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【完結】魔王様、今度も過保護すぎです!【同シリーズ4/10コミック発売!】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第20章 子どもが増える理由

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377.出産ラッシュは事前申請式を希望

 過去の出産ラッシュは、原因が不明だった。魔の森に魔力が満ちれば、生まれるのだろう。その程度の認識だったが……リリスが生まれて、魔の森に意思があると判明する。


 現在に至っては、彼女と会話が可能だった。お陰で8万年の謎が解ける。森は魔力が満ちれば木々を生やし、多くの魔族に子を産ませた。その魔族が保有する魔力は、森が供給しているのだ。


 魔力があるから、魔族に分類される。つまり森が生み出した、リリンの魔力を受け継ぐ子が魔族だった。森の状況に関係なく繁殖する魔物や動物は、魔族ではない。森の魔力が外へ出過ぎて枯渇すれば、リリンが休眠に入る。その期間は新たな種族誕生や先祖返りが止まり、子どもの数も激減した。魔力が不足するからだ。


 リリスを産んで魔力を放出した魔の森が、休眠するのは当然だった。同時期に大量の魔力を放出したモレクの死が、リリンの目覚めを早めた。さらに森の領域が海へ広がったことが、大きく影響しているらしい。


「というわけだ」


 調査報告として、推測を交えた話を大公達に聞かせた。黙って聞き終えた後、アスタロトが苦笑いする。


「我々の忙しさは、リリン様のお気持ちひとつですね」


「生まれたのも気持ちひとつだったんだし、当然かも」


 ルキフェルが唸りながら同意する。取り出したお茶菓子を並べながら、ベールがお茶の支度を始めた。


「出産ラッシュの時期を調整できないか、今後の対策としてリリン様に頼んでみてください」


「それはいいわね。出産ラッシュが事前に分かれば、人員や物資の手配が出来るわ」


 ベルゼビュートも同意する。毎回、予想外の事態が起きるたび、ベルゼビュートは予算や損失計算を行った。それを事前に行い、対策の目安にするのはいい案だった。


「じゃあ、リリンに頼んでおこう。眠くなる時期と目覚めの前の合図を決めて貰えばいい」


 そろそろ休眠すると知らせてもらい、目覚める前に何かで連絡を貰えば、対策もとれるはずだ。


「リリス様は分からないのですか?」


 元が同じ個体なら、可能ではないか。もっともな意見だが、残念ながら首を横に振った。


「元は同じ個体というなら、オレとお前も考えが通じる理論になる」


「なるほど」


 ベールは納得したらしい。無言で頷くが、なぜかアスタロトが興味深そうに呟く。


「リリン様と繋がる個体があれば万事解決ですね」


 その表現を聞いた日本人がいれば「端末」や「リモコン」と首を傾げるだろう。しかしこの場にいないので、新しい言葉が広まることはなかった。


「ところで、イヴ姫がイヤイヤ期に入ったと聞きましたが?」


 侍女か侍従から聞き出したアスタロトの指摘に、ルシファーは肩を竦めた。


「ああ、リリスの時より成長が遅いから。それで数えると倍近くのんびり成長している感じだな」


 少し考えて、ルキフェルは好奇心から口を開いた。


「ねえ、ルシファー。魔の森のリリン様に会う時、尋ねてみてよ。成長スピードの違いの理由」


 好奇心旺盛で研究熱心なルキフェルは、常に何かを調べている。今回の興味は、リリスとイヴの違いに向いたらしい。だが、ルシファーはすでに答えを持っていた。


「それなら聞くまでもない。リリスに関しては、オレが人族と魔族の間に生まれたと決めつけた。それに合わせたらしい。イヴは最初から、魔族同士の子の認識なので、魔力量による成り行き任せだそうだ」


「ルシファー様の発言に影響を受けたと?」


「花嫁にするって断言したからじゃない?」


 思わぬところから核心をつくベルゼビュートは、からりと笑った。だが聞いた男達は「あり得ることだ」と腑に落ちる。魔の森は、花嫁にするべく早く娘を育てた……そう考えると複雑な思いが過ぎった。

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