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【完結】魔王様、今度も過保護すぎです!【同シリーズ4/10コミック発売!】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第18章 お祭りに事件は付きもの

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335.責任をとっていただきますわ

「次はわたくしの番ね、美女は最後に登場するものよ」


 大公に女性は一人なので、美女と表現できるのは彼女だけ。ベルゼビュートが最後に登場は決まり事になったのか?


 よくわからない理論を振りかざす精霊女王は、見事なボディを紺色のドレスに包んでいた。歩くたびに足がスリットから覗く。左右の太ももの付け根まで入ったスリットは、生足を存分に披露した。


 すでに既婚者なので、多少控えてもいいのではないかとルシファーが眉を寄せる。胸元も寄せて上げなくても、立派な果実が揺れている。こちらも際どいデザインだった。全力で戦ったら、ぽろっと溢れかねない。


「ベルゼ姉さん、お胸が危ないわ」


「大丈夫よ、ちゃんと魔法陣で固定してるから」


 見えそうで見えない位置は計算されたものらしい。となれば、当然足も同じだろう。ちなみにベルゼビュートが下着を身に着けないのは、かなり有名な話だった。


「陛下、責任をとっていただきますわ」


「人聞きの悪い言い方をするな。で、何のだ?」


「先ほど賭けをしましたの。陛下がどのくらいで勝つか、ベールとの戦いに時間をかけすぎですわ」


 主君をダシに賭けをするな、とか。負けたからって八つ当たりはダメだぞ、とか。あれこれ浮かんだものの、ルシファーは溜め息ひとつで諦めた。彼女のギャンブル好きは、おそらく病気だ。死んでも治らない。


「今回はいくら賭けた?」


 負けを取り戻すために、自分の戦いにも金を賭けただろうと問えば、ベルゼビュートは微笑んだ。


「ふふっ、ベールより長く、に金貨2枚ですわ」


 取り返そうとして徐々に金額を大きく賭け、最終的に全部失うのがベルゼビュートのパターンだ。過去の賭け戦績を思い浮かべ、ルシファーはにやりと笑った。


「なら、短い方に金貨3枚を賭けよう」


「受けて立ちます、参りますわねっ!」


 語尾に被せるように、ベルゼビュートは矢を放った。手に弓はない。だが弓を引く動作は行った。風により作られた弓が、風で加速する雷の矢を射る。ばちばちと雷光を放ちながら風を切る矢に、ルシファーは左手を振った。その手に握られていたのは、不思議な形の短剣だ。


 キンッと甲高い音を立てて、矢は砕け散った。左手に取り出した短剣は、刃が途中で割れていた。まるで縦に切り裂かれたように。柄に近い部分で2本の刃は融合していた。


「あら、珍しいものを」


「だろう? こないだ見つけた」


 互いにこの短剣を知っている会話を交わし、すぐにベルゼビュートが仕掛ける。長引かせる方に賭けた彼女だが、わざと時間稼ぎをする気はない。正々堂々正面から戦っても、ルシファーと長く渡り合える自信の表れだった。


「これはいかが?」


 再び矢をつがえたベルゼビュートが放ったのは、ほんのり赤を帯びた細い矢だった。ひゅっと嫌な音を纏う。ルシファーは受けずに避けた。後ろでルキフェルが叫ぶ。


「ちょっ! 危ないだろ!!」


 ぐるりと囲む民を守る結界を担当するルキフェルは、むっとした顔で結界を強化した。先ほどまでベルゼビュートが結界を張っていたが、交代したのだ。鋭い矢はとんでもない速さで、結界の一点を突き破ろうとした。咄嗟に結界を集約させて防いだ青年は、不満そうに唇を尖らせる。


「僕だって手加減したのに」


 口角を持ち上げて笑ったベルゼビュートが、弓を剣に変化させる。一気に決着をつける姿勢を見せた彼女に対し、ルシファーは短剣のまま肩の力を抜いた。


「腕の一本、いただきますわ」


 切り落とすと宣言し、ベルゼビュートは地を蹴った。

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