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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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104ー絞めらんねー

「ふふふ。はい、果実水ですよ。ディさんもどうぞ」

「マリーさん、有難う」

「まりー、ありがと」


 そっか、俺に合ったお仕事か。

 そう考えると、今趣味でやっている刺繍にもっと付与できる様になれたらいいな。

 もっとリア姉とレオ兄を、守ってくれる様にリボンもバージョンアップしたい。それに、ポーションだ。そうだった、ポーションは売れるのだ。

 上級のポーションが作れる様になれたらいいな。魔石にも付与できる様になりたい。

 俺はディさんの隣に座って、両手でコップを持ってコクコクと果実水を飲む。ピカとチロも飲んでいる。コッコちゃんはいらないのかな?


「コケ」

「コッコ」

「しょうなの」


 お昼の後にお水をもらったらしい。いつもよく喋るコッコちゃんが、分かる様になってきたのだ。

 主に2~3羽が代表して話してくれる。リーダーさんかな? 日替わりだったりして。

 そんな事をされると、余計に区別ができないのだ。やっぱおリボンでも、つけるべきか? 七色もないよ。レインボーじゃん。

 鶏冠の色が違うとか、一目見ると分かる様な特徴があったら良かったのに。七色の鶏冠のコッコちゃん。それも良くない?

 

「ロロ、行こうか?」

「うん、でぃしゃん」

「コケッ?」

「こっこちゃんはおるしゅばんなのら」

「コッコ」

「うん、おねがいね」

「コケ」


 お留守番は任せて。と言ってくれた。何を任せるのやら。コッコちゃんは弱っちいのに。

 でも、お利口さんだから安心してお留守番を頼めるのだ。誰もいない時に勝手にどこかに行ったりする心配はない。一応、柵の中には入っていてね。

 ディさんとマリーと手を繋いで歩く。後ろにはピカ、俺のポシェットにはチロだ。

 最近はこれが定番になっているのだ。教会にもよく行くようになった。

 少し前は、教会まで歩くのも疲れていたのに、大分慣れてきた。行きも帰りもちゃんと自分の足で歩いている。

 前はマリーに抱っこしてもらったり、ピカに乗ったりしていた。俺も成長しているのだ。

 今日は先に『うまいルルンデ』に行く。

 扉を開けて入るとエルザがいた。


「ロロ坊ちゃま、ディさん、おばあちゃん。コッコちゃんですか?」

「そうだよ、エルザ。ご主人は忙しいかな?」

「もうお昼のピークは過ぎたから大丈夫ですよ。呼びますね」

「ああ、裏に回っているよ」

「はい、分かりました」


 直ぐに出て『うまいルルンデ』の裏へと向かう。居たよ、居た居た。コッコちゃんが4羽だ。おや、雛がいるのだ。良かった、淡い黄色の雛だ。3羽もいるのだ。


「でぃしゃん、きいろらね」

「そうだね。普通の雛だ」


 普通とは如何に。うちの雛は普通じゃないのか? ないよな。色も違うし大きさも違う。

 ピヨピヨと鳴きながら、親コッコちゃんの後を付いている。ここのコッコちゃんも柵の外に出ている。そこは一緒なのだね。

 コッコちゃんはお利口さんだから、柵の扉を上手に開けちゃうのだ。

 此処のコッコちゃん達はお馬さんとも仲良くしているみたいだ。『うまいルルンデ』には、お馬さんが2頭いるのだ。


「こっこちゃん、おいれ」

「コケッ」

「うん、げんきらね」

「コッコ」


 最近コッコちゃんとばかり話しているぞ。いいけど。


「よう、ディさん」

「オスカーさん、雛が孵ったんだね」

「おうよ、丁度一週間で孵ったんだ」

「誰が温めていたの?」

「メアリーだ。俺だと『お座り』しなかったから、メアリーの方が良いかと思ってさ」

「相性もあるみたいだけど、あんまり関係ないみたいだよ。あれは本当のテイムじゃなかったんだ」

「そうなのか?」

「そうなんだよ。本当にテイムしたらコッコちゃんが光るんだ」

「ほう、そう言えば、光らなかったな」

「でしょう? (仮)って感じかな。でもコッコちゃんは、お利口さんだから大丈夫でしょう? オスカーさんにも懐いているし」

「おう、そうなんだよ。懐いてこられると可愛いんだ」


 それからディさんは、コッコちゃんにクリーンする事を話していた。俺は毎朝クリーンするけど、そんなに毎日しなくても大丈夫だと思うよ。

 でも、朝ごはんをあげる時についでにしちゃうのだ。コッコちゃんだけじゃなくて、柵全体にクリーンする。その方が気持ちが良い。気持ちの問題なのだ。


「クリーンか。それは気付かなかったな」

「ロロがしているんだ。そしたら、コッコちゃんの臭いがしないよ」

「そりゃ、いいな」


 そうだろう? 『うまいルルンデ』は食堂なのだから余計に良いと思うのだ。

 雛も孵っていると確認した事だし、次は孤児院に行こうかな。

 その時、オスカーさんが言い難そうに俺を呼び止めた。


「あー、それとロロ。ディさんから聞いたか? コッコちゃんだけどな、1羽だけだけど貴族に渡すかも知れない。どこから聞きつけたのか、フォリコッコがいるなら是非食べてみたいと言ってきたんだ」

「うん、きいたのら。しかたないのら」

「そうか」

「うん。おしゅかーしゃんとこのこっこちゃんらし」

「そうか。俺も本当は嫌なんだけどよぉ」


 そうだよね。オスカーさんだって、可愛いって言っていたもん。


「だからな、大きくなったらそのまま引き渡そうかと思ってんだ。俺には絞めらんねーよ。そんな可哀想な事できねー」

「しょうらよねー」

「おう。引き渡すのだって悲しくてよぉ」


 あらら、オスカーさんが涙目になってるのだ。身長も高くてガタイの良い体で、どっちかというとイカツイのに。涙脆いのだね。


お読みいただき有難うございます!

感想を有難うございます。とっても嬉しいです!

応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵)/

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[一言] 雛のうちに渡して可愛さでメロメロにしてやればいいのに
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