母親達の思い出話
チャララ〜ラララ〜♪チャララ~ララ〜ララ〜♪
「!」
最寄り駅から自宅に帰る途中、『◯ナと雪の女王』の着信音が流れ、その着信音に登録している人は一人しかいない事を覚えていた私は慌ててバッグからスマホを取り出した。
「はい!」
『ああ、義江ちゃん?今、お電話大丈夫かしら?』
予想通り、ましろちゃんのお母さん=虎田遥香ちゃんの砂糖菓子のようなふんわり甘い声が耳に響き、私は口元を緩めた。
「ああ、遥香ちゃん。今、家に帰っている途中だから大丈夫よ?」
『あら、お外なのに、ごめんなさいね?』
「いえ、いいのよ。あの子達がいない時の方がしやすい話もあるしね」
済まなそうな口調の彼女にそう言うと、近くの公園の前で、しばらく立ち止まり話し込む事になった。
『皆でお買い物に行く予定だけど、日曜日でもいいかしら?』
「ええ。大丈夫よ?よしのと義隆にも伝えておくわ」
『ふふっ。お勉強頑張ったご褒美にいっぱい奮発してあげなきゃね?』
「え、ええ……」
遥香ちゃんは屈託なく笑ったが、今回の試験結果(ましろちゃん 学年97位・よしの 学年3位)に、私は彼女に申し訳ないような気がしていた。
「ましろちゃん、よしのに勉強を教えていたせいで自分の勉強が出来なくて、順位を落としてしまったんじゃないかと心配で……。迷惑をかけてしまってごめんなさいね」
『いえいえ、そんな!義江ちゃん、謝らないで?』
いたたまれず、謝る私に遥香ちゃんは驚いたような声を上げた。
『実は、今回の結果、私は逆にホッとしているの。
私も主人もそんなに成績が良かったわけじゃないし、ましろは勉強も運動も頑張り過ぎているのではないかと心配していたから……。
今のましろはお友達のよしのちゃんと彼氏の義隆くんと生き生きと楽しそうに過ごしていて、本当によかったと思っているのよ?』
「遥香ちゃん…! それを言うなら私も同じよ。」
遥香ちゃんの言葉に、有り難く思うと同時に大きく共感した。
「親に反発する事の多かった私と違って、よしのは今まで、素直でいい子過ぎたから、逆に無理していないかと心配していたのよ。
けれど、ましろちゃんと仲良くなった時位から、自分の気持ちをきちんと主張するようになって安心したの。
義隆と一緒にこれからも仲良くしてくれると嬉しいわ。」
『ふふふ。もちろんよ。まさかあの義隆くんがましろの彼氏になっていたなんて、三人の繋がりには運命的なものを感じるわ〜!』
「本当にそうよね〜。同じクリスマスイブの日に同じ病院で生まれたましろちゃんとよしが高校で再会して、更にましろちゃんと兄の義隆が付き合う事になるなんて、運命としか言えないわよね〜!」
遥香ちゃんの言葉に私は感慨深い思いで頷いた。
『二人が生まれた日は雪が振っていたの、思い出すわね〜❆』
「ええ。ましろちゃんは雪の色から、よしのは百人一首の雪の歌からそれぞれ、名前を取ったのよね〜❆」
それから、私達は暫しあれやこれや思い出話に花が咲かせていたが、唐突に遥香ちゃんが大声を出した。
『!✧✧ 義江ちゃん!今度、二家族合同のクリスマス会を企画して、サプライズでこのお話を明かして、お誕生日会も一緒にやってしまうというのはどうかしら?』
「!✧✧遥香ちゃん!なんて素晴らしい思いつきなのっ?」
遥香ちゃんのアイディアに感動して私も叫んだ。
『「あの子(達)の驚く顔が楽しみだわ〜!」』
私達は、どんなクリスマス会になるか期待に胸を躍らせていたのだった……。
*あとがき*
よしのとましろの今後に大きく影響しそうなお母さん達の会話でありました。
いつも読んで頂きまして、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m
今後ともどうかよろしくお願いします。




