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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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100/485

100ー大所帯

「でもね『うまいルルンデ』ではお客さんから要望があるらしくってさ。孵化させて、食べ頃になったら一羽食べてみようかって話も出ているんだ」


 それは、仕方ない。『うまいルルンデ』に任せるのだ。俺は飼ってるコッコちゃんを食べたりできない。て、だけなのだ。


「どこからか、貴族が聞きつけたらしくてさぁ。フォリコッコがいるなら、食べてみたいと言って来たんだって。コッコちゃんのお肉なんて珍しいからね」

「しかたないのら」

「え、そうなの?」

「らって『うまいルルンデ』に、ちゅれて行ったこっこちゃんは、もうおしゅかーしゃん達のものなのら」

「へえ〜、ロロなら反対すると思っていたよ」


 反対なんてしないのだ。でも、何度も言うけど俺は食べられない。そんなの無理なのだ。

 だって、もうコッコちゃん達はお友達なのだ。それに雛から育てたら、もっと情が移ってしまうと思うのだ。


「アハハハ、そうだね。どっちにしろオスカーさん達が、孵化に成功したらの話だよ。今いるコッコちゃん達の卵は必要だからさ。看板料理になっているからね」

「うん。卵もうまうまらから」

「そうだよね〜」


 ディさんと2人で軒下に座って話していたのだ。ピカも寝そべっている。その背中にはチロが寝ている。


「おや?」


 ディさんが何か気になったらしい。


「ロロ、あれは何かな?」


 ディさんが、指差した場所。そこには、ニコ兄とドルフ爺さんが実験している白いマッシュが見える。

 ドングリの粉の上に、並べて伏せてある白い大きなマッシュ。


「りかばまっしゅ」

「え? そう呼んでるの?」

「しょうなのら。にこにいと、どるふじいがじっけんしてるのら」

「ど、どるふじい?」


 そうなのだよ、ドルフ爺さんだ。俺達は、ドルフ爺と呼んでいる。


「あれ、本当はリカバリーマッシュって言うんだよ。状態異常から回復してくれるって意味で付けられたんだ。て、なんの実験なのかな?」

「りかばまっしゅを、しょだてるじっけんなのら」

「あれを育てるの?」

「しょうなのら。りかばまっしゅが生えてた木があるから、いけるかもっていってたのら」

「へぇ~、それは凄いお爺さんがいたものだね」

「しょうなのら。にこにいの、ししょうなのら」

「師匠?」

「しょうら。いろいろおしょわってるのら」

「それは凄い。ニコは良い子だからね」

「うん、しょうなのら」


 この辺りのじーちゃんやばーちゃんに、1番可愛がられているのはニコ兄だ。

 畑を手伝っている事もあるけど、ニコ兄は頑張り屋さんだし素直だから可愛がられるのだ。


「あらあら、ディさん。来ていたのですか?」

「やあ、マリー」

「まあまあ、お茶でも入れましょうね」


 出た。マリーの必殺技だ。相変わらずなのだ。


「まりー、ボクはじゅーしゅがいい」

「はいはい。りんごジュースでいいですか?」

「うん」


 よっこいしょと腰を上げる。家の中に入って行くと、ピカだけでなくコッコちゃん達も付いて来る。親鳥7羽に、雛が5羽だ。大所帯になったのだ。


「コッコ」

「ピヨ」

「ピピ!」

「わふん」


 ああ、人間より多いのだ。口々に話しかけてくる。


「まりー、ぴかとこっこちゃんも欲しいって」

「はいはい、待って下さいね」


 賑やかなのだ。もう、足のやり場がないぞ。下手したら雛を踏ん付けてしまいそうなのだ。

 思い思いの場所で、座り込むコッコちゃん達。

 ピカはいつも俺の側にいる。その周りにコッコちゃんだ。結局、俺の周りに集まっている。


「アハハハ! モコモコだね。でも、ここのコッコちゃんて臭いがないよね」

「ディさん、それはロロ坊ちゃまですよ。毎朝コッコちゃん達に、クリーンなさっているんです」

「ロロ、そうなの!?」

「うん。ばっちいのはいやらから。家のなかに入ってくるし」

「アハハハ、そうか〜!」


 最近、分かったのだ。ディさんは意外にも笑い上戸なのだ。よく、笑っている。釣られて俺達も笑ってしまう。良い事なのだ。家の中が明るくなる。


「孤児院と『うまいルルンデ』にも教えてあげよう」


 なんだ、みんな気付かなかったのか? 特に『うまいルルンデ』は食べ物を扱うのだから、余計に気を付けないといけないのだ。

 清潔に保つ事は大事、とっても大事なのだ。ただ『クリーン』と言うだけで何もかも綺麗になる。そんなの、超便利じゃないか。どんどん使っちゃうのだ。


「もしかしてロロは、コッコちゃんだけじゃなくて柵の中全体にもクリーンしているのかな?」

「しょうなのら」

「そっか~、そうかそうか~」


 何なのだ? ディさんが嬉しそうな顔をしている。ニッコニコなのだ。


「ロロ、クリーンはとても汎用性が高い魔法だから、生活魔法とも呼ばれているんだ。ヒューマンでもある程度の年齢になったらみんな使えるようになる」


 ほうほう、そうなのか。そういえば、うちはみんな使えるのだ。


「だけどね、こんなに広範囲に使える人はあまりいないんだ。だから、人前で広範囲には使わないようにね」


 そう言って、俺にウインクをする。またウインクだ。バチコーンと。長い睫毛で風圧が起こりそうなのだ。


「わ、わかったのら」

「うん、お利口だね」


 そうだったのか。知らなかったのだ。俺は普通に柵いっぱいをクリーンしていたのだ。だって、便利なのだから。

 それよりも、俺はもう一つ考えている事があるのだ。


お読みいただき有難うございます!

100話です!まだ2章なのですが…^^;

夜に、活動報告を更新予定です。多分。

公開できる筈…

応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをお願いします!

頑張る力になります!花粉症には負けないぞー!^^;

宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 100話おめでとうございます。 毎日更新楽しみにしてます。 ロロは勿論、もふもふ達が可愛いすぎです。
[一言] 100話おめでとうございます(*´▽`*) コッコちゃんが増えてゆく…!
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