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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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102ーほしいアルね

 いやいや、コッコちゃんの雛はまだ言葉が分からないって言ってなかったか? え? マジ? 聞こえたのだ。

 俺が温めて孵した、鮮やかな濃いオレンジ色の雛3羽が俺の足元に並んでいる。

 この子達はもう言葉が分かる。今、俺に話し掛けてきたのだ。雛達が俺に訴えてきたのだ。

 数週間あれば大きくなるアルよッ! 直ぐに役に立つアルよッ! 任せるアルねッ!

 なんて、言ってきたのだ。その言葉はどうなのだ? もしかして、アチョー! とか、言っちゃうのか? 肉体派なのだね。


「ピヨ~!」

「ピヨピヨ~!」

「ピヨヨ~!」


 えぇー、俺は苦手なのだよ~。

 雛達が、お名前を付けて欲しいアルと言ってきた。ちゃんとテイムしてほしいアルと。

 この言葉の語尾だ。しかも肉体派なのだろう? 先が不安で仕方がないのだ。


「ぴか、どうしゅるのら?」

「わふッ」


 いいんじゃない? なんて、呑気に言っている。


「ちょっとちょっと。何て言ってんの? 僕にも教えてよ」

「でぃしゃん、あのね」


 と、俺はディさんに話した。この3羽の雛は、もうしっかり話しているという事と、お名前をつけてちゃんとテイムして欲しいと言っていると。


「ああ、そっか。コッコちゃん達には名前を付けてないもんね」

「しょう。お名前がほしいアルっていってるのら」

「アハハハ! 何その喋り方! そんな喋り方をしているの?」


 そうなのだ、雛達が本当にそう言っているのだから仕方がない。

 すると、知らん顔して眠っていたコッコちゃん達がピクッと顔をあげて、みんな俺の足元にやって来た。

 大人のコッコちゃん達が俺に訴えたのだ。


「コッコ」

「コケッ」

「クククッ」

「えぇッ!?」

「なになに? もしかして、コッコちゃんみんなが名前を付けてって言ってるの?」

「しょうなのら。しょれは無理なのら」


 だって、どのコッコちゃんなのか見分けが付かないのだ。みんな同じに見えるのだから。


「ククゥ」

「コケコ」

「ココッ」


 それは駄目だね。まさか見分けが付かないなんてね。本末転倒だよね。と、言われちゃった。もうこの際だから……

 

「ばんごうなら、らめ?」

「クク~」

「コケコ」

「クックック」


 あれれ? なんだか少し気不味く感じるのは気の所為かな? ジト目で見られている気がするのだ。

 そんなの名前とは言わない。番号なんて有り得ない。唖然失笑だ。と、言われちゃったのだ。

 ほらまた難しい事を言っている子がいるぞ。四字熟語なんて、どうして知っているのだよ。


「らって、こっこちゃんはみんなこっこちゃんなのら」

「コッコ~」

「クックック」

「コケッ」


 仕方ないね~。妥協してやろう。許容範囲だ。だって。

 コッコちゃんが、そう言ったその時なのだ。

 コッコちゃん達の体が、ペカーッと光ったのだ。そして羽をバタつかせながら、コケーッと一鳴きした。


「アハハハ!」


 それを見ていたディさん。何故かお腹を抱えて大爆笑だ。笑い上戸なのだ。って、いやいや、それどころじゃない。


「でぃしゃん、こっこちゃんがぺかーって」

「そうだね、これで本当にテイムした事になるんだろうね。アハハハ!」


 ディさん、涙を溜めながら笑ってるよ。そんなに可笑しい事なのか? 俺は訳が分からないぞ。

 ディさんが、説明してくれたのだ。

 森で、手を翳して『お座り』と言った。あの時には光らなかった。コッコちゃんが『お座り』で大人しくなったから捕まえられただけの事だったらしい。(仮)のテイムの様なものだ。

 それでも、能力に見合わないと駄目らしい。コッコちゃんが受け入れないと座らない。(仮)にもならないのだ。

 本当にテイムすると、さっきみたいにコッコちゃんの体が光るそうなのだ。

 なら、『うまいルルンデ』や教会でもテイム(仮)の状態なのか? だってコッコちゃんは、光っていなかったよね。それでも良いのかな?


「ギルドで登録しているし、コッコちゃんはお利口さんだから大丈夫だよ」


 大丈夫ならいいのだけど。それにしても、最近コッコちゃんフェスティバルなのだ。

 毎日毎日、何かとコッコちゃんに振り回されている。まあ、これだけの数がいて、その上雛まで生まれてしまったのだから仕方ない。

 なのに、俺の野望が叶えられていないのだ。

 そう、コッコちゃんに乗る事なのだ。未だにピカが許してくれない。どれだけ心配性なのだ。


「コッコちゃんフェスティバルかぁ。アハハハ、それはいいや」

「ボクはこっこちゃんにのりたいのら」


 思わず、腕組みをしてしかめっ面で訴えた。


「ロロは、ずっと言ってるね」

「しょうなのら」

「わふ」

「わかってるのら」


 ほら、ピカがすかさず「駄目だよ」と言ってくる。本当、大丈夫なのに。


「わふん」

「うん、わかったのら」


 乗りたいなら僕が乗せる。だって。今はピカで納得しとくよ。心配掛けたくないから。

 さて、俺が孵化させた鮮やかな濃いオレンジ色の雛3羽だ。この子達にはお名前を付けなきゃと思っている。だって、俺が孵化させたのだから。でもなぁ……んー……フォリコッコだろう……んー。


「ふぉーちゃんと、りーちゃんと、こーちゃん」


 なんて、なんとなく口に出したら、3羽の雛がペカーッと光ってしまったのだ。いやいや、待って。ちょっと待って。


お読みいただき有難うございます!

感想も有難うございます!

活動報告で、リリの3巻の書影を公開しております。

そちらも見て頂けると嬉しいです。

なんと、コミカライズ企画進行中でっす!

応援して下さる皆様のお陰です。心からの感謝を!

今日も応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします。



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― 新着の感想 ―
番号ならイー、アール、サンかアイン、ツヴァイ、ドライかミーア、ディーオ、トリスでも良かったかもねぇ  今行ったところでアレだけど
[一言] コッコちゃんたち 1号、2号、V3とか名前ついちゃった?(╹▽╹)
[一言] ロロとコッコちゃんのコミカライズも見てみたい
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