縒りを戻したラブラブカップル=俺&よしの
冬にしては暖かなよく晴れた日、聖夜高校にてーー。
「はい。おに…、義隆先輩の好きな卵焼き、お口あーんして下さぁい♡」
「えっ。は、恥ずかしいよ。////よし…、ましろっ」
「彼女なら、コレくらい当然でしょう? ねっ。義隆先輩? だから、あ〜ん♡」
「分かったよ、ましろ。あ、あ〜ん♡」
パクッ。
「うん。甘くて美味しいよ。じゃあ、俺ばかり食べさせてもらうの恥ずかしいから、ましろもこの亀さんウインナー、食べさせてやるよ。ホラ、あ〜ん♡」
「えっ。///やだ。私もですか?恥ずかしいけど、嬉しい! あ〜ん♡」
パクッ。
「んふっ♡義隆先輩に食べさせてもらう亀さんウインナーとっても美味しいですぅ。///」
昼休み、人通りの多い、昇降口付近のベンチにて、そんな甘々なやり取りを繰り広げるバカップル=俺と(ましろの姿の)よしのの姿があった……。
「あそこのベンチで一緒にお弁当食べてるの、生徒会長と、彼女の虎田さん??」
「ラブラブじゃん。発言何かちょっとエロいし……。//」
「あれ?でも、虎田さん、昨日、柔道部の寝取とくっついてなかった?てっきり生徒会長とは別れたのかと……。」
「あ〜でも、寝取くんて持久力3秒って噂じゃん?」
「アハハ、3秒で取り返されたのかな〜〜。」
通りがかる生徒達の発言を聞きながら、俺達は、照れた顔を見合わせてひそひそとやり取りをした。
「(お、お兄様。こんな感じで縒りを戻したラブラブカップルに見えますでしょうか?////)」
「(あ、ああ、よしの。見えると思うが、少々やり過ぎじゃないか?////」
ましろが俺に冷たい態度を取って、寝取と寄り添っていたのは、学校中の噂になっている。
ましろの罪をよしのに被せない為、風紀委員の前で、ましろとの復縁を宣言して断罪しないよう懇願した身としては、周囲に俺達の仲を見せつける必要があったのだが、公衆の面前でお弁当「あ〜ん♡」をするのは思いの外恥ずかしく、俺もよしのも真っ赤になっていた。
「(なんか、エロいとか言われているみたいだし、風紀委員長の上原に捕まらないだろうか?)」
「(ああ、それぐらいなら大丈夫じゃないですか?上原先輩も、荒木先輩と昨日からお付き合いを始めたそうですし)」
「えっ!そうなのかっ!?」
思いがけない事を聞いて、大声で聞き返してしまった俺によしのはニッコリ笑顔で答えた。
「はい。荒木先輩、以前から上原先輩が気になっていたそうなんですが、寝取先輩に対する男らしい対応にますます惚れてしまったみたいで、昨日告白をして、成就したと海さんから聞きました」
「そうだったんだ……」
呆然としながらも、昨日の怒涛の展開と共に、確かに上原は様々な場面で頼りになる男らしい奴だったなぁ。荒木さんが惚れるのも納得だと思い返していた。
「ハハッ。まぁ、こんな、偽のNTRビデオレターの訊問会とか入れ替わりの偽カップルとか救いのない恋愛状況に巻き込んでしまった中、本当の純愛カップルが出来てよかったよ……。」
「むぅっ…。」
俺が自虐的に笑いながら安堵していると、よしのは、口をへの字に曲げて頬をプクッと膨らませた。
「(偽カップルって、)そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃありませんか! 私の愛は本物なのにっ。えいっ。秘技、◯乳押し付けっっ!」
プニッ!!プニプニッ!!
「ちょっ……!///よしっ…!コラ!やめろって!!わあぁっ!」
腕に抱き着かれ、小さいながらもささやかな弾力が感じられる胸を押し付けられ、俺は悲鳴を上げた。
「今日、彼氏として家に遊びに来て下さるなら、やめて差し上げますぅっ」
「分かった。行くっっ。行くからっ!」
*おまけ* その後の寝取
「はぁ……。昨日は散々だったぜ……。」
虎田ましろとNTRビデオレターを作り、彼氏で生徒会長の鷹宮義隆に嫌がらせをして、あわよくば彼女を奪おうとした俺=寝取拓郎(17)
しかし、計画はうまく行かず、訊問会にかけられ、思い出すも恐ろしい屈辱を受ける、鷹宮義隆と虎田ましろの復縁を見せつけられる結果となった。
更に風紀委員長の上原に家に乗り込まれ、パソコン、スマホ、全ての電子機器のデータを消去され、ビデオレターの元になった動画のブルーレイディスクは捨てさせられ、『二度とAmuちゃんを汚すような真似は作りません!』と百回写経させられた上、その後、何故か上原の親が営む柔道道場に連れられ、キツイ稽古をつけられ満身創痍の状態で這うように遅れて学校に来た早々……。
「ましろもこの亀さんウインナー、食べさせてやるよ。ホラ、あ〜ん♡」
「えっ。///やだ。私もですか?恥ずかしいけど、嬉しい! あ〜ん♡」
「がはぁっっ!」
公衆の面前で、堂々とイチャラブしている鷹宮とましろの姿を見てしまい、血を吐いた。
「あそこのベンチで一緒にお弁当食べてるの、生徒会長と、彼女の虎田さん??」
「ラブラブじゃん。発言何かちょっとエロいし……。//」
「あれ?でも、虎田さん、昨日、柔道部の寝取とくっついてなかった?てっきり生徒会長とは別れたのかと……。」
「あ〜でも、寝取くんて持久力3秒って噂じゃん?」
「アハハ、3秒で取り返されたのかな〜〜。」
「ぐっはぁぁっっ…!!」
周囲のひそひそ話が更に俺の胸を突き刺し、膝をついた。
「おっ。寝取じゃないか!」
「……!しゅ、主将!」
そこへ所属している柔道部の主将、が通りがかる。
「上原から聞いたぞ? 昨日は上原の親御さんの道場で稽古つけてもらったんだって?自主練するなんて偉いじゃないか!ガハハハッ!!」
「いや、あの……、イテッ!イテッ!」
どう言えばいいのかと俺が言い淀んでいると、主将は豪快に笑いながら肩をバンバン叩いて来た。
「お前、持久力がないのが課題だったから、本気になってくれたのならよかった!!
やっぱり持久力がないと試合で勝つのは難しいからな!!!」
「主将まで『持久力』の話しないで下さいっっ!!うわああぁ〜〜〜っっ!!」
「ど、どうしたんだ? 寝取ぃーーーっっ!!!!」
泣きながらその場を走り去る俺の背にに、主将は戸惑ったような声をかけてきた……。




