鳴いているよ……幸せの青い鳥さんではなく、黄色いコッコちゃんの雛達が。


「コッコッコ」

「ああ、いってたね」

「クック」

「うん、わかったのら」

「ロロ、コッコちゃんは何て言ってるの?」

「にこにいが、てちゅらっている畑を、みにいきたいのら」

「ニコの!? 僕も行きたい!」


 だよね~。ディさんはニコ兄のお野菜の大ファンだから。いや、信者とでもいうのか。推しか? 推し活しちゃうか?


「まりー、にこにい見にいってくるのら」

「はいはい。お昼までには帰ってきてくださいね。ディさんとピカの側を離れたら駄目ですよ」

「わかったのら」


 ほら、マリーもまだ心配性なのだ。これは、もしかしてずっと続くのかな?

 取り敢えず、俺はピカに伏せをしてもらって背中に乗る。

 畑の中の小道は歩き難いから。と、雛達が一緒に乗りたそうに、ピヨピヨと訴えてきたのだ。小さな羽根をパタパタさせている。

 可愛いなぁ〜。ほら、おいで。乗せてあげよう。

 淡い黄色した普通の雛2羽とピンク色した雛だ。コッコちゃんファミリーみんなで行くらしい。


お読みいただき有難うございます!

陽が落ちるとまだ肌寒く感じますね〜

週明けにはリリの3巻が発売になります。

発売記念SSを投稿する予定ですので、そちらも宜しくお願いします!

応援してるぞー!と言って下さる方は、是非とも評価とブクマをして頂けると嬉しいです!

目指せトップ10入り!(まだ言ってる^^;)

宜しくお願いします!

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